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ツバメへの思いやり、ツイッターで話題 名神・多賀SAのトイレに巣

女子トイレの中にある表示板の上に営巣するツバメ=多賀町で

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 名神高速道路上り線の多賀サービスエリア(SA)の女子トイレに、ツバメが巣を作っている。清掃員は「見守ってください」「ご協力お願いします」と書いたポスターを手作り。これを見た利用客が「思いやりがすてき」「大事にされてるツバメちゃん」などとツイッターに投稿し、話題を呼んでいる。

 ツバメが初めて多賀SAにやってきたのは四年前。以降、毎年四月に巣作りし、七月末ごろまで子育てしている。清掃員たちは「ツバメマンション」と名付け、毎年見守ってきた。

 「去年はカラスに襲われて、巣からひなが落ちてしまった」と話すのは、多賀SAでの清掃員歴十年の塚田信子さん(64)。今年も飛来するか心配したが、二組のつがいが巣作りする姿を見て胸をなで下ろした。

 ことし予想外だったのが、ツバメが巣作りに選んだ場所だ。女子トイレだった。トイレの使用状況を知らせる表示板や手洗い場の上のほか、個室にも巣を作った。「お客さんに迷惑かもしれない」。清掃員たちは、SAを管理するネクスコ中日本に相談。「トイレの個室を一つ封鎖しましょう」。ネクスコ中日本は、ツバメの子育てを優先した。

清掃員が手書きしたポスター=多賀町で

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 清掃員らは、封鎖したトイレの扉に「子ツバメが巣立ちをするまで、しばらくご辛抱ください」と張り紙。ほかにも「足元にご注意ください」「迷いツバメではありません」などとポスターを手書きし、イラストも添えた。カラスに襲われないよう、折り紙で作った「守り神」もつるした。利用客が不快な思いをしないよう、フンの掃除も欠かさない。

 利用客からは「癒やされます」「縁起がいいですね」と声を掛けられるほど好評で、会員制交流サイト(SNS)でも「ここならカラス入って来られない」「頭いい」などと話題に。ネクスコ中日本の担当者は「ツバメも常連さんなので、大切にしたい」と話し、塚田さんは「皆さんに温かく見守られ、元気に巣立ってほしい」とほほ笑んだ。

 (安江紗那子)

 

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