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「河野さんの無実は最初からわかっていた」黙殺された科学者の訴え【松本サリン事件25年】

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自宅に押しかけた多くの記者の前で、事件との関与を強く否定する河野義行さん(右手前から2人目)。河野さんに対する「犯人視報道」が問題になった=1994年7月30日 (c)朝日新聞社

自宅に押しかけた多くの記者の前で、事件との関与を強く否定する河野義行さん(右手前から2人目)。河野さんに対する「犯人視報道」が問題になった=1994年7月30日 (c)朝日新聞社

元国際基督教大教授の田坂興亜さん(撮影/西岡千史)

元国際基督教大教授の田坂興亜さん(撮影/西岡千史)

 昨年、教祖の松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚をはじめ、教団幹部13人の死刑が執行され、オウム事件は大きな区切りを迎えた。だが、サリンは現在でも化学兵器として使われている。欧州連合(EU)などで人体に悪影響を与える可能性があるとして禁止されている農薬も世界中で使用されていて、その害に悩む農家も多い。田坂さんにとって「なぜ、優秀な頭脳を持つ人たちが化学を悪用するのか。どうやれば防ぐことができるのか」という問いは解決していない。田坂さんは、今でも事件についてこう考えている。

「私にとって、松本サリン事件はまだ終わっていません」

(AERA dot.編集部・西岡千史)


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