千葉・幕張から九十九里浜を往復サイクリングの楽しさを伝えるために イオンバイクが新入社員19人を100kmライドで歓迎
イオングループの自転車専門店を運営するイオンバイクが4月12日、「2016新入社員歓迎ライド」を開催し、新入社員19人が先輩社員たちとともに100kmの道のりに挑みつつ親睦を深め、サイクリングの楽しさを分かち合った。
配属先に就く前の“集大成”
イオンバイクが新歓ライドを開催するのは今年が初めて。男性18人、女性1人の新入社員は、競技経験のある本格派からロードバイクでのサイクリングは未経験の初心者まで、さまざまな自転車歴のメンバーが集まった。4月の初旬から寝食をともにした仲間たちが、それぞれの配属先に就く前に挑む、新人研修の“集大成”だ。
イベントのねらいについて、イオンバイク管理本部の岡登健(おかのぼり・たけし)・教育グループマネージャーは「完走することが目的ではなく、サイクリングの楽しさを知ってもらいたい。サイクリング経験者は初心者や女性への気遣いを学べるし、初心者は今後の接客に生かせる経験ができる」と語った。
この日は、千葉・幕張にあるイオングループ本社ビル「イオンタワーアネックス」と、太平洋側の九十九里浜を往復するコースが設定された。新入社員19人を5グループに分け、先輩社員が2人ずつ付いて先導し、グループごとのペースで走った。元プロロードレーサーの三船雅彦さんも先導役として参加した。
走り応えのあるアップダウン
幕張メッセやQVCマリンフィールドなど巨大な建造物が並ぶ沿岸部からスタートして、平坦な市街地を走りながら、房総半島の内陸部を目指した。市街地を抜け、のどかな川沿いの道に入ると景色が変わり始め、丘陵地に近づいてきたことを感じさせた。
20kmほどで一回目の休憩をはさみ、社員たちは「外房有料道路」へ。市街地から一転、アップダウンが多く走り応えのある道路だ。信号がないため脚を止めずに走れる一方で、休めるタイミングがない区間でもある。
外房有料道路から、海岸までは約10km。海側から吹きつける強い向かい風に、各グループが足並みをそろえて立ち向かった。折り返し地点となる古所海水浴場の砂浜で記念撮影をしてから、追い風に乗って復路へ突入した。
引き返す途中で、待望の昼食で腹ごしらえ。鮮度のいい海鮮丼やしらす丼とともに、お店からのサービスではまぐりも提供され、新入社員たちの疲れをいやした。出発時に完走できるか心配していた小田紘輝さんは、昼食をとって元気を回復。「走っている間もたくさん会話してます」とアピールした。
経験の差が出る後半で深まる絆
そして、おなかを満たした社員たちを、再び外房有料道路のアップダウンが迎えた。ゴール後に「帰りのアップダウンがきつかった」という声と、「もっと厳しいコースでもよかった」という意見が交錯するなど、脚力に差が出た区間だ。
体力や経験値が異なるメンバーが同じペースで走るためには、互いの気遣いが必要だった。コースの約80km地点、外房有料道路を抜けて迎えた最後の休憩地点では、ここまでの健闘をたたえ合って握手を交わす姿も見られるなど、絆を深めていった。
再び千葉市の市街地を駆け抜け、ついに幕張の本社ビルへ帰還。同行したメンバーのほかにも、勤務中の社員らがゴール地点に足を運び、盛大な拍手で出迎えた。
ライドに挑戦した新入社員たちに向け、イオンバイクの古川世里貴(せりき)・管理本部長は「(同期入社が)全員集まって走る機会はおそらくもうない。その貴重な体験を業務に生かして、成長していただきたい」と締めくくった。
イオンバイク大井店(埼玉県ふじみ野市)に配属される吉田脩平さんは、「普段は一人で走っているけれど、ここまで長い距離を走ることはなかなかない。一人では100kmを走れなかったと思う。これから先、苦しい時もみんなで協力していきたい」と、ライドを通して築いた友情や絆を胸に刻みつつ社会人生活への意気込みを語った。