「責任の所在はない」秋元康氏が経営者を“叱責”?
株式会社AKSという組織は、代表取取締役の吉成夏子氏、松村匠氏を含む取締役の3名、監査役の1名、この計5名が「取締役会」に属している。その下にある事業部の「NGT48運営部」には、前NGT48劇場支配人の今村悦朗氏(3月7日付で契約を解除)がトップに位置づけられていた。
しかし、3月に発表された調査報告書によれば、NGT48支配人の業務について、<職務、権限については具体的に定められていないし,誰の指揮・監督下で職務を行うのかも明らかにされていない状態であった>とまとめられ、責任の所在は明記されなかった。これを免罪符としたのか、今村悦朗氏は会見を欠席。代わりに松村匠氏が中心となって質疑応答を行っていた。
番組では、このように責任者の所在が不明瞭なAKSの組織体系に疑問を呈しつつ、総合プロデューサーの秋元氏が今回の問題について一切の発言をしていないことに切り込んでいく。
調査報告会見で、秋元康氏の不在の理由を記者から問われた松村氏は、「NGTの運営ということに関しては、弊社AKSが全権を握っております。それを全面的に対応しております。報告書の中にございましたように、秋元さんはクリエイティブのところを中心に担当されているので、ということでご理解いただければと思っております」と秋元氏に責任の所在がないことを主張。そのうえで、「秋元氏は今回の問題を大変憂慮している。『メンバーのケアを考えなさい』と叱責された」と述べていた。
これについて、番組に出演した若槻良宏弁護士は、「組織運営の権限のないはずの秋元氏が、経営者の松村氏を叱責している」という矛盾を指摘。「本来であれば、監督を受ける立場は上司や代表取締役であるわけですが、そうでない方(秋元氏)から指揮監督命令を受けていることはまさに企業のガバナンスが問われる。この会社は誰が意思決定をして、誰が責任を負っている会社なのか、不明瞭になる発言だった」と説明し、AKSという組織の杜撰さをハッキリと批判していた。
さらに、AKSが今後、ガバナンス強化にどのように取り組んでいくか示されていないことを挙げ、経営トップの吉成夏子氏、また総合プロデューサーの秋元康氏が表に立って説明することを求めている。