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【サッカー】

東京五輪へ暗雲… なでしこ8強逃し「力不足」

2019年6月27日 紙面から

日本-オランダ 後半終了間際、オランダのミーデマ(9)のシュートが熊谷(中央)の左腕に当たりハンドの判定。PKを与え決勝点となった=レンヌで(共同)

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◇女子W杯フランス大会・決勝T1回戦 日本1-2オランダ

 【レンヌ(フランス)原田公樹】サッカーの女子W杯フランス大会で日本代表「なでしこジャパン」は25日、当地で決勝トーナメント1回戦を行い、欧州王者のオランダに1-2で惜敗。3大会ぶりに8強入りを逃した。後半45分、相手シュートが熊谷の左腕に当たってPKと判定され、これが決勝点となった。この日で8強が出揃い、米国以外の7カ国は欧州勢が占めた。

 欧州王者を追い詰め、それでも最後は押し切られた。「悔しい。これが自分たちの実力」と声を絞り出した岩渕の頬に大粒の涙が伝った。PKを与えた熊谷も「正直、あのタイミングでは、(シュートを)かわせなかった。PKを与えてしまって申し訳ない」と目を赤く染めた。2大会連続のファイナリストが16強で姿を消した。

 前半17分、オランダの左CK。ゴール前には5人の相手選手がいた。誰が何番をマークするかは事前に確認していた。しかし、実行することはできず、フリーのマルテンスに先制点を決められた。

 ただ、決勝トーナメントに入り、日本はようやく本来の姿を見せた。前半43分に杉田の斜めのパスを菅沢が落とし、岩渕が巧みに相手をかわして短い縦パス。得意の素早い連動から、ゴール前へ走り抜けた長谷川が決めた場面は、なでしこの真骨頂ではあった。

 後半には前線のボールの追い方など守備の方法を修正。ショートカウンターから何度も得点機を作ったが、ゴールを割れない。そして、延長戦突入かと思われた同45分にPKで決勝点を献上。2011年に優勝し、15年は準優勝していたW杯の舞台から姿を消すことになった。

 高倉監督は「惜しい場面がたくさんあったが、決め切るところで、力が足りなかった。最終的にチームを勝たせることができなかったのは自分の力不足」を振り返った。来年の東京五輪を目指し、若手に経験ある選手を加えたメンバーで臨んだ今大会。世界のトップレベルは体験できたが、強豪勢を倒すまでの力はなかった。

 

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