オリックスが逃げ切った。ドラフト3位ルーキーの荒西が、6回途中1失点でプロ初勝利。ディクソンが3セーブ目。打線は6回に、失策に乗じ、中川の2点適時打などで3点を挙げた。広島は拙守が響いた。
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オリックスのオールドルーキー、26歳のドラフト3位右腕・荒西が5イニング1/3を5安打1失点。2度目の先発でプロ初勝利をマークした。
ウイニングボールを手に「普通にメチャクチャうれしいです」。サイドに近い位置から内外角へ140キロ台中盤の直球とスライダーなどを投げ分け、5回までは二塁を踏ませなかった。3点の援護をもらった直後の6回に1死から小園、菊池涼の連続二塁打で1点を失い、あとは救援陣に託した。1点リードの9回は、祈るような思いでディクソンが抑えるのを見届けた。
熊本・玉名工高では甲子園出場を果たせず、ホンダ熊本へ。昨秋のドラフトでは最年長指名だった。一度は諦めかけた道が開けて「指名してくれたオリックスのためにも、ファンのためにも1軍で活躍するのが恩返し」。4月に救援3試合で2軍落ちすると、8年過ごした社会人時代に使用した熊本県の形をかたどったウェブ(網)のグラブに戻し、復調の契機となった。
西村監督が「よくあそこまで投げてくれた」とねぎらった苦労人の奮投で、チームは3年連続の交流戦勝ち越しを決めた。 (吉川学)