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--任天堂の効果音の特徴ってあるんですか。 |
稲垣 パソコンゲームの流れで、家庭用のゲームも、あまり効果音に力を入れない傾向があると思うんです。ゲーム全体でも、せいぜい効果音は50個くらいとか。NINTENDO64のゲームの場合は、常に500個くらいは音を用意しています。『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』にいたっては、声も入れて2000個もあったんですよ。 |
--そうなんですか! それはすごい! |
稲垣 これは自分でも自慢なんです。『時のオカリナ』ですでに1200くらいあったので、続編の『ムジュラ』の開発を始める時に1200をとりあえず600に減らしたんですよ。でも、開発を進めていくうちに『ムジュラ』用に新しい音をどんどん足していったら、合計で2000を越えてしまったという。 |
--2000もあると、自分でもどの音をどこで使ったかわからないですね。 |
--それだけ音が多いと、作業も多くなりますね。全体を把握するだけでも大変ですね。 |
稲垣 たとえば、地上地形の担当者だったら、その地上地形のことだけ理解していればいいという部分があります。だけど、効果音の担当者は、ゲーム全体のネタやシナリオを全部わかっていないと、音が作れないんです。もちろん、開発モードで簡単に行ける場所もあるんですけど、時には自力でプレイしてみなくてはなりません。プレイしながら「ここはこういう音をつけようかな」と思っていると、敵にやられてしまって「もう1回」とか。 |
--サウンドプログラマといっても、いろいろな作業があるんですね。 |