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【首都スポ】

[大学サッカー]駒大の攻撃支える3年生コンビ 薬真寺は「もっと点とアシストを」

2019年6月28日 紙面から

攻守にわたって尽力するMF薬真寺。ゴールをより多く生み出したい=東京都世田谷区の駒大玉川キャンパスで(いずれも斉藤直己撮影)

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 第93回関東大学サッカー1部リーグ(東京中日スポーツ後援)は第8節まで消化し、現在は8月3日に再開するまでの中断期間に入っている。昨季4位の駒大はここまで5勝1分け2敗の勝ち点16で4位。首位と勝ち点5差の好位置につけ、昨季を上回る成績を収めようとうかがう。司令塔役のMF薬真寺(やくしんじ)孝弥(3年・長崎総合科学大付)を起点とし、FW森本ヒマン(3年・矢板中央)のダイナミックなヘッドにつなげる。このパターンを確立させ、ゴールを量産したい。 (関孝伸)

 正確なパスを駆使してゲームを組み立てるボランチで、ゴールにも絡んでいく。攻撃的なタイプに分類できそうだが、MF薬真寺の特長はその面だけにはとどまらない。中学から高校にかけてセンターバックを務めた経験から、守備力も兼備。まさにオールマイティーなプレーヤーなのだ。

 2年生だった昨季にチームで確固たる地位を築いた。リーグ戦で4得点1アシストをマークして貢献。ところが、不本意な形でシーズンを終えることになった。年度最終決戦となる全日本大学選手権(インカレ)を前に左膝を負傷し、大会を棒に振った。チームは決勝まで勝ち進んだが、薬真寺は進撃の輪の中に加わることができなかった。

 「ピッチに立ちたかったです。今までに感じたことがないほどの悔しさを味わいました。(試合に出ずに)自分は何やってるんだという感じでしたし、チームを素直に応援することができませんでした。リーグ戦はまあまあでしたけど、最後が悪くて、満足できる一年ではありませんでした」

 3年生にしてエースナンバーの「10」を託された今季こそは納得のシーズンを送りたいと意気込む。「責任をより持たなければいけないと感じます。10番は試合に出ていなくてはいけない存在だと思うので、全試合フル出場を目指します」との決意を胸に、チームを引っ張る。

 その言葉通り、リーグ戦では、ここまで720分間完全出場を続ける。しかも、最後尾から最前線まで縦横無尽に走り、試合後は「くたくた」の状態になる。

 その献身ぶりが4位という現在の「悪くない順位」につながっているのは間違いない。しかし、本人は「まずは守備なんですけど、守備にベクトルを向けすぎていて、自分が思うような攻撃ができていません。正確性に欠けます」と個人としての課題を口にする。

 ここまで1ゴール1アシストだが「チームが勝つために、もっと点を取って、アシストもしていきたいです」と直接的な結果を自らに求める。最終目標はインカレでの戴冠。「絶対に優勝するという気持ちです」と雪辱を期す大舞台まで、背番号10が走りと進化を止めることはない。

存在感を発揮する駒大の薬真寺(右)と森本。チームにタイトルをもたらすことができるか?

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◆薬真寺アラカルト

 ◆マッサージ 以前は体のケアに全く気を使わない選手だった。しかし、疲労による体の重さを徐々に感じるようになってきたことで方針転換。昨年の10月あたりから週に1、2回の頻度で整骨院に通い、マッサージをしてもらっている。

 ◆電車 ゆったりとした空間が好きで、人混みは嫌い。だから、乗客が多い時間帯の電車には本当に乗りたくない。大学には自転車で30分ほどかけて通学しているが、電車を使わざるを得ないような雨の日には困ってしまう。

<薬真寺孝弥(やくしんじ・たかや)> 1999(平成11)年3月7日生まれ、大分県津久見市出身の20歳。174センチ、68キロ。地元のしらうめ幼稚園年長組のときに同市立青江小サッカー部でプレーを始め、小学校を卒業するまで同部で過ごした。FC佐伯S-play・MINAMIから長崎総合科学大付高へ。同高3年時に全国高校選手権に出場、チームは2回戦で敗れたが、自身は大会優秀選手に選ばれた。駒大では入学直後から起用され、2年時の昨季から主力として活躍する。

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