阪神・矢野燿大監督(50)が26日、鳥谷敬内野手(38)の復活へ“レジェンド枠”を用意した。ここまで35試合で打率1割3分、0本塁打、0打点と苦しんでいるベテランについて、3位からの浮上へ不可欠な1軍戦力と判断。「任せるしかない」とまずは代打として現状打破することを期待した。
「もちろんトリ自身も、このまま終わっていいと思ってるわけがないと思うから」。2日間のオフをはさみ、この日から甲子園で全体練習がスタート。同時に38歳の誕生日を迎えた看板選手へ「タイガースの歴代で一番ヒットを打ってる(通算2073安打)のはトリしかいないから」と敬意ある言葉を贈った。
今季は16年目で初めて開幕スタメンを外れ、先発出場は6試合にとどまっている。得点圏でも25打数無安打だが「チームのためになるようなことをやってる。みんなが感じるものは絶対にある」と練習姿勢などプロ意識が与える、若手への好影響を強調。現時点で入れ替えの対象では全くなく「そこ(代打)で打っていくというところで、トリ自身のテンションも気分も上がる。そこで結果を出していくという部分と」と変わらず持ち場を与えていく。
自身が現役だった05年の同じ優勝メンバー。監督に就任した昨年10月の秋季練習初日には個人面談し、遊撃へ再挑戦する心意気を買ってきた。最近では一塁や三塁でもノックを受けている背番号1も巻き返しへ必死。「順位も見えてくる時期なので、勝ちに貢献するだけです」と意地を見せるつもりだ。開幕戦では白星につながる代打三塁打。ここ一番の集中力は健在で、ポジションを譲っている新人・木浪や北條にはない経験値も絶対的だ。道を切り開くのは結果のみ。思いをひとつに、残り70試合を戦う。(長田 亨)