吾輩は猫である ~名前はマダナイ~   作:大三元
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皆様どうも大三元です。
この前車を洗って満足していたら翌日雨でガッカリしました。
この様な事がありましたが私は元気です。
皆様はどうでしょうか?
それでは11話をどうぞ。


十一

モモンことモモンガは冒険者組合長プルトン・アインザックに呼ばれ会議に参加してい、この会議に参加しているのはこのエ・ランテルでも屈指の実力者冒険者チーム達だ。

昨夜のアンデット騒ぎや漆黒の剣の件もあり精神的に疲れていたのだが組合長直々の招集ともあり断れなかった。

 

「さて、皆も集まってくれたことだし今から会議を始める、議題は野盗の調査に出ていた冒険者達から報告された猫の亜人と吸血鬼のペアについてだ」

 

組合長の話を聞いてモモンガは内心動揺した、この話に出た者達はおそらくマダナイとシャルティアであろうからだ。

 

「報告ではこの猫の亜人は猫であると宣言し名前をマダナイと名乗ったらしい」

 

この言葉でモモンガは片手で目を覆い上を向いた、それに気が付いた組合長に何事かと聞かれたが昨日の激闘で疲れていると嘘を付き濁した。

そして組合長は報告の内容を皆に話す、調査対象の野盗はその二人に殲滅された事、亜人の方は友好的だったが吸血鬼はあまり友好的ではない事、亜人は吸血鬼と友達であると言った事を話す。

皆は真剣に話を聞く、モモンガも真剣に聞いているように見える、内心仲間であるマダナイの行いをどう咎めるか考えているが。

 

「でだ、皆にはこの亜人と接触して出来れば連れてきて欲しい、話が通じ尚且つ友好的な存在、そして狂暴で恐ろしいとされる吸血鬼と仲間になれる程の者を我々は如何にかして仲間に引き入れたいと思っている」

 

面倒な事になったと思いながらもその依頼を引き受ける事にした。

 

 

 

マダナイはナザリック第六階層のアウラの部屋でアウラとマーレに撫でられ眠っていた。

朝ご飯が魚料理だった事でご機嫌な様子だ、しかしモモンガの怒った声で起こされた。

 

『マダナイさん! 貴方何やってくれてるの! 今冒険者組合から貴方を探して連れてこいって依頼受けたんですけど!!』

 

『あ~… ごめん、じゃあ適当にエ・ランテルだっけ?に行くから待ってて』

 

そう言うとモモンガのメッセージを強引に切りエ・ランテルへと向かう事にした。

切られたモモンガは大きなため息を吐いたと一緒に冒険者になったナーベラルが証言した。

 

 

 

エ・ランテルの門番は困っていた、先ほど通達があった亜人らしき者がこのエ・ランテル向け歩いて来ているのが見えたから、その亜人は体の2倍はあると思われるバッグを背負い肩から何やら見た事が無い物を下げている。

亜人が門まで来た、笑顔でこちらに挨拶をして中に入ろうとする、いろいろと驚いたが職務を全うすべくその亜人を押しとどめ取り調べ室に連れて行く。

この事を通達した冒険者組合に連絡を入れると昨日活躍した漆黒のモモンがすっ飛んできた。

何やらお互い見つめ合っているが数分内に冒険者組合に連れて行くと言いモモンは亜人を引き連れて行ってしまった。

 

 

 

 

『マダナイさん! あんた何やってるの!』

 

『えへへへへ』

 

『笑い事じゃないんですよ!!』

 

冒険者組合で皆と出発の準備をしていた時に門の方から連絡が伝わってどうやら例の亜人がやって来たとの事だ。

これを聞いたモモンガはすっ飛んでその連絡があった門へ来たわけだ。

メッセージでは行くと言っていたがまさか単身で乗り込んでくるとは思っていなかった。

 

『はぁ、マダナイさんもうこれ以上気まぐれで動かないでくださいね』

 

『えぇ… 猫なのに?』

 

『猫でもここまで自由に動かないですっ!』

 

などとメッセージで話しながら組合まで向かう二人、道行く人々にジロジロ見られているがそれどころではない。

やっとの事で組合前まで来たモモンガは付いて来ているマダナイを見ようと横を向くとそこにはナーベラルが居た。

 

「ナ… ナーベ、あいつは何処に行った?」

 

「申し訳ありませんモモンさーーん、私が来た時にはもう居りませんでした」

 

モモンガは固まった。

 

 

 

マダナイはモモンガとメッセージで話しながら気づかれない様に離れていた、今居るのはちょっとした広場だ、周りに居る人々はヒソヒソとマダナイを見ながら話している。

そんな事はお構いなく肩にかけていたアコーディオンを手に取り演奏し始めた。

 

「Ой, полна, полна моя коробушка」

 

器用に猫の手で演奏するマダナイ、歌も妙に上手いが聞いた事のない歌だ、それに器用に踊りまで踊っている。

 

「Есть и ситец, и парча,」

 

周りの人々は徐々にマダナイに引き付けられる。

 

「Пожалей, моя зазнобушка,」

 

いつの間にか背負っていたバッグを地面に置いている。

 

「Молодецкого плеча!」

 

そして最後まで演奏すると聞いて居た人々に礼をするマダナイ、周りからは大きな拍手が巻き起こる。

 

「吾輩は猫である、名前はマダナイ。 以後お見知りおきを」

 

そう言うと大きなリュックからいろいろな物を取り出す、綺麗な洋服の生地や見た事が無い模様の食器、キラキラとしたアクセサリーに丈夫そうな絨毯などを。

 

「私は旅の行商人、もしよければ品物を買っていってください、値段は自分が思う適正金額で」

 

とマダナイは言うと再び演奏を始めた、今回は歌う事は無く集まって品物を見ている人々を笑顔で見ている。

因みに最初の曲は[コロブチカ]、テトリスで有名な曲で次に演奏しているのは[ニェジェーリカ]、邦題[一週間]である。

何故ロシアの曲なのかと言うとモモンガのせいでもある、一時期ナチ系にハマったモモンガを見て「なら自分は敵対国で行こう」と考えロシア、ソ連になったのだ。

そして何故演奏できているかと言うと詩人系スキルのおかげである、マダナイは支援職である、それもガチの方だ、持ちうるすべての事をすればガゼフの戦力を短時間とは言えモモンと同じ戦力に出来るほどだ。

しかしモモンガには届かないが…

 

 

 

あれよあれよと商品が売れて行く、ある者は財布の中身をすべて出し切り、ある者は銅貨一枚だけと本当に値段は買い手に任せているのである。

まぁこの売っている商品は何の効果もないただの装飾用アイテムでダブっている物なのでタダでも懐は痛まない。

全て売り切って売り上げを確認している時首根っこを掴まれた、何事かと掴んでいる相手を見るとそこにはモモンが居た。

 

「何か言う事はないか?」

 

「にゃぁ~ん」

 

そのまま引きずられるように冒険者組合へ連行された。

 

 

 

 




最近ケルト音楽にハマりかけています。
いい曲ですよね。
テトリスの曲と一週間はロシアの曲です、成人するまでは日本の曲だと思っていたのは内緒です。


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