4歳から今まで、多くの時間をフィギュアスケートと共に歩んできた羽生選手。人生においてフィギュアから学んだことは、きっと数え切れないほどあることでしょう。
今回から始まる新テーマでは、羽生選手がこれまでの体験を通じて感じたさまざまな事柄について、全3回にわたってお届けします。1回目となる今回は、羽生選手の人生においてフィギュアがどんな存在なのかを解き明かしていきます。また、インタビューの中で明かしてくれた意外な一面やとっておきのエピソードをコラムでご紹介します。ぜひ、最後までお見逃しなく、お楽しみください。
自分をコントロールすること
滑る楽しさ、表現する喜び、多くの人からの声援…フィギュアスケートはたくさんの喜びをくれるスポーツです。同時に、練習の過酷さや試合の厳しさ、怪我などさまざまな困難も合わせ持っています。きっと羽生選手は、フィギュアの楽しさと大変さ、どちらもたくさん経験していることでしょう。フィギュアを通じて羽生選手が学んだ大切なことについて答えてもらいました。
自分が相手だから、負けられない
フィギュアは、野球やサッカーやテニスのような対人競技ではないから、すべては自分次第です。もちろん相手の調子が悪かったせいでたまたま勝ててしまうことは稀にありますが、ジャンプが成功する、演技がミスなくできるかは自分の問題です。むしろ自分を相手にする戦いだからこそ、負けられないと思っています。テクニックや表現力、集中力などは練習やコーチのアドバイスで高めていくことができますが、イザという時にその力を出せるかどうかが一番重要だと思っています。集中力やモチベーションをどれだけ保てるか、プレッシャーをどれだけ力に変えられるか…結局は精神面で自分自身をコントロールできる強さを持った人が勝つのだと思います。
無駄だったことは、一つもない
試合前に緊張したり、不安になったりすることもあります。でもそれは、それだけ本気だという証拠。うまくいきたいって思っていなかったら、緊張もしないし不安にもならないですから。ネガティブな気持ちも、どうしてそんな気持ちになったんだろう、って考えられたら、プラスに変えていけると思います。そう考えると、フィギュアを通じて経験したことで、無駄だったことって一つもないと思っているんです。もちろん胸を張れることばかりではありませんが、いろんな経験をしていろんな感情を知っていれば、それを表現に変えられるかもしれない。怒りとか悔しさが、力強いジャンプにつながるかもしれない。だから、ネガティブな感情からも逃げずに、一つ一つの経験を大切にしていきたいなと思っています。
母のおかげで強くいられる
精神面をコントロールするために、身体のコンディションをベストに保つことも大切です。トレーニングのペースや量は日々自分で考えて調整していますが、身の周りのことはほとんど母がやってくれています。毎日、些細な体調の変化に気づいてくれて、バランスの良い食事を考えてくれるので有難いです。カナダでは、母と話すことも精神的にプラスになっています。母は僕を心配していろいろ言ってくれるのですが、僕がつい反論してしまうこともあります。よくある親子のやりとりだと思いますが、海外にいると母国語で話すだけで安心できるし元気になれます。母の存在は、身体的にも精神的にも支えになっています。
僕にとってフィギュアとは
自分をコントロールすることや精神的な強さなど、大切なことを羽生選手に教えてくれたフィギュア。羽生選手の人生にとって、フィギュアはどんな存在なのか、改めてお伺いしました。
すべてじゃないけど、とても大切
以前は、フィギュアは生活そのものだった気がします。でも震災やいろいろな経験を通して、生活は生活、フィギュアはフュギュアであってイコールではないと思うようになりました。「フィギュアがなくなったら、何もなくなってしまう」ということでは困るので、意識的に切り離そうとしているのかもしれません。でもフィギュアは、羽生結弦という人間を形成している軸であることは確かだから、人生の重要な一部であることは間違いありません。
フィギュアを通じて、人生を経験している
フィギュアは、努力の大切さや諦めない強さなどポジティブなことも教えてくれましたし、自分の弱さや過信など、ネガティブな面にも気づかせてもらいました。そこから学んだ多くのことは、僕の考え方や普段の言動、社会生活に影響を与えているのは事実です。でも、実はすべてが正しいとは思っていなくて…何をどう受け入れるかは自分の選択次第なのだと思っています。僕とフィギュアの関係は、学ぶというよりも「フィギュアを通して、人生のいろいろなことを経験させてもらっている」そういう感覚が一番近いです。
\ここだけの、インタビューこぼれ話/
羽生選手がもし、フィギュア以外のスポーツをやるとしたら?そんな質問をしてみたところ、意外なスポーツを挙げてくれました。
いつか弓道をやってみたい
フィギュア以外にやりたいのは弓道です。僕は短時間に集中することが得意なタイプなので、ずっと前から弓道をやってみたいと思っているんです。12月生まれの射手座で、結弦という名前ともリンクして親近感が湧いています。フィギュアと違って、静止してやるスポーツという点にも興味があります。一時期はテニスにも興味があったのですが、テニスは暑い夏でも屋外でやる競技なので、インドア派の僕には向いてないなって、すぐあきらめました(笑)。
YUZU DAYS 第11回目は、
P&G製品の特別インタビュー
「パンテーン編」をお届けします。
アスリートならではのヘアケアへのこだわりや、
小さい頃のお風呂でのエピソードを伺いました。
5月初旬公開予定!
ママの公式スポンサー P&Gの想い
P&Gは「ママの公式スポンサー」(海外では「Thank you, Mom」)というテーマで、オリンピックを応援し続けています。ロンドン2012オリンピックから、ソチ2014冬季オリンピック、リオ2016オリンピック、平昌2018冬季オリンピック、そして2020年の東京オリンピックまで、P&Gはこのテーマを世界中で伝え続けていきます。
オリンピックは、選手の活躍によって生まれる感動だけでなく、選手とその選手を子どものころからずっと支え続けてきた家族とのつながりを強く感じられる機会でもあります。そんな彼らの絆に触れることで、世界中の人々にも自分のママや家族の大切さ、感謝の気持ちに改めて気づいてほしい。このテーマには、P&Gのそんな願いが込められています。
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