右膝の靱帯(じんたい)を痛め、夏場所を途中休場したかど番の大関貴景勝(22)=千賀ノ浦=が25日、名古屋市北区の部屋宿舎で稽古を再開した。名古屋場所に向けては「出る方向でやってますけど、出られないのに出ることはしない」。強行出場を選択肢から外し、ギリギリまで調整して決断する考えだ。
部屋の関取衆が次々と胸を出したのと対照的に、四股とスクワットなどの慎重な始動だった。初日の1週間前に相撲を取り始める考えで、27~29日の二所ノ関一門の連合稽古への参加は「分からない。幕内上位に勝つ能力がないと出てもしょうがない」と、あくまで患部の状態を優先する。
もどかしい現状を「右肩上がりに良くならない現実はある。二歩進んで一歩下がる感覚」と正直に打ち明けた。朝稽古後、1人残って土俵ですり足を繰り返した。
「根性と無謀を、自分の中で間違わないようにしたい」。右膝との対話に、しっかり時間を割いていく。 (志村拓)