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新渡戸記念館問題の続報です。
新渡戸稲造博士の業績を称える青森県十和田市の新渡戸記念館は、館内の展示物がどれも貴重品で、おそらく時価総額は800億円を下回らないであろうといわれています。
その記念館は、新渡戸家所有の土地に十和田市が記念館を建て、その記念館の中に新渡戸家保有の遺物を展示し、記念館の管理は新渡戸家で行うという仕組みで長年運営されてきたのですが、数年前、十和田市の西村副市長が突然、記念館の建物のコンクリート強度が弱く、耐震性に問題があるから記念館を取り壊すと言ってきました。
本当にコンクリート強度が不足しているのなら、それはとても大変な問題です。
そこで新渡戸家側で「取り壊すのなら展示物はどのようにするのか」と問うたところ、「コンテナに入れて処分する」という。
どうも話がおかしいから、問題のコンクリート強度はどのくらいだったのかと尋ねると、10ニュートン未満で、ダンボールより低い強度しかないという。
「いや、いくらなんでもそれはないでしょう」と切り返すと、十和田市は一方的に記念館への送電をストップし、隣地にある駐車場も閉鎖、駐車場にあった倉庫も一方的に撤去して、中にしまってあった什器類は庭先の土の上に転がすという暴挙に出ました。
記念館に展示してあるものは、戦国時代の甲冑や文書など古いものも多く、送電が止まって空調が止まれば、展示品はたちまちカビたり腐食したりして原型を留めなくなってしまいます。
そこで新渡戸家側では、全国の支援者に呼びかけて自費で送電の継続を図りながら、自腹で青森地裁に「コンクリート強度の鑑定を求める裁判」を起こしました。
不思議なことに青森地裁は、十和田市が示した耐震強度の検査結果に疑問を呈しながらも、コンクリート強度の再診断の必要はないとして、申立を棄却。
そこで原告の新渡戸家側が、仙台高裁に控訴すると、控訴審の判決は、青森地裁に「コンクリート強度の再診断の鑑定を実施せよ」と、原判決の破棄差戻しになりました。
そこで青森地裁で再審が行われたのですが、これまた不思議なことに、青森地裁の判決は、仙台高裁の控訴審の判決を無視した「コンクリート強度の鑑定の必要はない」という判決になりました。
これは普通ありえないことなので、再び新渡戸家は仙台高裁に控訴。
その訴訟が先日結審し、判決言い渡しは7月10日になったのですが、高裁の裁判官から「判決の前に当事者双方で話し合って解決してはどうか」という和解勧告があり、新渡戸家側の代理人弁護士と、十和田市の代理人弁護士との間で、仙台高裁の勧告に基づく「和解の可能性を探る電話会議」が18日に行われました。『ねずさんのひとりごとメールマガジン』 登録会員募集中 ¥864(税込)/月 初月無料! |
十和田市側より、「和解内容の原案は新渡戸家側代理人が示せ」というので、新渡戸家側では、十和田市の意向も十分考慮の上(和解ですから当然のことです)、次の和解案の呈示をしました。
1 記念館の土地は新渡戸家のものであることを確認する
2 建物取壊しの費用は十和田市の負担とする。
3 記念館が保有する遺物は新渡戸家のものであることを確認する。
4 新たに建築する記念館の建設と運営費用は十和田市が負担する。
5 本件和解協議が進行している間は、当事者双方は和解案の内容について関係者以外には公表しない。
ところが十和田市が、この和解案の「すべてに同意できない」としたため、和解は不調に終わりました。
その翌日(19日)、十和田市は、市議会令和元年第二回定例会において、市議の質問に答えて西村副市長が、次のように経緯を答弁しました。
(1) 和解協議は不成立となった。
(2) 新渡戸家が和解案として申し出た内容は非常識なものであった。
(理由)
イ)新渡戸記念館は危険な建物である。
ロ)記念館の譲渡はできない。
ハ)取り壊し費用の負担もできない。
ニ)譲渡は譲渡する側から条件を出すのが普通であり、譲渡される側がこの様な条件を出すのは理解できない。
理解を得られないためこの和解には応じられない。
質問した市議は、それであっさりと納得して引き下がったようですが、副市長の答弁の(理由)は、明らかな論理矛盾をはらんでいます。
というのは、新渡戸記念館が危険な建物であるかどうかが、まさに裁判の争点になっているわけで、それを裁判で白黒をつけるためには、どうしてもコンクリート強度の鑑定が必要です。
その鑑定をあくまでも十和田市側が拒否し、和解案も新渡戸家側で示せというから、上の和解案の呈示になったのです。
そこで和解案では、市が危険な建物だというのだから、では建物の取り壊しは、十和田市の費用負担で行いなさいと言っているわけです。
それがいつのまにか建物の譲渡をするしないの話にすりかわり、取り壊しの費用負担もしないという。
市が保有して耐震強度に問題がある建物について、市は取り壊しも、そのための費用負担もしないというのなら、それはその建物の耐震強度には何も問題がないと吐露していることと同じです。
この程度の答弁の矛盾も突くことができないなら、はっきりいって市議会の質問などしないほうがよろしい。
この問題で、新渡戸家側が最も問題にしているのは、記念館保有の遺物についての保存問題です。
この保存を、これからどのようにしていくのか。
すくなくとも、十和田市は、あきらかに遺物の腐食が進むとわかっていながら、記念館への送電をストップし、いまだこれを復活していません。
また、仮に記念館を取り壊すとしたときに、遺物をどうするのかについても、これから「十和田歴史館を作る予定でいるから、そこに保管する」というだけで、ではその「十和田歴史館」なる建物が、どこにどのような形で作られ、どのように遺物を保管するのかなどについての具体的事項は、これまで一切示そうとしていません。
仮に記念館に5千点の遺物があるとして、そのうちのどれだけのものが保管展示されるのかも、これまたまったく具体案が示されていませんし、そのための話し合いも持とうとしていません。
多少誤解を恐れずに極端な言い方をすれば、800億円とも言われる遺物を、私的に流用されても、どこからも誰からもチェックされないというきわめて不穏当な態度に終始しているのです。
そのような曖昧なことで、新渡戸家側が承諾できるはずもありません。
ということで、また判決が出ましたら、続報をお届けしたいと思います。
※この問題を当ブログで採り上げているのは、これに似た事案が、全国に多数存在しているからです。
そして多くの場合、廃館となり取り壊された記念館に保有されていた物品は、いつのまにか散失し、ある城門記念館では、保管してあった縄文式土器が行方不明になり、なんとヨーロッパでオークションに出され、1個が1億5千万円内外で売買されていました。
はっきりいって歴史の古い日本では、各地の記念館が保有する遺物は、どれもものすごい金額の値打ちがあります。
そこに目をつけた馬鹿者が、記念館を取り壊し、展示物を横流しして大金を得るという不逞な行動が、実は全国で後を絶ちません。
私は今般の新渡戸記念館の裁判事件は、そうした戦後に蔓延する日本の闇を、白日のもとにさらす、とても大きな事件であると思っています。
新渡戸記念館では、市から打ち切られた施設維持費のために、皆様からのご寄付を受け付けています。
その寄付先、会計報告は、記念館のホームページにあります。
↓↓↓
http://www.nitobe.jp/
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15/06/06 新渡戸記念館を守れ!
15/07/27 新渡戸記念館の文化財が霧散の危機に瀕しています
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15/09/14 新渡戸記念館問題
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敵とみなして反撃してもらえるのなら、よいしょぐらいならします。
口だけの魚のエサは論外。
新渡戸といえば、お札にはなったけれど。。こないだのチャンネル桜からは、
理想を場違いのところで語りすぎた、と。結果、悲観して、、したらしいと。 しつこく狙うのは、どこの意向なのでしょう。
司法も行政も、これではね。本物の右翼もない、、どうしましょうか。
よくも悪くも、在日のひとたちは、仲間意識が強いようです。
もとからの日本人はどうすればいいのでしょう。
どちらにしても、新渡戸記念館には、可能な方は、
最大限の支援をお願いしたいと切に願います。
しかもほとんどの日本人はこの実態を知りません。
その最たる事件がヤフオク事件なのではないか、
という気がしてなりません。
↓↓↓
① 十和田市の新渡戸は、新渡戸家の血筋ではない偽物である。
② 新渡戸記念館に保管されている史料はすべて偽物である。
③ 新渡戸家の本家は、東京にある加藤家である。
④ よって十和田市にある新渡戸家の史料は護る必要がないものである。
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和解にも全く応じない?
卑劣な言い分とやり方…同胞とは思えません。
共産主義は世界を滅ぼす!
国体も国益も護らない輩は敵と見做して反撃します。