【ドラニュース】与田監督も興奮、劇的5連勝 延長11回暴投決着、初のサヨナラ2019年7月1日 紙面から
劇的勝利にナゴヤドームが沸いた。中日は30日の阪神戦、延長11回の末に今季初のサヨナラ勝ち。柳裕也投手(25)の8イニング無失点、中継ぎ陣の奮投が報われ、連勝を今季最長の5に伸ばした。試合後にはオリックスとの間で大型トレードが発表され、左腕・松葉貴大投手(28)らの加入が決まった。レギュラーシーズンのちょうど中間点、巻き返しへ視界良好だ。 ドリスの投球がワンバウンドになり、捕手・梅野が弾いた。一塁側にボールがこぼれると、三塁走者の平田は懸命に走り、本塁へ足から滑り込んだ。与田竜初のサヨナラ勝ちだ。相手暴投による意外な幕切れだったが、ドームは沸き返った。 「延長でどうなるかと思った。今年初のサヨナラ勝ちなので、まだ興奮している」 開口一番、指揮官はそう発した。延長戦はここまで3戦全敗。サヨナラ負けは6度経験していた。嫌な流れも断ち切り、連勝は最長の5に。投手陣が無失点でタスキをつなぎ、阪神投手陣をわずか2安打と打ちあぐねた攻撃陣が執念で最後に1点をもぎとった。チーム一丸の勝利に、興奮しないはずがなかった。 11回は、マウンドに上がった虎の守護神ドリスの制球が定まらず、先頭の平田がストレートの四球で出塁。京田が初球にしっかりと犠打を決め、1死二塁。相手の好守備や死球もあり、2死一、三塁でリーグ打率トップを誇る高橋を迎えた。バットに期待が集まる中、迎えた3球目が暴投に。 高橋は「何もしてないよ。打てなかったけど、なんとか勝てて良かったです」と言いつつも、表情は自然とほころんだ。一方、三塁走者の平田は集中力を高めて虎視眈々(たんたん)とうかがっていた。「暴投を狙っていました。リードも大きく取っていましたし、投げた瞬間にスタートを切っていました」。実際、通常よりも3歩、リード幅を広げていた。ただのラッキーではない。日々の観察眼が生きた。 チームの勢いを加速させるような勝利を、与田監督はずっと待ち望んでいた。「9回の裏から勝たせてくれ、サヨナラ勝ちさせてくれと、ずっとドームだけど天を仰いで祈っていた。心の中でずっと祈っていた。本当に選手が頑張ってくれた」。その願いが最後にかなった。5位ながらAクラスも射程にとらえた。
|