大規模調査ですから、頑張って、ピーナッツ摂取群、非摂取群ともに、10万人規模の大調査をやります。大体、この年齢(小中学生)の死亡率は10万人あたり、300人くらいでしょうか(間違っていたら訂正願います)。主には不慮の事故、自死、悪性新生物、心疾患などなど。
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で、ピーナッツ摂取でなくなってしまう方は、小学生以上では年に数人(仮に3人とします)。一方、その他の死因(交通事故などを始め)、つまり大半の死因は、ナッツアレルギーなんて関係ないことを21世紀の我々は知っていますから、大多数(300人)は、両群に差なし、です。
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つまり、ピーナッツ摂取群の死亡率300人、非摂取群の死亡率297人(10万人あたり)の比較です。どうでしょう、差がありそうでしょうか?計算するまでもなく、両群差なし、です。
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この結果を受け、疫学の大教授は軒並み、「ピーナッツで小中学生が死ぬことはないと科学的に証明された」「ピーナッツでショック死と言っていた子供達の死因はピーナッツ摂取とは関係ないことが科学的に証明された」となります。
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はて?どこかで、考え方を間違っているのでしょうか?いやいやそんなはずはない。隣の国でも、我々の調査の欠点を埋めるべく、前向きcohortで、RCTまでやったが、やはり両群差なしと、同じ結果だった。だから、やはり、ピーナッツ-->死というのは、科学的に明確に疫学で否定されたのだ。
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何がおかしいのでしょうか? 人によっては、「死亡率の差ばかりを見ているからいけ無いのだ、オッズ比を論じ無いと、特異性の問題もあり、調査が片手落ちなだけなのだ!」という主張をする人もいるかもしれませんね。いえいえ、問題はそこではないのです。この場合、オッズ比を調べようが、ダメです。
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最大の問題は、このようなデザインの、一般大衆を調査対象とした疫学調査では、ピーナッツ摂取が、死亡の「十分な原因であるかどうか」を調べることしかでき無いのにもかかわらず、疫学者が皆揃いも揃って、もう一つ大事な因果関係である、必要条件の議論の重要性に気がついてい無いこと。
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21世紀の我々は、すでに、ナッツアレルギーという概念を知っているわけです。最初に出した例、給食のピーナッツで、不幸な転帰となってしまわれたお子さんの場合、(1)ナッツアレルギーがあった、(2)ピーナッツ摂取をした、という2つの必要条件が同時に成立し、初めて死に至ってしまった。
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そして、大事なことはこの場合、(1)も(2)も、ともに、単独では十分条件ではない。つまり、それ単独では死に至らしめるわけではない。しかし、(1)も(2)も、必要条件として、明確にこの小児の死の原因であったわけです。なぜなら、たとえ(1)があっても、ピーナッツさえ食べなければ、死ぬことはなかった
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逆に、たとえ(2)があっても、(1)さえなければ、死ぬことはなかった。このように、単独ではどちらも十分条件ではないが、ともに必要条件であることで病気(事象)のアウトカムに至る発症パターンを2ヒットと呼びます。
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面白いことに、司法の場では、"conditio sine qua non"の原則、つまり、必要条件が重視されます。医者や科学者が、現行の疫学調査のpitfallに気がつかず、不正確な議論に終始してしまっている場合、司法関係者の方が、ちゃんと原因の可能性をしっかりと見てくれていることが多いのは、このためです。
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