【大リーグ】お家騒動のメッツ、ルーキー・アロンソが希望の光2019年6月26日 紙面から ◇AKI猪瀬コラム「MLBへの扉」勝てないチームで起こる現象として、代表的なことと言えば「不満爆発」「解任劇」「内紛」など。今、その全ての現象がメッツで起こっています。開幕前は、ナ・リーグ屈指の先発陣に加え、強打者のカノらを獲得し、東地区の優勝候補と目されていましたが、開幕から故障者続出、頼みの先発陣は精彩を欠き、下位に低迷。キャロウェー監督は先日の試合後、長年チームを取材してきた地元新聞社の記者にぶち切れました。さらに今月20日には、不振投手陣の責任を取らされて、投手コーチとブルペンコーチが解任。何と、82歳のリーガン巡回コーチをマイナーから代理投手コーチとして昇格させたほどです。 そんな、負の連鎖が起こっているメッツで、唯一、明るい話題を提供しているのが、今季開幕戦でメジャーデビューを飾ったピート・アロンソ、24歳です。昨季は36本塁打、119打点で、マイナー全体の2冠王。アリゾナ秋季リーグで103マイル(約165・7キロ)の投球を本塁打し、2015年のスタッツ・キャスト(データ解析システム)導入後では、最も速いボールを本塁打にした選手として認定され注目度がさらに上がりました。 デビュー後も持ち前のパワーを発揮して、ナ・リーグの新人史上初となる開幕75試合で25本塁打を記録。ナ・リーグ新人の前半戦本塁打記録を更新し、現在27本塁打です。注目は、新人の前半戦本塁打記録、1987年マグワイアの33本に、残り11試合でどこまで迫るかですが、本人は「SNSで記録の話題で盛り上がっているが、個人的には記録には、あまり興味がない。チームの勝利に貢献することだけに集中している」と冷静です。果たしてアロンソは、今後も一筋の光明としてメッツ・ファンの期待に応え続けることができるでしょうか。 (大リーグ・アナリスト)
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