朝鮮日報

【コラム】韓国の外交課題、大阪とソウルで明らかになる文政権の対応策

【コラム】韓国の外交課題、大阪とソウルで明らかになる文政権の対応策

 2011年12月、李明博(イ・ミョンバク)大統領と日本の野田佳彦首相(いずれも当時)が京都で首脳会談を行ったが、これは韓日外交史における「大惨事」として記録されている。両首脳は慰安婦問題で互いに激しく意見が対立し、もう二度と顔を合わせないような形で別れた。当時、韓国政府に背後で外交政策のアドバイスをしていたある人物は後日、私的な席で「会談直前、元慰安婦らによる1000回目の水曜集会に合わせて反日の雰囲気が最高潮に達していた。そのような状況で首脳会談をすれば、まさに火の中に飛び込むようなものだったので、延期すべきとの意見を伝えたが、『もう遅い』と言われた」と当時を回想した。緻密な準備も戦略もないまま、世論だけを意識し、ただ会えば目的が達成されるという首脳会談がいかなる結果をもたらすか。この首脳会談がまざまざと示してくれた。

 今週末に大阪で主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催され、これを契機に韓日首脳会談が実現するかに注目が集まっていたが、結局は開かれないことが正式に決まった。日本側はかなり前から「難しい」と伝えていたが、韓国大統領府のある幹部は25日の時点でも「日本から『現場で会おう』と要請があれば、われわれはいつでも応じる用意がある」と述べた。正式な形でなければ略式でもよいということだ。政府がこのような態度に出る背景には、両首脳が会うだけで「対日外交を放棄してはいない」と示せるし、また開催できないとしても、その責任を日本に押し付けることができるからだ。しかし会談で強制徴用問題やその賠償など、両国の懸案についてどう話し合うかという点については特に何も考えていないようだった。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】韓国の外交課題、大阪とソウルで明らかになる文政権の対応策

right

関連ニュース