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【藤井かすみの体感して ゴルフ上達ドリル】ドリル(12)球の勢いを殺したいとき&悪いライで使えます2019年6月27日 紙面から 日増しに暑くなってきましたが、みなさん、お元気ですか。今回は困ったときに使うアプローチのドリルです。球の勢いを殺し、軟らかく寄せたいときや、悪いライのときに使う、とっておきの方法。それはトゥ(フェースの先)で打つのです。 (取材、構成 児玉光雄)
おとなしい球が出るこれまで3回にわたってアプローチのドリルをやってきました。みなさん、覚えてますか。 最初はフェースの先を上げてネック(ヒール)を滑らせて打つドリル。2回目はスティックを胸に挿して平行に振るドリル。前回は両足を上げない「べた足」のアプローチでした。 今回は、最初の方法とは全く逆の、フェースの先で打つドリルです。パッティングでも、奥からの下りのラインなどで軟らかく打ちたいときにパターの先でヒットするやり方がありますが、理屈はそれと一緒です。 フェースの先で打つ効果はパットと同じで、おとなしい球が出てくれることです。表現がなかなか難しいのですが、先で打つと球は変な暴れ方もしません。 軟らかい球が出る上にスピンもかかります。少し力を入れてヒットしても、ガツンといった強い出足にはなりません。とにかく、やってみてください。違いがすぐにわかるはずです。
速いラインに効果的球がやさしく死にますから、ラフからちょっと上げて、やさしく転がしたいときに使います。つまり、そう距離がなくてダウンヒルになっている速いラインなどに効果的なアプローチです。 また、ネック部分を浮かせてパターのように打つやり方もあります。ネックを浮かせるわけですから、クラブを上からつるすような感じになります。当然、球を真上から見るような形になりますが、このとき注意点があります。 それは重心をつま先にかけておくことです。なぜなら、かかとにかけておくと回転しにくくなりますから、手打ちになってしまってダフるからです。 このフェースの先で打つ効用は、球をおとなしく出したいときだけでなく、もっと他の状況でも使えます。みなさん、アプローチで一番困った状況を思い出してください。それは悪いラフだったり、芝が生えそろっていない悪いライのときですよね。 距離出すなら強めにこんなときも、フェースの先で打ってみてください。やわらかくて、思った以上に高い球が出てくれますよ。このとき注意するのは、先で打つことで球が強く出ませんから、距離を出したいときは通常より強めに振ることが肝心です。 よく、「あの人は技術を持っている」との褒め言葉を聞きますが、こういったことができる人のことです。 【かすみのひとりごと】今更ながら「4スタンス理論」取り組んでますゴルフには「4スタンス理論」というのがありますよね。人によって重心の掛かり方が違うので打ち方も変わるという理論で、なるほどとは思っていたのですが、私はこれまであまり重きを置いていませんでした。なぜなら、ゴルフはやりにくい動きもしなくてはいけないものだと思っていたからです。 ところが年齢を重ね、身体が自由に動かなくなって、動きやすい方法を見つけようと試行錯誤していたら、なんと、自分がやってきたことは全く逆だったのではないかと思うようになったのです。 当時は身体が動きすぎるため、制御として反対の動きをしていたのではないか。30年かけてやってきたことを今更とは思いますが、「4スタンス理論」に取り組むことにしました。ご自分がどういうタイプかをまず調べてみるのもいいかもしれません。お暇があれば、練習するより大事かもです。 <藤井かすみ(ふじい・かすみ)> 1967(昭和42)年11月30日生まれ、山口県岩国市出身の51歳。身長162センチ。ヴィクトリアゴルフ所属。学生時代はソフトボールの選手で東京女子体育短大のとき日本代表にも選ばれた。23歳からプロを目指し、3度目のプロテスト受験だった95年8月にトップ合格。2001年ベルーナレディースカップでツアー初優勝。02年には3勝を挙げ賞金ランク2位。ツアー通算10勝。師弟関係は岡本綾子。現在は兵庫県でジュニア育成に力を入れている。 取材協力 中日カントリークラブ(三重県鈴鹿市東庄内町1447)(電)059(371)1188 (毎週木曜日の紙面に掲載)
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