適度な自由時間でストレスを解消

アステラス製薬のIBS治療薬「イリボー」(画像クリックで拡大)

 最後に鳥居氏は、IBSなどさまざまな疾患の原因となるストレスとの付き合い方について「何事にも75点主義を目指しましょう」と話してくれた。80点以上を目指すのではなく、75点で大丈夫という気持ちが必要だ。また仕事中に適度な自由時間を持つのもポイント。IBSの患者には、長時間パソコンと向き合っている人が多いという。こうした人たちは、机に拘束されており、この拘束がストレスの原因になっているというのだ。

 IBSは別名“各駅停車症候群”とも呼ばれる。IBSの患者ではない人は「下痢でトイレに行くために各駅で降りるから、こういう名前が付いたのだな」と考えるだろう。しかし、患者は「急行列車に乗って長時間電車の中に拘束されるのがストレスとなって下痢を発症する」と鳥居氏は語る。それほど、現代社会において拘束というストレスは自分が知らないところで受けている。

 このほかウォーキングもIBSに効果があるという。「無心で同じリズムで歩くことによって、自律神経を落ち着かせる効果があります」(鳥居氏)。20~30分のウォーキングを日々の生活に組み込んではいかがだろうか。

 なお、自分かIBSかどうかきちんとした診察を受けたい場合は、できるだけ消化器内科を受診することが大切。IBSに詳しい医師にきちんと症状などを理解してもらうことが重要なのだ。「IBSネット」や「おなかケアどっとこむ」などのWebサイトでしっかりと情報を収集したい。

(文/渡貫 幹彦=日経トレンディネット)