吾輩は猫である ~名前はマダナイ~ 作:大三元
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最近アンケート機能に目を付けたのですが如何せんやり方が解らず四苦八苦。
文章の書き方などもこれでいいのかと悩む日々。
そんな感じですが今後ともよろしくお願いします。
玉座に集まった下部達をどうするかメッセージでやり取りをするモモンガとマダナイ、しかしいい案が思いつく事も無く只々時間が過ぎていくのみ。
仕方ないとマダナイが強硬手段をとる事に、モモンガも不安ながらそれに従う事しか出来ず流れに身を任せる。
「吾輩は猫である、名前はマダナイ。
どこでユグドラシルに行き着いたかとんと見当がつかぬ。
何でも何もない場所に居る所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。
吾輩はここで始めてモモンガというものを見た。
しかもあとで聞くとそれは人間種という者に対して一番獰悪なアンデットであったそうだ。
このモモンガは時々人間を囲んで蹴散らすという話である。
しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
吾輩達は別段そのような事はせずただ今を面白おかしく生きた。
諸君らも吾輩達同様面白おかしく生きていくだろうとも思った。
だが今この様な状況になり吾輩は恐ろしいと思った。
何故なら諸君らが吾輩達の遊びで発言した戯れを疑いもせず信じ込みこの様な結果になったのだから。
吾輩は猫人ながら時々考えた事がある、それは諸君らが吾輩達の事を妄信し疑いもせず事項に移すのではないかと。
その考えは当たっていた、これは実に悲しい事である。
私は仲間が欲しい。
妄信せず、時にはぶつかり合うことで切磋琢磨して成長していく仲間が欲しい。
吾輩達とて神や仏ではないのだ、故に間違いも犯すだろう。
そんな時支えてくれる仲間になってくれるだろうか。
吾輩達は、いや吾輩は問う。
諸君、栄えあるナザリックに付き従う大切な者達よ。
吾輩の友達になってくれるか?」
涙を流しながらマダナイの演説に聞き入る、至高の御方はこの様な思いだったのかと、我々はなんと愚かな事をしたのかと。
自身の涙を自前のハンカチで拭いながら代表としてアルベドが立ち上がる。
「こんな私達で良ければ喜んで!」
マダナイはアルベドの顔を見る、その顔は優しい笑みを浮かべていた、後ろに追随する下部達の顔も確かめる、どうやら意思はアルベドと同様な様だ。
「諸君らの思いは伝わった、ならばもう何も恐ろしい者は無し。
諸君! 立ちたまえ! これで吾輩達は友となった!
ならばこの輪にモモンガを加えてもよろしいか?」
そう言うと座っているモモンガに近づき手を取る。
『マダナイさん! 大丈夫なんですよね!?』
内心焦りまくりのモモンガのメッセージを無視して立たせると皆の元へと歩み寄る、そして高らかにモモンガの腕を持つ方の腕を上げ宣言する。
「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!」
この言葉に皆が付いてくる。
「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!」
「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!」
「アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ!」
この後栄光あれコールが収まるまで待った後皆に解散を言い渡し二人はモモンガの自室へ転移した。
残された者達は新たな喜びを噛み締め余韻に浸っていた。
「はぁ、マダナイさんお疲れ様です」
「あぁ、もうやんないあんなの………」
二人共精神的に疲労したため床に寝転がっている、ギリギリの状況では体が大丈夫でも動かないものだ。
「それにしてもよくあんな言葉スラスラ言えましたね」
「なに、名前の由来である小説の一部を変えて言っただけだから、最後は好きなアニメのセリフもパクったけど」
その後ピクリとも動かなくなる二人、セバスが来なければ永遠このまま動かなかっただろうと後にマダナイは語ったとか語らなかったとか。
いろいろあったが元気にしています、どうもマダナイです。
今日の膝は冷たいですがこれもなかなか乙なものでゴロゴロと眠っている最中である。
マダナイはシャルティアの膝の上で馬車の旅を楽しんでいた、事の顛末を簡単に説明すると情報収集、ついでに武技を使える人間の確保をお願い、とモモンガの命を受けセバス、ソリュシャン、シャルティアが王都に向け出発したのだ。
マダナイはと言うとやはり変装してまで冒険はしたくない、しかし外には出たい、とわがままを言ったのでこの情報収集組に入ったのだ。
この間モモンガはと言うとナーベラルと冒険者になりそちらでも情報収集するのだと言う。
最初はアルベドをはじめとした皆に反対されたが半日をかけた説得によりしぶしぶ了承したのだった。
「シャルティア様、前よりお聞きしたかった事が一つ」
「ん?」
「アウラ様とはあまり仲がよろしくないご様子ですが何か特別な理由でもあるのでしょうか」
「あぇ? もう一度言ってくんなまし」
セバスはいつもの様に険しい顔でシャルティアに問うたがシャルティアはマダナイを撫でるのに夢中であまり聞いてなかった様子だ。
この話はまた後日でいいかとセバスは「いえ、また後日御伺いします」といいまた沈黙に包まれた。
しかし直ぐに異変が起きる、馬車が止まったのだ。
「あぁ馬車止まってしまいんした、まだマダナイ様を撫でたかったのに…」
同時刻モモンガの方も異変が起きていたのだがこれは原作準拠で進んで行くだろう。
馬車が止まってからはあっけなかった、マダナイが法国の偽装兵に使った魔法を使い一瞬にして戦闘不能状態にしたからだ。
本来この魔法は無数の虫による拘束技なのだがマダナイの課金により見た目を猫に変えているのだ、本来の姿だと阿鼻叫喚の絵面になっていただろう。
拘束した者達を次々にナザリックへ送っていく最中にこの者達の拠点を聞き出していた、近くの洞窟らしい。
ここでセバスとソリュシャンは元々の任務である王都での情報収集の為別行動になる、その際マダナイは二人の顔を自身の肉球でムニュムニュと触って送り出した。
だらしなく口から涎を垂らす二人の姿を見た者は触られた二人以外は居なかった。
そしてシャルティアはマダナイを抱きかかえ吸血鬼の花嫁を引き連れて洞窟へと足を進めるのであった。
長セリフって難しいんだな…