木造建築の家は20年しかもたない・・・。
木造建築の家はあぶない・・・。
そんな声が聴かれたのは平成16年の新潟中越地震の時です。同じ直下型地震だった阪神大震災(平成7年)では「木造住宅の倒壊が予想以上に多い」と報道されていました。これらの報道が、木造建築の耐震性や耐久性を疑う疑問につながったのです。
この時伝統的木造建築を推奨している建築士たちは衝撃を受けたと言います。そこで耐震性を検証するための研究会が発足しました。
その他にも建築に携わる多くのひとたちによって、検証が行われ、地震で倒壊した家屋の9割が老朽化による耐久性劣化だということが分かりました。
また研究の結果、伝統的な構法は耐震性にも優れているということが分かったのです。
一方、伝統的な構法は地震の力を逃がす考え方で建てられており、より大きな揺れも力を分散させることにより、被害を最小限に留めることになります。また、その後の修繕を考えても圧倒的にメリットが大きく、その考え方や構造が今大きく見直され始めています。
日本で生まれた伝統的な木造建築物の構法は、地震が多く湿度の高い日本の風土気候で、快適に暮らすための知恵が詰めこまれています。
暑い夏に快適に過ごす為に、寒い冬に快適に過ごすために、どのような構法でどのような建築物を建てれば快適なのか、また地震があった場合にはどのような方法で力を逃がすのか、その粋を集めた構法が伝統的な構法にあると考えられます。
だからこそ、多くの建築家が伝統的な構法に注目し始めているのです。
ただ、戦後の西洋化推進や木造建築空白時代、近年プレカットによる家造りの自動化、大量生産化により家造りをすることの出来る職人は激減しています。
私たち能見工務店は、多くの方々に、この伝統的な構法の良さを伝えると共に、少しづつでも職人を育て続け、皆様に快適な暮らしをご提案させて頂きます。
日本で生まれた構法には2つの構法があります。
それは「在来構法」と「伝統的な構法」と言われており、一般的には在来工法が剛の家、伝統的な構法は柔の家と言われています。この2つの構法の大きな違いは地震に対する揺れに対して「耐える」か「逃がす」かの考え方にあります。
在来工法は近年勧められていた構法で、海外の意見などを取り入れられた構法です。考え方は地震の揺れに耐えるための考え方になっていますが、耐えるにも限界があり、この構法自体が大きく見直され始めていると言っても良いでしょう。