吾輩は猫である ~名前はマダナイ~   作:大三元
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ニグンのプレイヤー発言で重要人物にランクアップ、その為うかつに殺す事は出来なくなってしまった。

この場で話すのも危険なので場所を移そうとモモンガが皆に提案した時空に亀裂が入った。

何事かと身構えるアインズとマダナイとアルベド、しかしその後は何も起こらず綺麗な夕焼けが広がっている。

何だったんだと考えるモモンガ、数秒思考にふけった後思い出す、これは情報系魔法から防衛した時のものだと。

ニグンのプレイヤー発言とマダナイのプレイヤーだよ発言により忘れていたがユグドラシルの時と同じく攻性防壁を張っていたのだ、しかしどうもこの監視の目は私達ではなくニグンに向けられた物らしい。

ちゃんと発動したので大丈夫だろうと思いカルネ村に戻る事にしたのだがガゼフに止められた、そりゃそうだ先ほどまで敵対していた相手をおいそれと自身の拠点に招き入れる馬鹿は居ないのだから。

そこで話し合った結果近くの森の中で話すことになった。

 

 

 

「よそ者であるガゼフに聞かれるとまずい事がありますので出来れば私とぷれいあー様だけで話したいのですが」

 

森の中に入り適当な場所を見つけて話そうとした矢先ニグンがモモンガに話しかけた、やはり国同士でのいざこざがあるのだろう、分かったと了承しニグンだけを連れてモモンガとマダナイは少し離れた場所に移動した。

その間アルベドには残りの者達の監視を命じた、ガゼフは何とも言えない顔でこちらを見ている。

 

「…ふむ、これで私達の会話は聞かれないだろう」

 

モモンガがいくつかの魔法で話せる場所を作った、そしてニグンは話始める、神とは、ぷれいあーとは何かを。

話を聞くと800年か600年前からユグドラシルのプレイヤーがこの世界に現れているらしい、時にはパーティーでまたある時はギルド拠点ごと来るのだそうだ。

そしてニグンが所属するスレイン法国は六百年前に現れた強大な力を持つ六名のプレイヤーによって救われた人間の国家らしい、そして先ほどニグンが言っていたスルシャーナとはその中に居たプレイヤーでどうやらモモンガと同じオーバーロードらしい。

そしてスレイン法国は人間至上主義、亜人死すべしの国らしい、あまり仲良くはしたくないが国にはその6人のプレイヤーが残したアイテムがあるらしいので敵対することも得策ではない。

 

「ニグンさん? 私思いっきりその亜人って奴だけど大丈夫なの?」

 

「大丈夫でございますマダナイ様! 神に対して無礼を働くものはスレイン法国には居りません!」

 

この様に言っているが余り信じられる話ではない、今までの話を整理して出した結果は様子見することにしたのだ。

スレイン法国には手出ししないしこちらからも手出ししないが危害を加えるならそれ相応の手段はとる事、こちらのやる事に対して意見を述べるのは許可するが聞き入れるとは限らない事、何かあったら先ほどの村、カルネ村を訪ねる事、他に追加事項が出来たらこちらから通達する事をニグンに言う。

後体裁の為に捨て駒であろう村を襲っていた騎士達はリ・エスティーゼ王国へ引き渡す事を重ねて言う、ニグンは深々と頭を下げその条件をのんだ。

 

 

 

話も大方纏まりアルベド達の方へ戻る事にした、皆大人しく待っていた様だ。

ガゼフには今回の事件の主犯である村々を襲っていた騎士達を引き渡すのを条件にニグン達陽光聖典を見逃す事を提案する。

ガゼフからは今後このような事、罪もない人々を襲わない事を条件に加えるならと、ニグンはそれを承諾した。

話の成り行き上こうなってしまったので捕えた騎士達をナザリックから再びこちらに戻すようにメッセージで伝えると直ぐに転移門が開き騎士達が吐き出された。

その後ニグンら陽光聖典達は本国へ足早に帰っていきガゼフらは村々を襲っていた騎士達を縛り上げ王国へと帰って行った。

モモンガらも村長らに挨拶をしてからナザリックへ帰還したのだった。

 

 

 

「吾輩は猫である! 名前はマダナイ!」

 

ナザリックの玉座の間にはナザリック内の下部達で埋め尽くされていた、今回の件に関して皆に報告するのと今後の方針を発表するためである。

最初はモモンガが話をしようと思っていたのだがマダナイに「ラスボスはラスボスらしくふてぶてしく座っててください!」等と言われ今の状況がある、ただ単に目立ちたいだけだろうとモモンガは思っているのだがマダナイなりに考えた結果でもあった。

 

「まず初めに勝手にナザリックから離れたのを謝る! ごめんにゃ~」

 

「そんな! 至高の御方が謝罪するような!」

 

デミウルゴスが立ち上がり意見するが最後まで言う前にモモンガによって静止された。

 

「っで何があったかについてはアルベドから聞くように!」

 

マダナイは胸を張り堂々とした態度で言う、モモンガから見れば何時ものマダナイなのだが部下達から見るとそれはとても神々しい物に見えたのだ。

 

「あ~、最後になるが今後の方針が決まったので皆に伝達する、とりあえず情報収集、それから後は極力様子見で行く事にした。どうやらこの世界にはほかのユグドラシルプレイヤーがいるらしいので」

 

それだけを言うとモモンガが立ち上がり解散を宣言した。

モモンガとマダナイがこの場所から居なくなっても下部達はまだ動かないでいる、そこへデミウルゴスが立ち上がり皆に話始めた、その話とはモモンガが夜外を見に行った時の話だ。

 

 

 

「いやぁ疲れましたねマダナイさん」

 

「そうですねモモンガさん、疲れすぎて眠いです」

 

モモンガの自室で椅子に座り話す二人、マダナイは今にも寝てしまいそうな勢いだ。

 

「そういやマダナイさんは睡眠阻害系のアイテム持ってなかったでしたっけ?」

 

「あるけど他の強化系アイテムでスロット埋まっちゃってるから… ふぁ~」

 

それだけ言うとマダナイは猫の姿になり丸まって寝てしまった、仕方がないなといった感じでモモンガはマダナイを抱きかかえベットへ連れて行ったのだった。

 

 

 

後日妙に張り切っている僕達を見て疑問に思うモモンガとマダナイがいたとかいなかったとか。

 



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