特区報道『毎日新聞』に原英史氏が謝罪求める「内容証明」送達
【連続追及】悪質『毎日新聞』の虚偽報道!(5)
政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)座長代理の原英史氏は6月17日、『毎日新聞』の連日の報道対して毎日新聞社代表取締役社長宛に送っていた内容証明付き抗議書(代理人は喜多村洋一弁護士と國峯孝祐弁護士)を公開した。
毎日新聞は6月11日の朝刊1面で、「特区提案者から指導料」「WG委員支援会社」「200万円、会食も」との見出しとともに原氏の顔写真を掲載し、原氏が国家戦略特区に絡み不正な金品を受領したことを印象付けるような報道を行った。
これに対して原氏は自身のフェイスブックで反論したほか、『フォーサイト』に同日、『「虚偽」「根本的な間違い」の「毎日新聞」記事に強く抗議する』という記事を寄稿するなどしたが、同紙はその後も同様の報道を続け、原氏も同紙への批判を強めていた。
抗議書では、毎日新聞の記事により、「200万円、少なくともその一部が通知人(編集部注:原氏のこと)に流れたと理解されたことは明らか」とし、また、有識者のコメントで「原英史氏が公務員なら収賄罪に問われる可能性もある」としたことが、原氏の社会的評価を毀損したことは明白、と指摘。7日以内に記事が事実に反することを明らかにし、原氏に謝罪する記事を毎日新聞に掲載することを求め、それがなされない場合は法的手続きを執ると通告している。
また、今回の記事のために毎日新聞が行った「取材対象者が高齢の両親と同居している実家を突然訪問する」「知人女性に関して、自宅はどこか、出身大学はどこか、結婚しているか、など、記事とは関係ない事実を当該知人女性の知人に執拗に聞く」「原氏の功績を聞きたい、など、本来の趣旨とは真逆の目的を語って取材を申し込む」などの強引な取材方法を改善するよう求め、記者の取材に建造物不法侵入罪の疑いがあることを指摘した。
原氏は抗議書の毎日新聞側の受領が6月17日に確認されたため、自身のフェイスブックで抗議書の内容を全文公開した。また、フェイスブックでは12日以降も15日まで連日続いてきた毎日新聞の関連記事についても反論している。
【編集部注】原氏は毎日新聞社を提訴すべく、6月26日、東京地方裁判所に訴状を提出したこともあり、14日付で送達していた上記「抗議書」をフォーサイト上でも全文公開することといたしました。下記をご参照ください(6月27日12:00追記)。
抗 議 書
東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号
株式会社毎日新聞社
代表取締役社長 丸 山 昌 宏 殿
冠省 通知人原英史の代理人として本書面を呈します。
貴社の発行する毎日新聞2019年6月11日朝刊は、「特区提案者から指導料」「WG委員支援会社 200万円、会食も」(以上1面)、「WG座長代理が特区ビジネス支援」「原さんが見てくれる」「申請者『コンサルの一環』」(以上26面)等の見出しの記事(以下「本件記事」といいます)を掲載されました。
本件記事は、「特区提案者から指導料」という大見出しを、黒地白抜き文字で報じるものであり、指導料の支払い/受領が違法ないし不当なものであることを読者に強く示唆しています。
さらに、本件記事(1面)では、当事者の関係を示す図の中で、唯一、通知人の顔写真が大きく配置されており、通知人が本件記事において最も重大な役割を果たしていることを明らかにしています。
大見出しの横の副見出しでは、「WG委員支援会社 200万円、会食も」と記載されていますが、「会食」をしたのは個人だと理解されますから、「200万円」の「指導料」を受けたのも個人であると理解されるのが、一般読者の通常の理解です。したがって、これらの見出しからは、「200万円」の「指導料」を受領したのは通知人であると理解されるのが明らかです。
本件記事のリード部分では、コンサルタント会社が約200万円を受け取っていたとする記述がありますが、学校法人の副理事長が「特区ビズの方として原氏と会った」(1面)、「原氏の仕事が『特区ビジネスコンサルティング』(特区ビズ)の業務の一環と受け止めている」(26面)、「原氏は特区ビズの顧問のような存在で、社長より立場は上と感じた」(26面)等と発言したとされているのですから、上記の200万円、少なくともその一部が通知人に流れたと理解されることは明らかです。
特に、本件記事では、特区制度に詳しい有識者として、静岡大学の名誉教授(行政法)が、「原英史氏が公務員なら収賄罪に問われる可能性もある」と発言していることが報じられています。ここでいう「収賄罪」とは、俗にいう「わいろ」です。そして、「原英史氏が公務員なら収賄罪に問われる可能性もある」とは、「原英史氏は、民間人であるから収賄罪には問われないが、公務員であれば、同罪に問われる可能性がある」ということです。これは、通知人が200万円、少なくともその一部を受け取ったことを真実としたうえで、「公務員でないから収賄罪に問われないが、公務員であったら、問われる可能性がある」と報じるものに他なりません(通知人が200万円、少なくともその一部を受領していないのであれば、公務員であろうとあるまいと、収賄罪に問われる可能性すらないことは見易い理です)。
以上のとおり、本件記事は、通知人が、ワーキンググループの座長代理を務める一方で、特区提案者から200万円、少なくともその一部を指導料として受領したと報じるとともに、これが違法ないし不当であるとするものですから、これが通知人の社会的評価を著しく毀損したことは明白です。
したがって、通知人は、貴社に対し、本書面到達から7日以内に、本件記事が事実に反するものであることを明らかにし、通知人に謝罪する旨の記事を毎日新聞に掲載するよう求めます。
これが容れられない場合には、通知人は、必要とされる法的手続を執ることとなりますので、予めご承知おきください。
また、本件につきましては、当職らが代理しておりますので、本件に関する連絡は当職ら宛とされるよう求めます。
なお、通知人に対する名誉毀損の点とは別に、本件記事に関する取材についても抗議いたします。
本件記事に至る取材の手法については、通知人以外の私人に対する強引な取材が多々ありました。取材の自由は重要な権利ではありますが、一定の制限はあるはずです。たとえば、
取材対象者が高齢の両親と同居している実家を突然訪問する、
知人女性に関して「自宅はどこか」「出身大学はどこか」「結婚しているか」など記事とは関係ない事実を当該知人女性の知人に執拗に聞く、
「原氏の功績を聞きたい」など本来の趣旨とは真逆の目的を語って取材を申し込む、
などです。
さらに、本年5月8日、通知人らが打ち合わせをしている平河町のビルの会議室に「●●(注:原本では名前)さんはいますか」と貴社の記者が突然入り込んできましたが、このような取材は建物不法侵入罪の成立すら疑われるところです。
このような取材の手法は、明らかに適正な取材の矩を超えるものであり、直ちに改善の方策を明らかにして公表するとともに、実行されるよう求めます。
2019年6月14日
東京都千代田区紀尾井町3番27号
剛堂会館4階
ミネルバ法律事務所
原英史代理人弁護士 喜田村洋一
東京都渋谷区神宮前六丁目34番14号
原宿表参道ビル3階
國峯法律事務所
原英史代理人弁護士 國峯 孝祐