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琉球弧の祭祀 - 久高島イザイホー 各ストアより配信されました


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約40年前に行われたきり途絶えてしまった沖縄・久高島の祭祀「イザイホー」。「神の島」で繰り広げられた幻の祝祭がついに蘇る。古代と地続きになったリズム、活き活きと躍動する声、美しく折り重なるハーモニー。あまりの鮮やかさに息を飲む、奇跡の音源集である。


 

赤道近くのニューギニア島北部海域で発生した源流が、西方向へと緩やかに流れ、フィリピンの西方南シナ海へと到る。海流はやがて蛇行してルソン島と台湾との間のバシー海峡を抜けて通過する。勢いを増してきた海流は台湾の東側の太平洋を北上し、台湾と与那国島との間で劇的に西側へ方向を変える。東シナ海を北上し八重山諸島、宮古諸島、沖縄島、奄美諸島を右手に見ながら、トカラ列島を過ぎたところで方向を東に弧を描きながら再び太平洋に出て行き、日本列島の脇を舐めるようにして北上する。これが「黒潮」である。
 この黒潮に抱きかかえられるような島々こそが、八重山諸島〜宮古諸島〜沖縄島〜奄美諸島で構成される琉球弧である。台湾とも九州とも異なる独自の文化圏を形成しながら今日に至っている。
 これらの島々は、それぞれの独自の歴史を有していたが、やがて琉球というひとつの国家にまとめあげられていく。島国国家・琉球国の人々は、島が孤立しているとは考えずに、逆に海でもって諸国と繋がっていると考えた。
 島国にとって海はあふれるほどの水産資源をもたらし、諸外国との交易で富をもたらした。一方、人々は台風や灼熱の気候とうまく付き合いながら、狭い陸地、農地で、例えば畦道を意識的に曲げながら、そのことによって保水力を高め、家畜とも共存しながら農業を営んできた。
 海と陸との生産は、いずれも自然との闘い、あるいは共存こそが全てであった。海に繰り出す男達は、たえず危険に見をさらす。そこには祈りがある。土を耕す場合でも自然との折り合いが大切だ。五風十雨、5日ごとの爽やかな風と、10日ごとの夜の柔らかい雨こそが共同体を潤す、と人々は考えて自然を尊び、そして祈った。
 琉球孤における祈りは島ごとに地域ごとに幾分かの違いはあったものの、底に流れている宗教観にそれほどの違いはない。そういう中にあって、沖縄島近くの久高島は、古から「神の島」として広く認知されていた。島の男達は危険を伴う漁労に従事し、女達は農業の傍ら、島と家族の安寧を祈り続けてきた歴史がある。沖縄島からわずか5kmほどで、島の周囲が8kmという小島なのだが、確乎たる宇宙観と宗教観を有していたはずだが、時代とともにゆっくりと、あるいは急激に瓦解していった。それは共通の神々を失った歴史でもあった。ところが久高島は、今日においても独自の神観念の価値観を強く共有する島である。人々の神々への徹底した信仰心は、自ら口にすることはないが「久高教」とも称するべき内容を含んでいる。久高島はそういう島である。
 沖縄中から「神の島」と深く認識され、今日的にも特別な地位を保ち続ける久高島に、西銘シズさんという老神女がいた。シズさんは「イザイホー」を頂点とする、数多くある久高島行事の先導役として島の祭祀を執り仕切ってきた方であった――(ライナーノーツより)

 


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