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「嵐といえば解散」「来年は紅白に!」……枝野幸男、誕生会でカラオケ熱唱150分の舞台裏 “選挙区より選曲”の政治家 - 「週刊文春」編集部

「♪こ~えるよ 現在を 聞こ~えるよ 未来が」

 5月31日夜8時すぎ、六本木の隠れ家バー。女性コーラスユニットLittle Glee Monsterの『明日へ』を自慢のテノールボイスで歌い始めながら、パーティルームに入場してきたのは、誰あろう、立憲民主党の枝野幸男代表(55)だった。

◆◆◆

 この日、55歳の誕生日を迎えた枝野氏。週刊文春6月6日号で報じた通り、番記者との誕生日会が開かれた。

昨年は蓮舫副代表の母親が経営するスナックでしたが、今年はプロジェクターなど機材が充実した店が選ばれたようです。ただ、幹事社から『録音撮影禁止』とのお達しが各社にありました」(政治部デスク)

 開宴とともに映し出されたのは、テレビ局記者らが制作した立憲結党からの軌跡を描いた“プロモーションビデオ”。約1分間の映像が流れ終わると、冒頭のように、枝野氏がマイク片手に登場したのだった。


“カラオケファースト”の枝野代表

「文春にも告知されてしまって。俺を呼んでないのか、という声が殺到しました」

 と嬉しそうに語り始めたが、実際、現在の番記者だけでなく、閣僚時代の秘書官など総勢約50名が顔を揃えていた。そして誕生日会に備え、自らメッセージ性のある曲を選び、曲順まで考え抜いたという。一体、どんな曲を歌ったのか。

「嵐といえば解散。衆院解散はある!」

 2曲目は、20年末で活動休止を発表した嵐の『One Love』。歌い終わると、

「嵐といえば解散。衆院解散はある! 嵐は止められない!」

 とダブル選の可能性に言及。だが、野党共闘には後ろ向きで、“選挙区より選曲”調整の枝野氏がいる限り、とても野党は“一つ”にまとまれそうもない。

 ところが、3曲目の乃木坂46『太陽ノック』では一転、「♪一人きり 閉じ籠ってた 心から飛び出してみよう」と熱唱。枝野氏が愛して止まない“坂道系”の曲に、他党と一定の距離を置く“単独主義”からの脱皮も滲ませたが……。

「本音では“犬猿の仲”小沢一郎氏とも合流した、国民民主党を潰すことしか考えていません」(野党担当記者)

 ここから、中・高合唱部という枝野氏の声量が存分に発揮される曲が続く。4曲目は、丘みどりの『紙の鶴』。枝野氏は「今年のレコード大賞はこの曲」と太鼓判を押したという。そして5曲目は西城秀樹『ブルースカイブルー』だった。

「番記者からも途中、枝野氏に曲のプレゼントがありました。歌ったのは5月15日にリリースされたばかりの『純烈のハッピーバースデー』。その後、店の特典でもあるシャンパンタワーが披露され、枝野氏は滴り落ちるシャンパンを見ながら『俺はアベノミクスのトリクルダウン(富める者が富めば貧しい者にも富が滴り落ちる、という考え方)は反対なんだけどな』と上機嫌でした」(同前)

 だが、純烈の一曲を除いては、延々と枝野氏の“ワンマンショー”が続く。

「上手いと言っても素人だし、皆飽きてくるのですが、枝野氏は自分の歌を楽しんでもらっていると勘違いしているようで……」(同前)

 再び大好きなアイドルソングに戻り、6曲目はAKB48の『翼はいらない』。7曲目は最近、自身のテーマ曲だと口にしている欅坂46の『黒い羊』。そして最後の一曲として8曲目に選んだのは、石川さゆりの『天城越え』だった。

「来年は紅白に出る! 秋元康に歌を書いてもらいたい」

 これで終宴かと思いきや――。司会役の記者から忖度するような“アンコール”の声。9曲目に流れてきたのは、ゆずの『栄光の架橋』。「♪いくつもの日々を越えて辿り着いた今がある」と歌い上げたものの、誕生日会の最後に枝野氏が宣言した“栄光”とは、“政権奪取”ではなく、

「来年は紅白に出る! 秋元康に歌を書いてもらいたい」

 というものだった。

 150分間にわたるオンステージがお開きとなったのは夜10時半。本人は満足げに店を後にしたという。

 立憲議員が苦言を呈する。

「選挙を前に戦っている側からすると、気が緩んでいるとしか思えません。立憲には小うるさい重鎮議員もいないし、事実上、枝野氏の“独裁体制”。自由にカラオケを歌える状況も心地良いのでしょう。最近は『俺のカラオケが報じられるうちは、立憲のスキャンダルがないってこと』と開き直っていますが、結局、本気で政権を獲りに行こうとしていないのです」

 こうした声に枝野氏はどう答えるか。群馬県の候補者決起大会後に直撃した。

――盛大な誕生日会でカラオケを披露した。所属議員からも批判が上がるが。

「色んな見方を、色んな人がされるんだと思います」

 選挙を前に、紅白出場を夢見る野党第一党党首。安倍一強は「♪全部僕のせいだ」(『黒い羊』より)。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年6月13日号)

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