トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

3球団競合ドラ1ようやく… ソフトバンク・高橋純平、4年目の初勝利

2019年6月30日 紙面から

◇ソフトバンク5-4日本ハム

 ソフトバンクが3連勝。3-4の9回2死一塁から上林のランニング本塁打で逆転した。3番手の高橋純が4年目でプロ初勝利。甲斐野が2セーブ目。日本ハムは抑えの石川直が打たれ、今季初の5連敗で勝率5割となった。

   ◇

 ついに報われた。ソフトバンクの高橋純は1点を追う8回、イニングをまたいでマウンドに立った。2死二、三塁のピンチに「もう一つギアを上げた。投げたいタイミングでフォークのサインが出た」。中島にフルカウントから投げたフォークで空振り三振を奪った22歳は、グラブをたたいた。

 力投は実る。直後の9回に2死から上林が逆転2ラン。「今日はまったく(初勝利を)予想しなかった。先輩方に感謝です」。6試合連続無失点で、防御率は0・93。ようやく手にしたウイニングボールを大事そうに握りしめた。

 県岐阜商高3年春のセンバツで8強入りに貢献。最速150キロの本格派右腕は一躍全国区となり、ドラフト1位で中日、日本ハムと3球団競合の末、2016年に入団した。ただ期待の大きさ故に苦しんだ。昨季までの3年間で1軍登板は17年の1試合。昨春のキャンプでは初日に投球フォームにメスが入れられるなど試行錯誤が続いた。

 昨年11月、プエルトリコのウインターリーグに参加した。数ある球場の中にはボロボロのブルペンも。「いかに自分が恵まれた環境で野球ができているか分かった」。武者修行では気付きもあった。「150キロ台後半を投げる投手ばかりだろうなと思っていたけど、意外に曲げる投手が多く、僕の方が速いと自信を持てた」。制球を気にしすぎていたが、特長を生かすため腕を振れるようになった。自慢の直球は、この日も最速152キロをマークした。

 監督就任後、初めて当たりクジを自らの手で引いた工藤監督も「勇気というか度胸も付き、すべての面で1軍レベルになった。頑張っているご褒美が、こうやって表れたのはよかった」と相好を崩した。甲斐野、高橋礼らに続き今季チーム5人目のプロ初勝利。故障者が相次ぐ中、若い力の台頭で貯金は今季最多の「10」となった。 (鎌田真一郎)

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ