失業保険をもらいたい人が陥る、離職理由「自己都合」の落とし穴

意外と知らない、手続きの具体的方法
鷲尾 香一 プロフィール

「受給資格」の条件とは?

失業保険の申請窓口では、こうした必要書類を提出して説明を受ける。しかし正直言って、チンプンカンプンだった。それはおそらく、後日、失業保険を受給するための説明会があるため、申請当日は細かな説明を省いているためだろう。

とにかく、「説明会には必ず出席するように」と強く念を押される。ただ、失業保険の「受給資格の決定」は、この窓口での手続きによって行われることになるから、必要書類はきっちりと用意しなければならない。

無事、受給資格が決定すると渡されるのが、「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」という冊子だ。この冊子には、失業保険の仕組みや、「失業認定申告書」の書き方、不正受給についてなど、失業保険に関係することがまとめられている。

では、失業保険の受給資格とはいかなるものなのか?

 

受給資格に必要となる基本条件は、

(1)離職日以前の2年間に、雇用保険に加入していた期間が満12カ月以上であること

(2)離職日からさかのぼって1カ月ごとに区切った期間に、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月が12カ月以上あること

この2つ。簡単に言えば、普通に会社に1年以上勤めていて、給与から雇用保険を払っていれば、受給資格がある。

ただし、失業保険を受給するためにもっとも重要なのが、「失業状態」にあるということだ。

「失業状態」とは、「就職を希望していて、いつでも就職できる状態にあり、積極的に仕事を探しているにもかかわらず、仕事に就けない状態」

例えば、しばらく休養するとか、家事に専念するのは、「就職する意思がない」と判断される。また病気や家業の手伝い、学業に専念することは「就職の能力がない」と判断され、いずれも失業状態とは認定されない。さらにパートやアルバイトをしていたり、自営業の準備をしている、会社役員に就任している場合には、「職業に就いている状態」とされ、これも失業状態とは認定されない。