トップ > 静岡 > 6月28日の記事一覧 > 記事

ここから本文

静岡

遠州灘沖に大規模風力発電 東京の会社が計画

洋上風力発電所のイメージ=御前崎市の説明資料から

写真

 御前崎市から袋井市にかけての遠州灘沖で、大規模な洋上風力発電事業が計画されている。民間事業者が環境影響評価の手続きに基づき提出した計画段階の環境配慮書に対し、御前崎市長が市長意見を県知事に出し、二十七日の市議会全員協議会で説明した。最大百三十基の風力発電施設を建設する計画で、漁業や周辺に与える影響への懸念から、関係者の理解を得られるかは未知数だ。

 事業を計画するのは、大型再生可能エネルギー発電所開発の専門会社「パシフィコ・エナジー」(東京)。遠州灘の沖合五百メートル~十キロの海域海底に単機出力五千~一万二千キロワット、総出力約六十五万キロワットの風力発電施設を造る。旧式の原発一基分に匹敵する発電量で、中部電力への売電を見込む。二〇二二年九月に建設開始、二五年五月の商業運転開始を予定する。

 同社は一二年に設立。国内の十五カ所で太陽光発電所を開発しており、風力発電所は初めて。

 市は、御前崎の海岸で産卵するアカウミガメや景観に影響したり、鳥が施設に衝突したりする可能性を指摘している。市長意見では、漁業者に強い懸念があることを盛り込み、環境への配慮を求めた。

写真

 今年四月に海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に伴う海域利用に関する法律が施行され、利用促進区域を国が指定する制度ができた。今回の発電事業も国の区域指定が必要で、国が県、市、漁協など関係機関との協議会を設置する。

 環境配慮書は、御前崎市役所や事業者のホームページなどで七月一日まで縦覧できる。

(河野貴子)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索