(cache)【長州力きょう引退、永遠のライバル藤波辰爾への思い〈終〉ラストマッチで藤波を指名した理由…そして新たな旅立ち】    : スポーツ報知

【長州力きょう引退、永遠のライバル藤波辰爾への思い〈終〉ラストマッチで藤波を指名した理由…そして新たな旅立ち】   

長州力
長州力

 “革命戦士”長州力(67)がきょう26日、東京・後楽園ホールで行われる「POWER HALL2019~New Journey Begins」で引退する。

 「藤波さんがいたから、今のオレがいる」と語る長州は、引退試合で永遠のライバル、藤波辰爾との対戦を熱望。結果、越中詩郎、石井智宏と組んで、藤波、武藤敬司、真壁刀義と対戦することになった。引退興行は、前売り券が完売し、全国の映画館でライブ・ビューイングされることが決定。プロレスのライブ・ビューイングでは、過去最大規模の上映館に達した人気を示している。「Web報知」はこのほど、引退直前の長州を単独取材。プロレス界を代表するライバルストーリーを残した藤波辰爾への思いを連載した。最終回は「新たな旅立ち」。

 長州は昨年7月10日、後楽園ホールでのプロデュース興行「POWER HALL2018」の試合後に2019年での引退を宣言した。

 「来るとこは来て、もう通り過ぎている状態に今いるけど、さすがに試合に向けてトレーニングするのはすごいしんどいし、体の古傷は、毎年毎年辛くなっている。1、2年前から言っているけどリング上がるの怖い。このままやっていたら自分自身に何かが起きるって考えている。もう十分です。健康な状態を半分ぐらい残しておかないと…あと何試合か受けているところあるんで、それをこなしたら、もう来年の少しのオファーが残っているんでそれが終われば、靴はもう脱ごうと思っている。本当に怖いし、体も調子良くない」

 そして、6・26引退興行は昨年12月28日、後楽園ホールで行われたプロデュース興行「POWER HALL2018~イヤー・エンド・スペシャル~」で発表された。バックステージで対戦したい相手を聞かれた時、長州は即答した。

 「それはやっぱり藤波辰爾でしょう。彼以外はボクは…。やっぱり、彼がいなかったら、もっと早く辞めてるか、こうやって力入れて動いてはいないですよ。凄い対戦相手に恵まれて自分のスタンスがここにありですから。それはもう感謝ですよね。後から入ってきて先に下りるのは、逃げ得みたいになっちゃって。まだ全然できますから」

 引退試合のマッチメイクは、興行を主催する広告代理店「リデットエンターテインメント」の武田有弘常務にすべて委ねた。

 「こちらの希望は全然、すべて武田君にということであれですよ。それで武田君はいろいろ考えて彼の方から“こういう意向でどうですか”って聞かれたから、“いいですよ”ってそんな感じですよ」

 長州の希望を受けて、6人タッグマッチで藤波との対戦が決定。さらに、パートナーには新日本、WJと苦楽を共にし全幅の信頼を寄せる越中詩郎、最後の愛弟子と言える新日本の石井智宏が務める。藤波のパートナーには、この試合で両膝の人工関節設置手術から1年3か月ぶりに復帰する武藤敬司と若手時代に長州の付け人を務め、イズムを徹底的に叩き込まれた新日本の真壁刀義が選ばれた。リングに上がるすべてのレスラーが長州の45年に及ぶレスラー人生で深く関わった歴史的な6人タッグマッチと言える。改めてラストマッチに藤波との対戦を希望した理由を聞いた。

 「彼が一番、ボクにとってはいいですよね。やっぱり、ファンの人にとっても(彼と)絡んだ方が懐かしがっていいんじゃないかって。そんなに深く考えてもいないですよ。そこでピリオドが打てれば一番いいだろうって。いいライバルに巡り合えたし、長くこうやってやってきたわけだから最後もそういうところで締める感じで。それぐらいですよね」

 ラストマッチ。くしくも6・26は、1976年にアントニオ猪木がモハメド・アリと対戦した日でもある。様々な感慨や思い入れは、あるのだろうか。

 「何ら変わらないって。変わらないでしょう。一緒ですよ」

 ライバルの引退を藤波は、こう受け止めた。

 「彼はボク以上にリングに上がるモチベーションを大切にしている。そういうモチベーションで今までずっと来ていますから、彼が決断したことにどうこういうつもりはないですし、彼らしいなと思っています」

 6・26以降について話を聞くと白紙を強調した。

 「普通の人間なんで考えていることもやろうとすることもあれだけど。そんなに根掘り葉掘り深く決めつけてって答えようがない。しつこいよ。これ以上答えようがない。ただ、これで人生終わったわけじゃないんだから。この先は、また何がしかやるようなことが出てくるわけだから。少し元気なうちに何かやれることがあれば。ただ、何をやるかは、試合が終わらない限りは頭の中がまとまらないです」

 引退興行では、試合後に10カウントなどセレモニーは一切、用意していない。特別ゲストも招待していない。長州と共にリングへ上がる5人と後楽園ホールの観衆が最高のゲストだ。

 「何も頭に浮かばないですよ。自分のことしか…」

 果たして長州は無言でリングを下りるのか。それともメッセージを残すのか。どんな姿を見せ、観衆はそれをどう受け止めるのか。ファンが刻む記憶の中に長州力が駆け抜けたど真ん中の真実があるだろう。

(終わり。取材・構成 福留 崇広)

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