日本国籍取得の条件となるモンゴル国籍離脱を、同国当局から認められた大相撲の横綱白鵬(34)=宮城野=が29日、名古屋市熱田区の熱田神宮での横綱奉納土俵入り後、報道陣に対応して「一つクリアした状態。まだ始まったばかり」とうなずきながらも、冷静に話した。
白鵬は幕内炎鵬や十両石浦らを自らスカウトし、早くから引退後も親方として角界に残る意志を示してきた。2017年の名古屋場所中、外国出身力士が親方になるために必要な日本国籍を取得する意向が明らかに。手続きの第一歩となるモンゴル国籍離脱を、今年4月に申請した。
同じ外国出身の横綱では武蔵丸(現武蔵川親方)が大関時代の1996年に日本国籍を取得したように、決断のタイミングはまちまち。
白鵬は07年に日本人の紗代子さんと結婚して子供も4人おり、日本側では早期の手続きが見込まれる。熱望している20年の東京五輪での土俵入りが実現すれば、日本人横綱として歓声を浴びることになりそうだ。
「改めて報告できれば」と白鵬は多くを語らなかった。まずは史上最多を更新するV43へ名古屋での15日間に集中。土俵入りの奉納で「いい汗かきました。いよいよという気持ちになってきた」と本番モードに突入した。 (志村拓)