古今東西、世界浦々、息子は母に弱い。
最近の疑問。この作品を書きながらふと思った事。ギャルゲーのヒロインは母親か未亡人以外は処女でなければ受け入れられとよく聞きますが、乙女ゲーの攻略対象は女性経験ありなしどっちがいいのでしょう。
私気になります。
自身の政務室で、積み上げられた仕事にげんなりしつつも、勤しんでいるとノックが聞こえた。顔をあげ入室を許可する。入ってきたのは細目の側近だ。
「アルベルト・ルーバーの去勢は滞りなく終了いたしました。現在は騎士数名につれられ王城外の騎士団の詰め所に寝かせています。術後の経過次第ですが医師の話では数日で日常生活に支障がでないまで回復するとの事です」
「そうか」
あまり興味がない要件だったので視線を手元に戻し政務を続ける。あ、ここ記入漏れがある。やり直しだな。
「おや? 随分と淡白な反応ですね」
「淡白も何も初めから決まっていた罰を執行したに過ぎない。むしろ儂にどんな反応を期待してたんだ」
「それはそれは嬉し喜び泣きわめき断末魔を上げるほど興奮するものかと」
「ありえんじゃろ。というか最後死んでるだろコラ」
我が盟友の策により事件自体は鎮火したと言っても過言ではない。後々に待つ厄介事を除けばだが。
事件が終わろうと、これだけの事をしでかした関係者を無罪放免とする事もできない。特に教職についているアルベルトには非難の声が高かった。何も儂は教師が聖職者で清廉潔白であるべしと理想を押し付けている訳ではない。
聖職者なんぞ教会の生臭坊主共を見ていれば幻想である事がよくわかる。もしくは、無辜の民を騙す方便だ。
ただ、問題なのが、アルベルトの通う貴族院学園は名の通り、貴族が通う学校という事だ。学園女生徒の中には婚約者を持つ者もいるし、既に既婚者になっている場合もある。貴族の女性、それも年端もいかない少女の純潔は好色な馬鹿共にとって価値があり、逆に同じ条件でも純潔を失っていれば無価値と切り捨てる。ホント、死ねばいいと思う。
親もそれが分かっているので政略の道具と揶揄される娘の純潔はなんとしても守りたい。最悪失う場合は家にとって有益な相手か自分より上位貴族であれと豪語するほどだ。ホント、貴族に碌な奴がいなくて泣きそうだ。
そういう観点から見ると伯爵の爵位も継げず、家とは確執があり、爵位は1代限り、それも学園の教師である間限定という、場合によっては騎士よりも価値が低いギリギリ貴族のアルベルトは最悪の相手である。
なのに質が悪い事に顔だけは良い。
今回はアリス嬢に婚約者はおらず問題にならなかった。それ以上の問題が発生した事は今は置いておく。現実逃避ではない。が、最悪の場合、平和な学園で流血騒動に発展する。しかも副産物で、令嬢の家と、相手側の家が闘争状態に発展する。
本当はさっさと解任して放り出せば厄介事は消えるのだが、学園の方は人手不足が深刻のようだ。校長も倒れたままだしな。
それに、アルベルトは人間として死ねばいいのにと思うが、教師としての腕はよく、こいつの担当するクラスの成績はすべて上位となり、授業の評判もいいときた。今の状況で失うにはきついというのが禿げの意見だった。
保護者である排斥派と学園の擁護派の意見は割れた。それにあの野郎が言っていた通り、ローズフィード公爵家が罪を被ってしまったので、完全に排斥する罪状がなかったのだ。
なので両者の意見を折中し、学園教師を続ける事を許可し、代わりに男としての機能を失わせる事にした。
「それにしても陛下も人が悪い。あんなに責め上げなくてもよろしかったのに」
「己の罪を自覚させるのも重要であろう? あの様子だと自分の置かれた状況すら分かっておらん。早死にどころか自ら絞首台に乗ろうとした馬鹿者を助けてやったのだ。むしろ、感謝されてしかるべきであろう」
「左様ですか」
クスクスと含みを持たせて笑う側近を見れば嘘だという事はばれているのだろうな。ばれた所で別に構わんが。
儂にとって、ローズフィード公爵とは右腕であり相棒であり幼馴染であり盟友であった。その娘のイザベラの事も可愛がっていた。何せ、王家の家系は代々男系で姫が生まれる事は稀なのだ。儂には妹も姉もいないし、先代である父にもいなかった。息子しかいない我が家にとって友の娘は無条件に可愛い存在だ。本当の娘にしたいと何度思った事か。
イザベラが成長するにつれ、その聡明さが浮き彫りとなり次第に義理の娘にしない理由よりも。した方がいい理由の方が多くなって、公爵をどうにか説得しリチャードとの婚約までこぎつけたのだ。
いつの日か、義娘に義父さまと呼ばれる事が儂の夢であった。
その夢を妨害し、友と義娘(予定だった)をあそこまで悪しざまに貶した奴なので少しは仕置きが必要だと、ほぼほぼ私情で判断したのだ。
現在進行形で叱り途中の息子をまるで三文演劇のヒーローの様に褒めたたえた時は、こいつ喧嘩売ってんだろ。勝ってやんよ、と思った。
売られた喧嘩は、勝てるなら買うのが王族の習わしだ。
怒鳴って出鼻を挫き、相手が動揺したところで大臣連中をけしかける。長年にわたり王城と言う伏魔殿で生きてきた連中なので打ち合わせなぞしなくても、あのくらいの連携は簡単であっただろう。
権力闘争と権謀術数の手腕に関しては儂も一目置いている。畜生共め。本当に貴族に碌な奴がいない。
「それで、ルーバー家からの返事はどうした」
「滞りなく。あちらは家を出た三男坊は既に独り立ちしたと明言しており、この件に伯爵家からは一切の不平はなく、代わりに王家も伯爵家に類を追求しないようにと要請があります」
「まぁ、妥当か」
貴族の繋がりは厄介である。個人に対する攻撃も、家に対する攻撃と認識される場合が多い。なので、家の力が強いと、どうしようもないクズでも調子に乗ってデカい顔をするのだ。
逆に、家から見放されたら孤立無援もいい所。肩身を狭くし打ち震えるしかできない。
要するにこれでアルベルトの件は完全な手討となった。
「残った問題はあれだけか……」
「今頃は王妃様と会食されている予定です。これで改心されればよろしいのですがね」
我が家の問題児。色恋にうつつを抜かした残念王子。父たる儂のいう事をまったく聞かない困った子供だが、母であるアネモネの話ならきくやもと思い許可を出した。
そうでなくとも、一度アネモネにはじっくりと話し合う機会が欲しいと願われていたしな。ただ、儂が話した時の印象では難しい。
「……アネモネは優秀な王妃だ。これまで、敵地であった我が国に赴き、共に支え合った戦友でもある。しかし、息子を持つ親としてまだまだ未熟であるのは明白。うまく行けば良いが期待は薄いかもしれん」
「陛下も人の事は言えませんしね」
「……分かっておる」
王族は慣習や立場的な問題で普通の家族体系とは異なる形となる。それが正常なのか歪んでいるのかすら当人たる儂らには分からない。
特に儂らの世代は何代に渡り戦争を繰り返してきた。家族が戦地へ行き二度と帰らない事もあった。現に儂の兄と弟は戦争のせいで死んだ。
それが珍しい事ではないというのだから、戦時下とは異常なのであろう。
アネモネもあちらの王族として同じような状況であったようだし、家族云々と言われても手探り状態なのでどうにも答えられん。
「正直に言うのなら、儂は戦争を知らない子供というのが理解できんのだ。リチャードが何を考えこの様な事をしでかしたのか……皆目見当もつかん」
それは恐らくアネモネも同じであろう。
母としてという言葉で過分な期待をするのはいささか傲慢が過ぎるだろう。
「実際、この件がなければ儂らは未だ息子の教育がうまく行ってると思っていただろうしな」
「はは、節穴にもほどがありますな!」
「うっさいわい、このひねくれ者が」
側近の軽口に持っていた羽ペンを投げつけるが、ひょいと躱されかすりもせん。
・・・
僕は今、自分の執務室で書類仕事を行っている。いや、それは正しくない。本来であるのなら、王子である僕の執務室は別の場所の予定だった。
王族であろうと、個人の空間というのは必要で、最低限1人で政務をこなす設備が整った部屋が用意される予定だった。
しかし、この部屋は僕の他に3人の文官が机についている。部屋を共同しているのだ。立場の低い王子でも、もっとマシな扱いだろう。
いや、扉の横に2人、外に2人、予備で1人。窓際に1人の護衛騎士がいるので決して冷遇されてる訳ではない。ただただ、プライバシーがなく、いつでもどこでも見張られているのだ。犯罪者でももう少しプライベートがあると思う。
3人の文官は僕の補佐という名目で、護衛騎士達は名前の通り護衛という名目で、僕の事を監視しているのだ。僕がアリスに会いに行こうと抜け出そうとすると決まってこいつらが邪魔をする。既に通算8度の逃走を妨害された。
あの卒業パーティーから随分と日にちが立つがあれ以来僕はアリスと会っていない。アリスだけではなく、武力的に頼れる友であるラルフとも、頭脳的に頼れる友であるシーザーとも会っていない。面会は勿論、手紙のやり取りさえ禁止されているのだ。
「終了した。確認を」
「はっ、では拝見いたします」
手元の計算された書類を文官に渡す。これは王城の出費に関わる経理作業で、どこにどれだけの資金が使われたのか計算し、数字があっているのかを確認する作業だ。
そう、作業だ。
僕は知っている。この書類は既に3人の文官の誰かが調べ、計算した後で僕に回される。つまり、僕がやったのはあくまで確認作業で、その確認作業の答え合わせをしているに過ぎないのだ。
「問題ございません」
だろうな。
こんな仕事、学園の生徒会でもやっていたし、誰でもできる部類の仕事だ。間違っても王子である僕が率先してやる様な仕事じゃない。
「……こんな事、いつまで続けなければならないのだ」
つい口に出た言葉で文官の動いていた手が一瞬止まり、緊張した空気になるが撤回する気はない。とにかく仕事でもしていろと父上に放り込まれたが、なんとも虚しい。
ああ、アリス。僕の心には君の笑顔が必要だ。早く君に会いたいよ。
「いつまでも何も、これも大切な仕事の一環ですよ。殿下」
コトリと目の前に出される紅茶。心地の良い香りが重苦しい執務室の空気を緩和させる。
紅茶を持ってきたのは、代々王族に仕えている従者の家系で猫目が特徴の男だ。僕より3歳年上で僕のサポートとして昔は高い頻度で顔を合わせる人物だった。
現在は毎日顔を合わせているけどな。
「ふん、大切も何もただの2度手間ではないか。時間はもっと有意義に使う物だろう」
「いえいえ、その後、もう1人が確認するので3度手間ですね」
「なお悪いじゃないか!」
僕はこの人物の事がそれほど得意ではない。いや、むしろ苦手だ。
昔から飄々としており何を考えているのか分からない。胡散臭い笑顔が不気味で、今みたいに王族である僕に不敬な態度をとっても誰にも咎められない。それがまた、気に入らなかった。
「しょうがないでしょう? 今の殿下の評価は1人で仕事を任せる事もできないほど地に落ちてしまったんです。王城の政務はすべからく国の運営に関わる重要なモノなので、信用のない人に任せる仕事なんてありませんよ」
「くっ……」
そうなのだ。なぜか僕の城での評価が大暴落し立場的に非常に厳しい状況になっている。なぜそうなったのかの原因は分からないが、大体検討はついている。
おそらく、宰相であるローズフィード公爵が何らかの方法でイザベラと婚約破棄をした事に対する報復をしているのだろう。
僕の知らない所で陰でこそこそと、貴族として恥ずべき行いだ。流石はあのイザベラの父親と言うだけの事はある。
「何か余計な事を考えているようですが、今は黙々と与えられた仕事を完璧にこなし、少しでも信用を回復したほうが賢明ですよ?」
「……分かっている」
猫目の男は肩を竦めやれやれと首を振る。
王子に対する態度として誰か注意しろよ。そう思うが、文官はカリカリと書類仕事を黙々とこなし、護衛騎士は我関せずと扉と窓際を死守している。仕事熱心で大変結構だが、仕える主である僕の名誉の為にもう少し気配りをできないのかこいつら!?
僕が沸々と怒りを貯めている時に、扉からノックの音が聞こえ騎士が様子を見る。しばらくし、扉を閉めた騎士はこちらまで来て来訪者の要件を告げた。
「ご歓談の最中失礼いたします。王妃様より会食のお誘いです」
騎士は礼を取りながら要件を言うが、こいつの目には今までの取りが歓談に見えたのだろうか。楽しくもなければ、心を打ちとけてすらいない私たちの間柄に何を思ってそう表現したのか実に気になる。。
「分かりました。では、お時間までにこれらの執務を終わらせお伺いいたします」
うん、言ってる事は間違ってないが、なんでお前が答えるの?
普通に考えて僕がそれをいう場面だよね?
「はっ、かしこまりました」
お前もお前で何をかしこまったの? え、お前の主って僕だよね。この猫目じゃないよね?
「お前ら……」
「さぁ殿下。お時間まであとこれとこれとこれを片付けますよ。私語は慎んでください」
「……」
こいつが!?
言っている事が的を得ているので反論ができない。確かにこの量は急ピッチで行わなければ時間に間に合わない。
そうせ2度手間の確認作業だから手を抜いてもいいのだが、そうするとこいつは確実に母上に告げ口するだろうし、手が抜けない。
無言で黙々と作業をしているとすぐに約束された時間になる。どうにかギリギリで指定された範囲は終わった。
どうだ!
「まぁ、よくできた方ですかね。これからもこの調子で頑張りましょう」
イラっとした。言葉を飾らず、素直に言おう。イラっとした。
会食の場は、王城内の庭が一望できるテラスだった。護衛を引き連れそこに向かうと既に母上は到着している。
元は隣国の姫であった母はこの国では珍しい色の髪色をしている。生憎と僕は父上似なので母の面影は少ない。
「お待たせいたしました母上」
「いいえ。……さぁ貴方も座りなさい」
「はい」
そんなどこか他人行儀で始まった会食は、滞りなく終了する。まぁ、王妃との会食と言っても母子での食事会だし。問題が起こる方が珍しいだろ。
だが、問題は会食が終了した後のティータイムだ。
王族と言うのは皆多忙で、それぞれに仕事を持っている。僕は今、ちょっとアレだが、とにかく、母上は忙しい中、なんの用もなく会食を申し出る事はないだろう。つまり、2人でじっくりと話し合う必要のある案件があるという事だ。
「……」
「……」
そのはずなのだが、なぜにさっきから無言なのでしょうか母上?
いや、いつも朗らかに笑う母上が真顔で無言な時点で尋常ではない事は確かなのだが、だからといって無言でいられても困る。
「リチャード、最近はどうですか。政務を頑張っていますか?」
ようやく話し出した母の第一声は取り留めのない世間話だった。
交渉術や会話の取り掛かりとしては無難である。なのでここは、僕も無難な答えを返した方がいいだろう。
「はい。滞りなく」
「……」
「……」
え……終わり!?
母よ、我が母よ。流石にそれで終わりは酷いと思います。僕も、うまい返しができず会話が止まってしまった事は否めませんが、それはあくまで無難な選択をしたためで、それでもそこで終わってしまうの無しですよ。
どうすればいいのか分からず困ってしまう。何か話があるのだと予想したので話のネタなんて考えていないぞ。
恐らく母も同じ状況なのだろうが、そんな母子の様子に痺れを切らした母側の侍女長が咳払いした。
「……王妃様、そろそろ本題に入られたらいかがでしょうか」
「ええ、そうね」
侍女長は母の国から共に我が国に来た隣国出身の貴族令嬢だった。長年の連れ添いであり母にとって信頼できる姉の様な存在であると昔、父が言っていた。
「もう分かっているとは思いますが、今日呼び出したのは貴方の所業を正すためです」
「……失礼ながら、僕には正さなければならない行いはありません。公衆の場での婚約破棄は配慮に欠けている事は理解しています。しかし、ローズフィード公爵家の影響力を考え、あの場でしか告発をする事ができなかったのです」
ローズフィード公爵家は我が国の宰相を2代続けて輩出し、領地は王都に次ぐ大都市がある。影響力は非常に強く、最悪、僕の訴えを握りつぶされる可能性すらあった。
だからこそ、あの場でしか、あのタイミングでしかやれなかったのだ。
「……ローズフィード公爵家とのこれからの付き合いや、かの家が抜けた事での穴埋めは陛下の領分でしょう。私からとやかく言うつもりはありません。しかし、国母として王妃として言います。貴方とアリスさんの婚約は認められません」
「なぜです! アリスはとても素晴らしい女性です。それこそ、イザベラよりも国母に相応しい!」
「殿下押さえてください!」
思わず立ち上がりテーブルを強く叩いてしまい大きな音を出す。後ろに控えていた護衛騎士に肩を掴まれ険しい顔で咎められる。
例え身内であろうと、王族の前で騒ぎ立てる事は不敬とされている。
「っ……失礼いたしました」
「構いません。しかし、もしこれが公の場であれば、私は貴方に罰を与えなければなりませんでした。己の立場をもっとよく考えなさい。子供は時に短絡的で衝動的な行動を起こすもの。けれど、貴方は既に子供と見なされることはなく1人の成人した大人と見なされます。ただでさえ王族は人の目を集めるのですからもっと自分の言動を注意深く考えなさい」
「はい……しかし、それとアリスの事は別です。母上もアリスに会えば」
「はぁ……」
衝動に任せた事を反省しながら、なおも食い下がる僕の様子に母上はため息をついた。
それがなんとも気まずい。怒りや悔しさがあるわけではないが、こう、なんとも言えないがとにかく気まずいのだ。
「貴方が軟禁されている間、私は3度ほどアリスさんとお会いいたしました」
「では」
「その結果、彼女は王妃にも国母にもなれる器ではないと判断いたします」
「な!?」
それは単純な驚きだった。
母上がアリスと会っていた事も驚きだが、何よりもアリスと会ってなお、アリスの魅力を理解してくれない母に驚きを禁じ得ない。
「まさか、会っただけで直接会話をしていないとか?」
「貴方の頭はどこまで……いいえ、何でもありません。しっかりと面と向かいお会いして言葉も交わしました。当たり前でしょうに」
いや、まぁ、それはそうだろう。自分で疑っておきながら流石に違うというのは分かる。だが、そんな事を疑うほどアリスという少女は僕の隣に立つ存在として相応しいと僕は思っている。だから、それを理解してくれない事があえない、思うのは至極真っ当な意見だった。
まさか本当にアリスは王妃の器ではなかったのかと一瞬疑ってしまったが、僕の心と審美眼はそんあ訳がないと答える。
「それではまだ、アリスの魅力を理解されていないのです。そうだ、今度は僕を交えて3人で食事でもしましょう。その席で僕自身がアリスの事を紹介いたします」
「……」
名案だと思い提案してみるが、なぜだろう。母の視線がとても冷たい。母だけではなく母の後ろに控えてる侍女長達の視線も冷たい。なんなら僕側の護衛騎士達からため息も聞こえた。なんでだ?
「はぁ……わかりました」
「! 分かっていただけましたか」
「ええ、今の貴方にどのような言葉を並べても意味がないのですね。よろしい、では、今ここでそのアリスさんの魅力とやらを私に説明しなさい」
「へ?」
それは思いもよらない提案だった。
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