(cache)対談「宝の10年~あなたは、どう過ごしますか~」by グランドセイコー<1>「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄 」総支配人 野口弘子さん×川島蓉子さん   | 朝日新聞デジタル&w(アンド・ダブリュー)

対談「宝の10年~あなたは、どう過ごしますか~」by グランドセイコー
<1>「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄 」総支配人 野口弘子さん×川島蓉子さん  PR

「キャリアとは、円錐状のらせん階段を一歩ずつのぼっていくもの」

<small>対談「宝の10年~あなたは、どう過ごしますか~」by グランドセイコー</small><br><1>「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄 」総支配人 野口弘子さん×川島蓉子さん  

野口弘子さん(左)と、川島蓉子さん。2人は野口さんが「パークハイアット 東京」マーケティング部長のときに出会ってから、20年近いお付き合いという(撮影・大城亘=以下同)

「宝の10年」――と聞いて、いつのことを思うだろうか?
キラキラしていた20代? 一生懸命働いていた30代?
それともまさに「いま」だろうか。

&w連載「ひとむすび」の筆者・川島蓉子さんと、
さまざまな分野で挑戦を続ける女性に、
「宝の10年」について語り合っていただく連続対談。
その人たちが何を大切にしながら生きてきたのか、
自分らしく働き続けるために、何を大事にしているのか……。
少し先でいま、同じ時を生きる2人の女性が交わす言葉を通して、
私たちもまた、これからの10年を見渡せるような、
そんな対話をお届けする。

第1回のゲストは、「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄(以下、ハイアット瀬良垣)」総支配人の野口弘子さん。ハイアット瀬良垣は昨年8月21日にオープン、わずか1カ月後に「50年に一度」という台風24号の直撃により、甚大な被害を受けた――。
>>台風直後のホテルの物語はこちら(連載「川島蓉子のひとむすび」)

川島 半年ぶりにこのハイアット瀬良垣に来ましたが、またすべてが明るくキラキラしていて……。台風直後のときは、本当に一夜にしてすべてが破壊されてしまったホテルを前に、野口さんが、お客様はもちろん、スタッフにも思いを伝えようと心を砕いている様子に心動かされました。

野口 そうですね。非常にショックでした。自分自身もどうやって気持ちを奮い立たせようかと。

川島 野口さんは、キャリアもすばらしいんだけど、聞いていくと紆余(うよ)曲折がたくさんあって、乗り越えてきたことが半端じゃない。そこに惹かれるんです。長崎に洞爺湖、パークハイアット東京、そして箱根(ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ)をハイアット初のリゾートにして、今度は沖縄……なぜこの人は、次々と乗り越えていくんだろうと。しかも働く動機が、高みを目指すとか、キャリアプランを持つというのとはちょっと違うんですよね。

野口 それは、まったくないですね。

「成長なき者、ここに居場所はない」

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川島 でも、ハイアット箱根をあそこまで育て上げて、あんなに愛していたのに、「沖縄をやってみる?」っていわれた時に、受け入れる決断をした勇気と覚悟は、かっこいいと思いました。

野口 決心したのは、一つには箱根が10周年で、恩返し的なパーティーをして節目になったこと、もう一つは、箱根の時に、みんなに伝えていた「10カ条」というのがあって、その最後の10カ条目が「成長なき者、ここに居場所はない」、だったんです。一人ひとりの成長がホテルをよくしていくんだってずっと言い続けてきた自分が、ここで自らが成長することを拒むのは、違うのかなと思って。

川島 でもこんな大きなホテルを預かって、ゼロから作る、それもたった1年あるかないかの時間で。

野口 ちょうど1年ですね。ホテルと同じように会社も生まれたばかりなので、その企業文化や土壌をどう作っていくか。何がダメで何がよくてということを作っていかないといけない。だから私けっこう言います。ダメなものはダメって。それは優しいとか優しくないということではないんです。

川島 経営トップが「言う」重みって半端じゃない。きつく言い過ぎてもおびえちゃうし、誰とご飯に行くか、誰に声をかけたとか、みんなが見てるから。部下の前で上司にガツンと言わないとか、あえて言うとか。多面的に考えて動かないといけないですよね。

野口 そうですね。私も20代後半ぐらいからキーマネージャー的な役割を任されて、やっぱり何回か失敗はしてますよ。本当は部下を信頼すべきだったところを、信用できずに疑った話し方をして傷つけてしまったり、自分が仕事するスピードで、それをちょっと押しつけてしまったり。いろんな失敗をして、そのたびに反省し、まあ反省し、あ、このやり方はダメなんだなということのくりかえしです。いまでも日々反省と改善です。

川島 さらに経営トップって、お客様のこと、社員のこと、グループとの関わりも考えなきゃいけない。社会的にも責任を負ってるわけじゃないですか。でも野口さんはそういうことをたぶん1ミリも嫌とも重いとも、思っていないですよね。

野口 そうですね。上に行って何が良かったかって思うと、決して権力とかではなくて、人間としての生き方なんです。そういった意味で私の場合は、上に上がることによって、人間としてどう生きないといけないかとか、人と接するときにどうありたいかとか、そういうことを学ばせてもらいました。

一歩一歩のぼり続けるその先に続くものが、絶対あると思うんです

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川島 私はずっと会社員でありながらライターも続けているのですが、なぜフリーにならないかっていうと、たぶんうまくいったときに、「ああよかったね」ってチームで言えるからなんです。けっこうその瞬間、楽しいんですよ。あと、困ってる時に相談すると、「いやあ川島さん何とかなるから、大丈夫だよ」って言ってくれる人がいる。私には人がいないとダメだし、そこに喜びがあるから、働いているんですね。

野口 働き方を選択する自由はあってほしいですね。結局は日々の積み重ねしか、未来には通じていないと思うんです。最近の若い人の中には、1年2年で仕事を変えていく人もいます。私、キャリアって、なにか円錐(えんすい)状のものを下からまるーくのぼっていくものをイメージしているんです。大きな円錐をぐるりと一歩一歩、歩いていこうとすると、当然、毎日毎日は、ほんの少しずつしか進まないし、1周するとまた似たようなところに戻ってくる。そこで少ししか上がってなければ、え、また?っていう気もする。

でも、少しずつでも、一歩一歩、歩き続けるその先に続くものが、絶対あると思うんです。少しのぼったところでその円錐を降りて、また違う円錐をのぼり始めて、また1周ぐらい回ったところでもう嫌になって降りることを繰り返していると、次の段階として見える景色が、ずっと変わらない。そこに気づいてほしいと思います。桃栗3年柿8年じゃないですけどね。

40代の10年。凝縮の時でもあり、挑戦の時でもある

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今回、野口さんがつけているのは、グランドセイコー エレガンスコレクション STGF277(SS×ダイヤモンド×MOP)

川島 この10年をどう過ごしてきたか、というのが今日のテーマでもあるんですけど、女性にとって40代は、精神と体力のバランスが取れていて、世の中から見てもある程度認められて、ひらけていく時期。そういう時期だと自覚しながら働くのは、楽しいかもしれない。

野口 私の場合は、総支配人としての10年ということになるんですけど……。この10年は、20代後半から30代、40代とがむしゃらにやってきたことを凝縮して、その積み重ねをようやく発揮というか、それをフルに使って、自分でこのホテルをどう作っていこうかという……本当に凝縮の時であり、かつそこから、いろんなことをもっと学んだり挑戦したりしている時代ですね。

川島 40代の働く女性から相談される中で多いのは、「管理職にならないかと言われているけど、現場をやっていたい」、あるいは「責任あるポストを受けるのが重すぎるけどどうしようか」っていう悩みですよね。そういう時は、「できれば、やってみてから降りても遅くないよ」って言います。いろんなやり方があっていいと思うんですよ、管理職も。

野口 そうですね。とにかく与えられた仕事に対して、自分ができる範囲で120%、130%挑戦し続けていく、それが50代60代につながっていくと思う。私もそれでつながってきていて、いまでもがむしゃらさは変わらないです。ずっとつながってるっていうのは、私にとっては幸いですし、いい時間だと思うんですよね。だから私には、「老い感覚」もないんですよ、ぜんぜん。川島さんもないですよね? あります?

川島 老いは……ありますよ(笑)。体力は確実に衰えていく。でも精神力はもしかすると強くなってるところがあるのかも。広げるというよりは、深めるとか、濃くしてみるということを考えるようになった10年かもしれないですね。

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野口 まぁ、がむしゃらなのは同じなんですけど、以前よりも、より世の中が見えるようになってきましたね。望遠鏡の質が良くなった感じです(笑)。

川島 そうですね。時々、自分を肯定してあげることって大事かな、って思います。「こんなにだめだから、もっともっとこうしなきゃ」っていう気持ちも大事だけれど、「こんなことしたらうれしかった」とか、「心が喜んでいる」みたいな、気持ちの肯定感を持てるといいな、と思いますね。

働くことの、ひたすらの喜びと、深い覚悟。
お二人の話から、その両方が伝わってくる。
一歩一歩、進んでいるそのときはわからないけれど、
らせんをゆっくりとのぼっていく時間が、そのまま宝の時間、なのかもしれない。
これからの10年、あなたは、どんな宝を刻んでいきますか?

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グランドセイコー エレガンスコレクション STGF277(SS×ダイヤモンド×MOP 320,000円+税)
シンプルでどんな装いにも映えるデザインのクオーツモデルです。
細やかな匠の技によって磨かれた歪みのないケースと、インデックスのダイヤモンドが、上品な煌めきを演出。またダイヤルに使用されているピンク色の白蝶貝は、しとやかな光を湛え、角度によってほのかに輝きを放ちます。
シーンや装いを選ばない、ケース幅26mmの小ぶりなサイズのこの腕時計は、身につける女性をアクティブなモードへと導いてくれます。 (セイコーウオッチ株式会社)

〈 問い合わせ先 〉
グランドセイコー専用ダイヤル 0120-302-617
グランドセイコー公式サイトはこちら

野口弘子(のぐち・ひろこ)

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1962年、長崎県生まれ。大学卒業後、外資系流通業マーケティング部を経て、長崎ハウステンボス開業プロジェクトや、ザ・ウィンザーホテル洞爺のホテル再建プロジェクトのマーケティング全般を担当。その後、アーサーアンダーセンGMDのホスピタリティ部門にてホテルのコンサルティングに従事し、2002年1月より「パーク ハイアット 東京」マーケティング・コミュニケーションズ部長、2004年7月からは同ホテルのセールス&マーケティング支配人を務める。06年8月より「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」総支配人、17年9月「ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄」の総支配人に就任、18年8月にホテルを開業した。

川島蓉子(かわしま・ようこ)

伊藤忠ファッションシステム株式会社取締役。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。
1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。日経ビジネスオンラインや読売新聞で連載を持つ。著書に『TSUTAYAの謎』『社長、そのデザインでは売れません!』(日経BP社)、『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞社)などがある。1年365日、毎朝、午前3時起床で原稿を書く暮らしを20年来続けている。

後回しだったスペースがドラマチックな非日常空間に

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