2019年 7月 1日 (月)

けもフレ小説「2年半待たされた」末お蔵入り 表紙依頼のイラストレーター、KADOKAWAへの不満訴える

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   「2年半も作業料未払いで待たされた」――。人気アニメ「けものフレンズ」の関連作品をめぐるツイートが、インターネット上で注目を集めている。

   同アニメの小説化に向けてイラストの制作を依頼されたが、ラフ納品後に連絡が途切れがちになり、結局依頼から2年以上も経って、急きょ中止を告げられたという。イラストレーターと依頼主のKADOKAWAに事情を聞いた。

  • けものフレンズ公式サイトより
    けものフレンズ公式サイトより
けものフレンズ公式サイトより

ツイッターでメール公開

   イラストレーターのねこたススムさんが2019年6月26日、ツイッターで「2年半も作業料未払いで待たされた」などの書き込みとともに、メールのキャプチャー4枚を投稿した。

   キャプチャーでは、KADOKAWAの小説レーベル「カドカワBOOKS」担当者とのメールのやりとりの一部が確認できる。

   1通目はKADOKAWAが17年2月にねこたススムさんに送ったもので、けものフレンズの小説化に向け、カバーイラストの制作を依頼する内容だ。

   2通目はねこたススムさんがイラストのラフを納品した後とみられ、KADOKAWAから「原稿と頂いたラフを先方にお預けしてまだお返事が戴けていない状態です。。。」「流石に月内には次の状況見えてくると思いますので今しばらくお待ちいただけますでしょうか。。。」(原文ママ)と書かれている。送信日は17年9月13日。

   3通目は17年11月にKADOKAWAが送付したメールだ。原作側の要望で小説の内容が再検討になったとして、新たなプロット(物語の要約)を再提出しなくてはならなくなったと報告している。

   最後は19年5月に送られてきたというメールで、企画中止とともに6月21日にカバーラフ代を支払う予定だと伝えている。企画やラフの公表は控えて欲しいとも釘を刺す。

   ねこたススムさんは、ツイッターユーザーへのリプライ(返信)で「最初のラフ作業料の10万だけしか払われてないんですよね」「(KADOKAWAの対応は)誠意が全く感じられませんでしたからね。担当には待機中に他の仕事を斡旋するだのも言われてましたが一切無かったです」とつづり、「お蔵入り」したラフも公開した。

KADOKAWA側からは「謝罪メール」来たというが...

   ねこたススムさんはその後、再びKADOKAWAとのメールのキャプチャーを公開し、告発を受けて同社から謝罪があったと明かした。メールでは「ノベルの企画が形に出来なかったこと もっと早くお支払いのご相談をすべきであったこと いずれも私の力不足、配慮不足」だったなどとして、直接お詫びがしたいと記している。

   ねこたさんの一連の告発は話題を呼び、

「カドカワは、きちんと仕事を詰めてから、イラストの依頼をするべきでは?『出版業界では当たり前』なのかも知れないが」
「もっと早い段階で一度、白紙に戻せなかったのだろうか」

とKADOKAWAの対応を疑問視する声や、

「処理の仕方に多少の問題はあるけど、カドカワ側はやった分の報酬はきっちりと払っているから最低限の義務は果たしている」
「イラストレーターさんはもちろん可哀想だけど、担当編集の人も被害者っぽい」

と同社に理解を示す向きもあった。

ねこたススムさん「絵描き自体である事も捨てる覚悟」

   ねこたススムさんは6月27日、J-CASTニュースの取材に、告発の理由を「何度も裏切られたため」と話す。

   企画の進捗の報告がたびたび滞り、半年間も連絡がなかった期間があったという。ねこたススムさんが聞いても「返事はおべっかと他の仕事を斡旋しますなどでした」。

   ねこたススムさんは、KADOKAWAに「今後関わるであろうイラストレーターさんがこのような目にあわないようにして欲しい」と望む。「自分といたしましてはイラストレーターである事、また絵描き自体である事も捨てる覚悟で告発しましたので」

   一方、KADOKAWA広報は取材に「個別の取引に関わる個人的・開示不可の情報を含む内容」のため、回答できないとした。

   けものフレンズをめぐっては、テレビアニメ第一期で監督だった「たつき」氏が18年9月、脚本費とその印税を支払われていないとツイッターで明かし、波紋を広げた。アニメを放送したテレビ東京の株主総会(19年6月25日開催)でも株主から質問が上がり、同社は「脚本料や⼆次利⽤の印税は契約書にのっとってすべて⽀払っている」と回答した(IR資料より)。

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  • イラストレーターやアニメーターなどは未だに一般的な職種と違って契約書の有無や記述の曖昧さや’良くあること‘などと言う慣習がまかり通ってしまう環境なのかと呆れてしまいます… 少なくとも下請け法や独占禁止法に抵触するかもといった意識は出版側には無さそう。 これがら日常的に行われているのであれば、既に行政側からの働きかけ・指導が必要な状態にあるように思えますが これ大分酷い隠蔽体質なのではないですか?

    返信 0件
  • そりゃ、このことを知った上で、仕事を依頼する人はもういないでしょ。 原稿料を受け取っておきながら、勝手にそれを公開する人なんて、仕事相手として信用できないもの。 go or no-go の決定に時間はかかっていますけど、単にそれだけ。 仕事をやっていれば、そういうプロジェクトもたまにはある。 それで困るのなら、途中で下りて、ラフ代の請求をすれば良かったでしょうに。

    返信 0件
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