(cache)【長州力引退、永遠のライバル藤波辰爾への思い〈6〉復帰への葛藤…「やっぱり東京ドームで終わっていればってある」】   : スポーツ報知

【長州力引退、永遠のライバル藤波辰爾への思い〈6〉復帰への葛藤…「やっぱり東京ドームで終わっていればってある」】  

復帰した長州は橋本真也と対決
復帰した長州は橋本真也と対決

 “革命戦士”長州力(67)が26日、東京・後楽園ホールで行われる「POWER HALL2019~New Journey Begins」で引退する。

 「藤波さんがいたから今のオレがいる」と語る長州は、引退試合で永遠のライバル、藤波辰爾との対戦を熱望。結果、越中詩郎、石井智宏と組んで、藤波、武藤敬司、真壁刀義と対戦することになった。引退興行は、前売り券が完売し、全国の映画館でライブ・ビューイングされることが決定。プロレスのライブ・ビューイングでは、過去最大規模の上映館に達した人気を示している。「Web報知」はこのほど、引退直前の長州を単独取材しプロレス界を代表するライバルストーリーを残した藤波辰爾への思いに限定してインタビューし連載する。第5回目は「復帰への葛藤」。

 1987年4月に新日本プロレスに復帰した長州は、今度は藤波とは、対戦するだけでなく共闘もしながらエースとしてリングに上がった。89年6月にアントニオ猪木が参院選出馬のため社長を退任し坂口征二がトップに就くと、取締役に抜擢されマッチメイカーの重責を任された。そして、ドーム興行が中心となった90年代に新日本プロレスを隆盛に導いた。

 時は平成に入り、藤波とは、昭和の「名勝負数え唄」でしのぎを削ったライバルというよりも団体を活性化し興行を成功に導くビジネスパートナーのような関係に映っていた。これまでの取材で90年代における両者の関係を長州は「やっぱり藤波さんという存在がいたから、どんな状況にあっても座りが良かったというか、最終的にはカチっとはまりましたよ。それは」と振り返ると藤波も「正直、言葉を交わすことはそんなに少なかったと思います。ただ、長州が組んだマッチメイクを見ると、彼がどういう意図でこの試合を組んだことがすぐに理解できました。そこは、阿吽と言いますか、プロレスにおける価値観、ファンにどうやったら喜んでもらえるのかっていうのは互いが分かりすぎるぐらい分かっていました」と明かした。

 長州が重大な決断を下す時が来た。1998年1月4日、東京ドームで引退したのだ。ところが、2000年7月30日、横浜アリーナでの大仁田厚との電流爆破デスマッチで現役復帰する。あれから約19年。長州はリングに上がり続け2度目の引退を決断した。最初の引退が46歳。今、革命戦士は67歳になった。

 「こんなに長くやるとは、思ってなかったですね。やっぱり東京ドームで終わっていればってある。まさかあれから、よく持ったなって。持たせたのかどうか分からないけど…」

 言葉には復帰したことへの後悔が込められている響きがあった。あのまま辞めていれば、良かったと思っているのだろうか。

「分からない。答えようがない。どうなのかな?まぁ、あの頃は、いろいろ会社が抱えていた問題もあるし…。あまりにも元気過ぎたかな」

 45年に及ぶレスラー人生で後悔はあったのか。

 「まったく何もないですよ。何もない」

 引退試合で対戦相手に藤波を指名した。興行のタイトルは「New Journey Begins」。新たな旅立ちを告げるリング。だからこそプロレス人生の集大成で対峙する相手は藤波しかいなかった。

(続く。取材・構成 福留 崇広)

格闘技

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請
ExelateDataExelateData