12月にアニメのウェブサイトをリニューアル。2月1日からアニメ番組を配信する「あにてれシアター」を立ち上げ、自社のサイトで本格的にアニメの動画配信を開始したテレビ東京。目標は「日本一のアニメ動画配信サイト」(コンテンツ事業局 アニメ事業部 主任 細谷伸之氏)。現場担当者と広報に、現状と今後の展開を聞いた。
| ■テレビ東京が強いアニメの動画配信サイトを用意 |
日本テレビ放送網の「第2日本テレビ」、フジテレビの「フジテレビ On Demand」など、昨夏から本格化し始めた、テレビ局の動画配信サービス。この2月にはテレビ東京が、自社のウェブサイトで本編の配信を始めた。
最大の特徴は、アニメに力を入れているということ。
「地上波の1週間の番組表を見ると、現在約65本ものアニメが放送されていますが、そのうちテレビ東京は37番組。実に半数以上を占めています。“アニメといえばテレ東”とのイメージ通り、弊社最強のコンテンツの1つであるアニメに関して、「あにてれシアター」という専用サイトを設けました」(経営戦略局 広報・IR部 部長 大木努氏)
この「あにてれシアター」は自社ウェブサイトでの番組提供。いわゆる“直営店舗”型だが、アニメ以外の“素材展開”、つまり自社コンテンツの他サイトへの配信も行っている。
「例えばアニメ以外、スポーツでは、弊社の所有している大きなタイトルに、シカゴやロッテルダム、ロンドンで開催されるマラソンがあります。ところがこれらは、年に数回しか放送機会がない。更新頻度が少ないものを自社で専用サイトを設けても、視聴者に気付いてもらえなえないでしょう。そのような場合は、総合サイトを運営している、例えば「ShowTime」や「GyaO」を運営するUSENさんなどに番組を提要する形を取っています」(大木氏)
| ▲ 「あにてれシアター」トップページ。現在一番アクセスが多いのは『スレイヤーズ』(95年4~9月放送)。番組の視聴には、課金のため、プロバイダーまたは専用事業者へのユーザー登録が必要。料金は1話105円、2泊3日420円、7泊8日1092円など |
| ■日本一のアニメ動画配信サイトを目指している |
2月から始まった「あにてれシアター」では、現在10作品を配信中。2006年度末には200タイトルをそろえる予定だ。
「基本的に、著作権の許諾の取れた番組から順次追加していくつもりです」(細谷氏)
その際、テレビ放送後3カ月はDVDやネットに番組を提供しないという、同社の規定を遵守する。
ネットの動画配信のメリットは、放送より客層のニーズにきめ細かく対応できることにあるという。 「アニメは、子供から大人まで、幅広い視聴者がいます。あにてれシアターも、将来的には“kidsシアター”など、対象によってサイトを増やせれば」(細谷氏)
テレビやケータイとの連携も視野に入れている。
「ケータイでは、名場面やギャグ集、キメぜりふなどを15秒間という短い時間で配信しています。パソコンと両方見ている、というユーザーがほとんどですね。
テレビでは、『あにてれ情報局(仮)』というスタジオ収録の番組を立ち上げられればいいなと考えています。番組の見どころなどをゲストの声優さんに語ってもらい、テレビでも放送するほか、ウェブ上でも配信する予定です」(細谷氏)
最終的には、ネットで「アニメの総合デパートを作る」(両氏)のが目標。
「テレビ局が動画配信を行う意義は、番組単体だけでなく、いろいろなファンのニーズに応えられるという点にあると思います。番組だけでなく、キャラクターグッズだったり声優さんの情報であったり、番組を核として、さまざまな情報やコンテンツをお届けしたい」(大木氏)
「テレビ東京には800数十ものアニメ・シリーズのストックがあります。これら全てのアニメが、年表をクリックすれば見られる、関連商品が買える、という仕組みを作りたいです」(細谷氏)
| ▲ 経営戦略局 広報・IR部の大木努部長(左)とコンテンツ事業局 アニメ事業部 細谷伸之主任(右)。「4月、10月のアニメ番組改編期は、ウェブへのアクセスが1.5倍に増えます。8月には1億PV/月を目指します」 |
(平島 綾子=日経エンタテインメント!)