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--ゲームに効果音はつきものですけど、たとえば「足音」とか「風の音」といっても、とても抽象的ですよね。 |
近藤 そこからどういうふうにいろいろな音をイメージして作るかというのが、サウンドプログラマの仕事なんですね。往々にしてゲームディレクターによって言うことが全然違っていたりもしますし。 |
近藤 あの「ビエーン」は、だいぶ感情が出ていてよかったですよ(笑)。 |
--効果音というのは動きがないと作れないですよね。全部ゲーム画面ができあがってから作るのですか。 |
阪東 効果音は、キャラクターがなにかアクションを起こした時につけますよね。ですから、最終的な音づけは最後ですね。 |
稲垣 絵ができあがってからサウンドをつけるので、いつもギリギリになってしまいます。サウンドの締めきりを考えて、絵のスタッフに「ここまでに終わらせてください」と言うんですけど、その通りにはいかないので、まるで僕たちがいつも締めきりを守っていないようで(笑)。「まだ音がついてないの?」とか言われたりしますよ。 |
--曲と効果音はどっちが先なんですか。 |
阪東 ケースバイケースですね。 |
--サウンドプログラマは忙しいですね。曲のプログラムを組んで、素材になる音を録音に行って、効果音を作って。音作りというのは、マニュアルがあるわけではないんですよね。 |
阪東 それは大事ですね。 |
近藤 どうでもいい効果音と、「絶対ここはインパクトが欲しい」という重要な音があるので、その重要な音に関してはいろいろとディレクターから指示があります。何回も作り直しがあって、かなり時間がかかりますね。ボタンを押した時の効果音とかはすごく重要です。たとえば剣でなにかを切った時の感触というのは、音によって変わりますよね。 |
--確かに、かたい物を切った時と、やわらかい物を切った時では、音が違いますね。 |
近藤 そのへんの感触がちゃんと音でうまく表現されていないといけないんです。 |
--効果音を変えることで、ゲームの印象が全然変わったりすることもありますか。 |
阪東 そうですね。特に、プレイヤーが何かのアクションを起こしたときの音ですとか、足音ですとか、ずっと鳴る音は重要です。そういう音は本当に慎重に作らないと、プレイするほうが気になってしまう。 |
--足音とひとくちに言ってもいろいろありますけど、そのゲームにあった足音はどうやって探すんですか。 |
--なるほど、言われてみればそうです。ゲームをプレイしているほうは、全然そういうことは意識しないんですよね。 |
阪東 あまりに自然なので、意識しないんだと思います。効果音って空気のようなものですよね。 |