崩壊世界の転生者
異世界「アズガルド」では魔王を討伐するために、召喚した地球人を異種族に転生させ、人類の尖兵とする勇者召喚の儀式が行われていた。 二十世紀末から十余年、同時発生する魔王とその軍勢を討伐するために、空前の規模の勇者召喚が計画されたが、その試みは失敗し、異世界の国々と魔物が棲む領域———魔界———が大陸ごと地球の各地に転移した。 さらに、暴走した召喚術式は、勇者の条件に適合する地球人類を強制的に転生させた。これらは後に大事変と呼ばれる。 S県S市の全寮制高校に通う主人公、鬼頭クロオは、高校二年生の一学期に大事変を経験する。それから五年間、転生繭で眠りについたクロオは、後に吸血鬼として転生する。 幼馴染の上級生、エルフに転生した柳沢ナオミは、学校を拠点に転生者と普通人の集落を築いていて、転生者はここで生きていくためには学校の四方を囲む森に潜むオークたちと戦わなければならないことをクロオに教える。 森には、過去に学校を襲撃した強大な魔王の存在もあるというが・・・・・・。 異世界から転移した国々や、勇者の戦力を欲する日本政府の陰謀、そして苛酷な環境に翻弄されながら、ただの学生だった彼らはその日その日を懸命に生き続ける。
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作者からの一言コメント
転生するは、誰がために