【大リーグ】田中「受け入れ難い」ロンドンの悪夢 欧州初開催でプロ最短KO2019年7月1日 紙面から
◇ヤンキース17-13レッドソックス米大リーグは29日、各地で行われ、ヤンキースの田中将大投手(30)は欧州初のメジャー公式戦となったロンドンでのレッドソックス戦に先発。わずか2死しか奪えずに6失点でプロ最短KOを喫したが、勝敗はつかなかった。マリナーズの菊池雄星投手(27)は、ヒューストンでアストロズ戦に先発し、5イニング6安打5失点(自責3)で、こちらも勝敗はつかなかった。エンゼルスの大谷翔平選手(24)は地元アナハイムのアスレチックス戦に「3番・指名打者」でフル出場。4打数無安打だった。 ロンドンの屈辱だ。1回2死。田中が早くもマウンドを降りた。身上の制球に四苦八苦し、2四球と2安打などでいきなり3失点。さらに、2死一、二塁でチャビスに外角スライダーを捉えられた打球はバックスクリーン越えの同点3ラン。6点のリードを吐き出し、交代を告げられた。 「受け入れ難いような結果。一番がっかりしているのは、間違いなく自分自身」。田中は努めて淡々と語り、炎上の要因は「相手に上回られたのが一番。もちろん、自分自身の問題もあるし、そういった中で相手に逃さずに打たれた部分もある」と振り返った。 わずか2/3イニングでのKO劇は、メジャー6年間で過去に2度あった1イニング2/3を更新し、楽天時代を通じても自己ワースト。37球も、2014年9月27日のマリナーズ戦(50球で1イニング2/3を自責5)を更新するメジャー自己最少となった。 陸上競技場を仕立て直した“仮設球場”のマウンド。田中は「違和感はなかった」と振り返ったものの、レ軍の先発ポーセロも1/3イニングで6失点KOと苦労した。1回に両軍が6点以上を挙げたのは、メジャーでは1989年6月23日のブルージェイズ-アスレチックス以来。ヤ軍とレ軍の宿敵対決に限れば、1回で先発投手2人がともに6失点以上は史上初だった。 全米中継したFOXスポーツ局のバークハート・アナウンサーは「ロンドンのみなさん、これは日常茶飯事ではありません。通常、先発投手はもう少し長く投げるものなんです」と力説。大乱打戦の導火線に火を付ける形となった田中は「全部自分でしっかり受け止めないと次には進めない」と米国本土での巻き返しを誓った。
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