では、どんな家が資産価値の高い家なのでしょうか。
次の2つの物件なら、あなたはどちらを選びますか?
A、駅から徒歩30分(バス利用)。5LDKの広々とした新築一戸建て
B、駅から徒歩3分。築10年の3LDKの中古マンション
資産価値が高いのは、当然Bです。
まず、木造の戸建てと鉄筋のマンションでは、耐用年数が違います。法定耐用年数は、鉄筋コンクリート造りのマンションが70年、木造戸建てが33年です。築10年の差があっても、マンションに軍配が上がります。
そして、資産価値を重視するなら、利便性が重要です。なるべく駅近で都心部に近いところ、車利用の地方でも、交通アクセスのよいところがおすすめです。長い人生を考えたとき、通勤に1時間半かかる豪邸よりも、30分で通える小さなマンションのほうが、はるかに価値が高いと私は考えます。
利便性にくらべれば、家の広さなどそれほど大きな価値はないと思っています。わが家は文京区の2LDKのマンションで、息子を4人育てました。4人を10畳に押し込めて(2段ベッド×2を利用すれば可能です)、十分暮らしていけました。現在は3人が家を出ているので、とても快適に暮らせています。
利便性のよさに加えて、環境のよい場所であることも大切です。特に子育てをするなら、近隣環境は非常に重要です。その地域の治安や教育レベル、施設の充実度などを十分に精査しておきましょう。
新築物件は、部屋もまっさらで美しく、キッチンやお風呂など水回りの設備も最新です。そういった部分に心をひかれるのも当然です。しかし、住みはじめた時点から、新築物件は中古物件になり、どんどん古くなります。
水回りなどはあとからいくらでもリフォームすることが可能です。しかし、環境や地の利といった部分は、自分ではどうすることもできません。
家の広さや新しさ、グレードばかりに価値を求めると、数十年後に資産価値のない家になりかねないのです。
マンションなら断然築浅の中古がおすすめです。中古であれば管理の状態や住民の質も確認できます。新築で同じような世代がごそっと入居するよりも、さまざまな年代の質のよい住人がいて、新陳代謝が活発なマンションがおすすめです。
住宅購入では、次の点をよく確認してください。
・交通の便がよいこと(駅徒歩7分以内、通勤に便利な路線、急行停車駅、都心に直結した路線であればなおよい)
・病院、郵便局、銀行、スーパー、学校(子どもがいる場合)が近いこと
・環境(治安、道路状況、近隣住民の質など)がよいこと
・マンションの場合、住民の質、管理の質がよいこと
住宅の資産価値を考えるときは、数十年後を想像してみるのがコツです。