14歳で世界ジュニアに挑戦して以来、世界という大きな舞台で活躍している羽生選手。2014年シーズンはソチオリンピック金メダル、世界選手権優勝、グランプリファイナル優勝の3冠に輝き、文字通り世界のトップに立ちました。
「フィギュアが教えてくれたこと」第3回目の今回は、今や世界中で注目を浴び、目標とされる立場になった羽生選手が、世界という舞台をどう見ているのか語っていただき、そしてこれから世界を舞台にしたいと思っている人に向けてメッセージをいただきました。また、インタビューの中で明かしてくれた意外な一面やとっておきのエピソードをコラムでご紹介します。ぜひ、最後までお見逃しなく、お楽しみください。
世界という舞台
日本の頂点を極め、世界に滑りだした時の感動。そして世界中のライバルを相手に戦うということ。勝つたびに大きくなっていく舞台を、羽生選手はどのように感じているのでしょうか。
夢であり、壁でもある
小さい頃は、地元のリンクが自分の世界そのものでした。ジュニアからシニアへ。そして日本から世界へ。自分の舞台が少しずつ大きくなっていくのを実感します。世界に滑り出したときは本当に夢のようでした。それまで世界はテレビの中にあったものだったから、すべてに驚き、感動し、すごいなと思うことの連続でした。カナダに行ったばかりの頃もすべてが刺激的で、発見の毎日でした。世界に出ると、その大きさを肌で感じると同時に、自分のできないことができる素晴らしい選手がたくさんいるという現実に大きな壁も感じます。
やるべきことは、一つ!
世界の舞台にいざ出てみると、やはりいろいろな面で日本との違いを感じます。世界で勝つには、さらに高度な技を身につけなくてはならないし、精神面でも強さが必要になります。気候も環境も食べ物も違うので体調管理も気が抜けません。でも、日本にいようが世界にいようが、やるべきことは同じだと思っています。世界で活躍している高いレベルの選手に「勝ちたい!」と思ったら、自分を磨くしかないんです。もちろんこれは今だから言えることであって、昔の自分にはそんなことはとても言えなかったと思います。
世界中のファンについて
羽生選手の舞台が広がるにつれて、声援も国を超えて聞こえるようになりました。今や世界中のファンが羽生選手に注目し、熱い声援を送っています。世界のスターとなった羽生選手に、ファンに対する想いを語っていただきました。
どんな応援でも、やっぱり嬉しいです
ファンの応援にはものすごいエネルギーがあって、いつも心に届きます。選手を応援するファンの気持ちはどこの国も同じだと思います。でも応援の仕方には違いを感じます。コスプレして応援を楽しむファンの方がいたり、たくさんの贈り物でリンクがいっぱいになったり…その国の慣習とか、おもてなしの文化みたいなものが表れていて、個性あふれる熱い応援にテンションが上がります。一人の選手を応援するために、みんなが一つになれるというのは素晴らしいことだし、すごく嬉しいことです。
応援を力に変えたい
応援のパワーがあまりに強いから、時にはいい意味でプレッシャーを感じることもあります。でも、そのプレッシャーを自分の力に変えることが、応援に応えることにつながると思っています。演技をするたびに、観客席からいろいろな声が上がって。演技の内容によって期待であったり、安堵だったり、落胆であったりもしますが、滑っていて会場の空気が動くのがわかるんです。そういう会場との一体感や臨場感はとても楽しいです。
世界を目指す人たちへ
世界という舞台に立ち、ますます経験を広げている羽生選手。同じくフィギュアで世界を目指す人たちへ伝えたいことをお伺いしました。フィギュアに限らず、さまざまな分野で活躍したいと考えるすべての人に通ずるメッセージかもしれません。
失敗や遠回りを恐れないで
将来的には、後輩にいいアドバイスができるようになれればいいなと思っていますが、今はまだその立場にはない気がします。ただ、「無駄ことは何もない」というのが僕の持論です。それが遠回りであったとしても失敗だったとしても、反省したり考えるきっかけには100パーセントなるので、その時無駄のように思えることが、いつか絶対に糧になって、次は失敗しないようにと考えることができる。また遠回りの方が結果として早道になることもある。だから自分がしたいと思っていることに恐れず挑戦し、その体験を大切にしてほしいなと、僕は思っています。
\ここだけの、インタビューこぼれ話/
現在、早稲田大学人間科学部に在籍している羽生選手。大学ではどんなことを学んでいるのかを伺ってみました。
大学生・羽生結弦
僕は「人間科学部」という学部で、今は「人間情報科学科」を専攻しています。どういう学問かというと、世の中にあふれているたくさんの情報の中から、人がどういう仕組みで必要な情報と出会い、受け取り、正しいと判断し、行動につなげていくのか…どういう根拠でそうなるのかということをデータで解析して、いろいろなことに活かそうという内容です。人間の情報処理力だとか、情報との付き合い方は、もちろんスポーツにも通ずるところはありますが、スポーツと関係なく、オフィスのデスクの配置によってどう効率が変わるのかなど、実際の企業を例に研究する環境デザインについても学んでいます。週一回のレポートが大変ですが、頑張って提出しています。
YUZU DAYSシリーズの第1弾は
今回を持って終了となります。
YUZU DAYSシリーズ第2弾は
今秋からの公開を予定しています。
お楽しみに!
ママの公式スポンサー P&Gの想い
P&Gは「ママの公式スポンサー」(海外では「Thank you, Mom」)というテーマで、オリンピックを応援し続けています。ロンドン2012オリンピックから、ソチ2014冬季オリンピック、リオ2016オリンピック、平昌2018冬季オリンピック、そして2020年の東京オリンピックまで、P&Gはこのテーマを世界中で伝え続けていきます。
オリンピックは、選手の活躍によって生まれる感動だけでなく、選手とその選手を子どものころからずっと支え続けてきた家族とのつながりを強く感じられる機会でもあります。そんな彼らの絆に触れることで、世界中の人々にも自分のママや家族の大切さ、感謝の気持ちに改めて気づいてほしい。このテーマには、P&Gのそんな願いが込められています。
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