任天堂ゲームサウンドのすべて PART2
1.効果音がなければゲームはつまらない!

音にかける職人たち クリエイター インタビュー


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音符入社後も勉強することがいっぱい
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--車の音などは本物を録音に行ったりするんですか。

阪東 しますね。そういう特徴のある音に関しては、録音します。トントンと鳴る音とかだったら、人工的に作った音のほうがよかったりしますけど。

--パソコンの中に、音のライブラリ※がすごくいっぱいあるんじゃないですか。

写真阪東 ありますよ。その都度、ゲームごとに分類しています。新しいゲームを作る時に、過去のライブラリから引っ張ってきたりもしますね。

--スタートボタンや決定ボタンを押した時の音も、ゲームによって全然違うんでしょうか。

近藤 僕はわりと同じようなものを使っていましたけど(笑)。

写真稲垣 僕はほかに曲を作っているわけではないので、メロディをつけられるのが唯一ボタンを押した時の音なんです。ですから、自己主張的にたくさん派手なものを作るんですけど、よく鳴らす音なので結局「うるさい」と言って、シンプルなものに変えられてしまうんです(笑)。

--「決定」の時の音も、ゲームによって違うんですか。

稲垣 ええ。ある程度、イメージは統一されていますけどね。「決定」の時は明るいイメージで、タララランと上がるようなフレーズになって、「キャンセル」がボロロロンと下がるイメージとか。また、カーソルを送る時には抽象的なポロロンというイメージとか。

--そういうことはどこで学ぶんですか。みなさん、入社したばかりの時というのは、経験が全然ないですよね。

阪東 必然的に覚えていくんですよ。あとは、やっぱりゲームが好きな人ばかりなので、どこでどんなふうに音が鳴るかというのはゲームで覚えていますよね。

--ほかのゲームの効果音を聞いて研究したりするんですか。

写真稲垣 ゲームでゲームを学ぶのは昔からよくないと言われていますので、そういう意味では参考にはしますけど、映画などほかのメディアの影響もあると思います。

阪東 特にアニメ系は参考になりますね。もちろん、そのままゲームに使えるわけじゃないですけど。

ライブラリ=素材、波形の集まりのこと。


線

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