【首都スポ】[高校野球]銚子商、14年ぶり夏の甲子園だ! 食トレでパワーアップだ!2019年6月26日 紙面から
昭和の甲子園アルプス席で大漁旗を揺らし、高校野球ファンを興奮させた銚子商(千葉)が大舞台から姿を消して14年。復活に向けて、食トレの効果が出始めたチームは秋春連続で県大会4強入り。令和最初の甲子園となる第101回全国高校野球選手権(8月6日開幕)出場へ最後の猛練習中だ。センバツ準優勝の習志野など強敵がひしめく千葉大会は10日開幕、銚子商は13日にZOZOマリンスタジアムで成田北-佐倉東の勝者との試合で発進する。 (小原栄二) 夏の大会前に学校で行われる恒例のミニ合宿。地元で働く仕事帰りのOBとコーチ陣の7~8人がポジションごとに分かれた選手にノックをする。長く低迷が続いているが、昨秋、今春と続けて千葉県で4強入り。この夏は、ノックバットを持つOBたちもいつになく熱い。 「ウチは負けてはいけない学校、それが銚子商なんです」。黄金時代をつくった故斉藤一之監督のもとでコーチとして甲子園を経験した沢田洋一監督(38)は強調する。銚子商から国際武道大に進んで、外から見ていた母校に戻って、ことしが3年目。斉藤監督の「勝ちきる野球」を継承し、しだいに手応えも感じつつある。 夏の千葉大会で4年連続初戦敗退が続いていたチームの立て直しのために体づくりからスタートした。私学強豪に勝てるだけの体をつくるために食トレをさらにパワーアップ。午後4時からの練習が始まるころに、マネジャーが炊飯器のスイッチを入れる。毎日8升をたき、全体練習が一段落したころに全員で食事。部員の母が来て、女子マネジャーを手伝うことも増えた。 「食べられる子がうまくなる。練習試合に行っても、小さいけどがっしりしているねって言われるようになった」と沢田監督。身長から100を引いたのが目標体重。食トレは以前もやっていたが、毎日、コーチが体重をチェックするようになった。上級生はほとんどが目標をクリア。上位を打つ久保形明絃内野手(3年)は入学時から12キロも増えた。体ができるのと比例してチーム成績も上昇。「去年の夏はここから体重が落ちたが、ことしは落とさないようにする」。4回戦で負けた昨夏の反省を生かし、夏バテも断ち切る。 2005年夏を最後に甲子園から遠ざかる。1953年春に初めて聖地を踏んでから最長ブランクだ。05年甲子園に出場したときのエースの遠藤晃さん(32)、主将だった佐藤恭亮さん(32)もコーチ陣に加わって復活を目指す。斉藤監督が築いた黄金時代から大切にしているのは「気合」「根性」「忍耐」。いまどきの時代にそぐわないかもしれないが、沢田監督は「私学に勝つために変えてはいけないものだと思っています」と力を込める。春夏合わせて20度の甲子園出場、通算39勝は千葉県では最多。優勝1度、準優勝2度の栄光を刻んできた銚子商が14年ぶりの甲子園を視界にとらえている。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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