幸福な村
○人間飼育の村
 某県山間部に存在する新幸福村は、50家族ほどの人々が、独自の理念に基づき共同生活を営む独立集落である。人々は現代文明を拒否し、昔ながらの生活様式で、助け合いながら農牧業に従事している。この村には自動車もテレビも携帯電話も無い。医薬品などどうしても村内で生産できない一部の物を除いて、村の生活は基本的に自給自足である。耕地や作物、家畜などは、村の共有財産で、農作業や家畜の世話は、共同作業で行われている。生活は極めて質素だが、人々はみんな信じあい、愛し合い、村の名前そのままに大変幸福に暮らしている。
 村内で調達できない生活必需品を購入するためには、農作物や乳製品が交易に当てられる。もちろん無農薬であるので、自然食品としてなかなかの評判である。そしてこの村の交易用産業として最も重要な位置を占めるのが、食用人間の飼育である。村では、一般的な食用人間(たとえば少女畜産社の食用少女)で行われている遺伝子操作やクローン培養を否定しており、本当の人間を食用として飼育する方法をとっている。すなわち村の各家族は、それぞれ男女にかかわらず第3子以降の奇数子を、飼育用として提供する義務がある。提供された子供は、協同飼育場で飼育され、男子は12歳ぐらいで出荷され、女子は17歳ぐらいで出荷される。村人たちは、全員が力を合わせて、食用人間という家畜となった子供たちの飼育にあたる。本当の自分の子であろうとなかろうと、変わることなく心をこめて家畜の世話をする。乳の出る女たちは、乳児期の家畜にわけへだてなく自らの乳房を含ませる。村の少年少女たちも、家畜の世話を一生懸命に手伝う。新幸福村の食用人間は村人の愛情に包まれて育てられるのである。
 食用人間には、簡単な会話ができる程度以上には、とくに教育が施されることはないが、二足歩行を初め、食事や用足しなど、最低限の人間らしさは仕付けられている。出荷年齢に達した食用人間は、専門業者によって買い取られていく。村人自身が食用人間を食べる事は、年一回の収穫祭を除いてほとんどない。
 政府はクローンでない人間を食用に供することは禁じているが、この村に関しては、その独自の文化理念を尊重して大幅な独立自治を保障しているため、人間の食用飼育および販売も特例として認められている。その希少価値から、新幸福村の食用人間は、一部の好事家の引く手あまたとなっている。技術の粋を凝らして改良され専門的に飼育される食用少女などに比べ、肉質などはどうしても劣るものの、そこに野趣があっていいという者も多い。とくに少女畜産社などが扱っていない少年の肉は、海外からも注文が来るということである。新幸福村の食用人間は、生産量的にはごく微々たるものの、この業界の隠れた人気商品なのである。

○飼育場
 食用に飼育される事になった子供は、新生児期のみ実の母親の下で育てられ、生後1年を過ぎると、協同飼育場に送られる。乳幼児期は当番の村人たちによって厳重に保護され、大事に養育される。前述したように、乳の出る女はみんな惜しむことなく母乳を与えるのである。
 5、6歳になると、大畜舎に移され、家畜として集団で飼育されるようになる。この頃は男女の別なく、年中ほとんど丸裸ですごす。昼間は広い放牧場で転げまわって遊び、夜は畜舎の藁の寝床で固まって眠る。こうして彼らは健康な食用人間に成長していくのである。この時期の家畜の世話は、村の年長の少年少女の役目である。やんちゃ盛りの家畜たちを散歩につれていったり、自分の弟や妹かもしれない家畜の体を優しく拭いてやったりするのである。
 家畜少女に初潮が訪れ、その体が女性らしく変化し始める頃、同世代の家畜少年は出荷の時期を迎え、村から姿を消す。残された少女たちは、少女畜舎に移される。肌に傷をつけないために普段から衣服を着せられるようにもなる。また最低限の女性らしい振る舞いも教え込まれる。こうして彼女たちも、出荷の時を待つのである。

○出荷の日
 出荷の時は秋とされている。村で大切に育てられた家畜の少年少女が、業者に売られていく。彼らは食用少女などとは違い、自分たちが食用の商品だとの自覚はない。そのため業者に引き渡される時に騒がないように、特殊な薬草で眠らされたまま、売られていくのである。その薬草が手に入る時期が秋なのである。眠って縛られたままの少年少女たちが、丸太のように、次々と業者のトラックに積み込まれていく。
 村人たちは総出で見送る。家畜たちの世話をしてきた村人たちは心から別れを惜しむ。心優しい少女は、弟のように可愛がっていた家畜との別れに涙ぐんでいる。放牧場の柵の中からは裸の少年少女たちがその様子を眺めているが、彼らには今何が行われているかは理解できていないだろう。
 出荷された少年少女たちには、ほとんど売られる先がすでに決まっている。先に述べた事情により客の手間を省くため、ほとんどの場合は業者が屠殺を済ました状態で、客に届けられる。多くの少年少女は、眠ったまま、あるいは目覚めても何が何やらわからぬままに、屠殺され、その生涯を終えるのである。しかし中には、食用人間が怯え暴れる様子を楽しみたいという客もあり、その場合は生きたままで届けられるのである。

○収穫祭
 出荷が終わった秋のある日、村最大の行事である収穫祭が行われる。この村では、特定の宗教は信仰されておらず、正月もクリスマスもとくに祝うことはない。ただ大自然の恵みに村を挙げて感謝するこの収穫祭が、唯一の祭であり、村人たちの最大の楽しみでもある。
 普段は慎ましやかな生活が営まれるこの村でも、この時ばかりはご馳走があふれ、歌と踊りに明け暮れる。中でも収穫祭最大の呼び物が、出荷せずに残してあった数体の家畜少女の丸焼きである。
 少女たちは、この日のために用意された酒をたっぷりと飲まされて、すでに意識朦朧となっている。そのため裸にされ広場に引き出されても、騒いだり暴れたりはしない。村の男が少女をうつ伏せで膝の上に乗せ、しっかりその体を抱え込む。女が少女の頭を優しく撫ぜている。長い金串を持った男が少女の後ろから近寄り、いきなり少女の尻に串を突き立てる。少女は驚き、叫び声を上げようとするが、頭を撫ぜていた女がすばやく少女の口をふさぐ。串の男はかまわず突き刺していく。少女は手足を振り回し抵抗するが、泥酔している上に、男の力で強く抱き抱えられているため、逃れる術はない。串は少女の体内にどんどん入っていく。やがて女が少女の口から手をはずすと、そこから血塗れの串が飛び出す。こうして数体の串刺し少女が用意される。
 広場には大きな火床が造られている。そこに少女たちが架けられる。家畜少女だけでは村人全員を楽しませるには不十分なので、その倍ほどの数の豚の串刺しも火に架けられる。少女の丸焼きと豚の丸焼きが仲良く並べられ、美味しそうな匂いを漂わせ始める。まもなく祭のメイン料理の出来上がりである。村人たちは、自分たちが愛情を込めて育てた家畜の肉を、様々な思い出と共に楽しく味わうのである。

(おわり)
家畜少年の最期
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