トランプ氏、日米安保条約は「不公平」 破棄は「考えず」
トランプ米大統領は29日、大阪市でのG20サミット閉幕後の記者会見で、日米安全保障条約について「破棄する考えは全くない」と述べ、トランプ氏が破棄する意向を示したとする米ブルームバーグ通信の報道を否定した。
ただ、米国が日本の防衛義務を負う一方、日本に米国を守る義務がない同条約の内容を「不公平だ」と指摘した。
トランプ氏は、こうした日米双方の義務関係について、「一方的だ」と指摘し、「もし米国が攻撃されたら、日本は私たちを支援すべきだ」と訴えた。
また、トランプ氏は日本に対し、これらの現状を「変更する必要がある」と伝えたと明らかにした。28日の安倍晋三首相との首脳会談でこの問題を協議したかには言及しなかった。
日米安保条約では5条に基づき、日本施政権下で外国からの侵略などの有事が発生した際、米国が日本を防衛する義務を負う。一方、6条では日本は極東地域の安定に向け米軍に基地を提供することが定められており、日本政府はこのことを理由に「全体としてみれば日米双方の義務のバランスは取られている」(菅義偉官房長官)などと主張してきた。(黒瀬悦成)