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2019-06-23

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・映画館に行ったら、ポップコーンを買う。
 いや、実はぼくは買わないのだけれど、
 映画館といえばポップコーンだ。
 まだ海外旅行にごちそう感があった時代に、
 アメリカに行って映画館に入ると、
 とろっとろに溶けたバターを、
 それこそ湯水のようにかけたポップコーンが、
 いい匂いをさせてお上りさんを手招きをしていた。 
 もちろん、手をギトギトにして食べたものさ。
 こんなにたくさん食べていいのかい、と思った。
 こんなにバターをかけ過ぎて法律に触れないかいとまでは
 思わなかったけれど、すげぇものだなと思った。
 どこの映画館でも、こうだった。
 映画館をちょっと祭りっぽくさせているのは、
 きっとポップコーンのバターの匂いだと思った。

 野球場といえば、ホットドッグだ。
 観客席の間をホットドッグ売りが巡回している。
 球場によっては、名物の売り子がいるし、
 いかにもな曲芸的な売り方もしてくれる。
 野球場で食べるのはホットドッグなのだと、
 いつからか、どういう理由なのか、決まっているらしい。
 日本の野球場でも、そういうファッションがあった。
 しかし、どうやら、ホットドッグは儲からないのか、
 日本人にはもっとちがうものが売れるのか、
 だんだん下火になってきていて、最近は見かけもしない。
 でも、野球場にはホットドッグということになっている。
 三月雛祭りの季節に桜もち、五月に柏もちというように。
 野球には、ホットドッグが付きものなのだ。

 というような感じで、今年は
 日本でのワールドカップが開かれるラグビーにも、
 シンボリックな食べものがあったほうが
 よいのではないか、とぼくは思っている。
 「野球、わからなくても、ホットドッグでも食べてさ」
 なんて食べもので誘えるのって、とてもいい。
 で、ぼくが望んでいるのは「コロッケパン」なんだよ。
 ラグビーボールに似てるだろ、コロッケって。
 コロッケパン、みんな大好きだよ、ほんとだよ。
 コロッケの語源が「クリケット」であるということは、
 この際、気にしないことにしてさ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「秩父宮ソース」とかつけてさ。ああ、いますぐ食いたい。


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