山内玲奈さん(11)=兼城小6年=は、今ある幸せをかみしめながら自作の平和の詩を朗読した。「家族と友達と笑い合える毎日こそが本当の幸せだ」「未来に夢を持つことこそが最高の幸せだ」。一度も原稿を見ることなく、会場を見渡しながら丁寧に思いを伝えた。

「平和の詩」を朗読する山内玲奈さん=23日午後0時37分、糸満市摩文仁・県平和祈念公園

 74年前、生まれ育った糸満市では多くの人が犠牲になった。「爆弾が何発も打ちこまれ、ほのおで包まれた町」。青い空と海、大地になって沖縄を見つめると「体が震え心も震えた」。

 平和について考え、実感したのは、命の尊さ。

 最も伝えたかったという「生きているから笑い合える/生きているから未来がある」というメッセージは、特に力を込めた。

 沖縄戦を体験した祖父は、昨年亡くなった。体験は聞けなかったが、戦争の記憶を受け継ぐ覚悟を詩に込めた。詩を読み上げて改めて「沖縄のことをもっと勉強して、どう行動できるかを考えていきたいと思った」と話す。

 この日はせきが出ていたが、無事に大役を終え、「ほっとした。よかった」とほほ笑んだ。