どうも、江崎びす子です。


みなさん、BL(ボーイズラブ)は好きですか?


私は大好きです、ゲイになったのもBLに出会ったことがキッカケでした。


さて、そこでBL界の中でも有名な「咎狗の血」という作品をご存知でしょうか


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原作はBLゲームで、ニトロプラスキラルというゲームブランドから発売され
発売から10年が経つ今もイベントが開催されたりドラマCDが発売されたり
とにかく根強い人気のある
BL界きっての大ブレイクした名作なのです


しかし、それとは別の意味でも有名。
この作品BL界では数少ない「アニメ化」を成し遂げているのです


そして、そのアニメが
「テレビアニメ史上最も酷い原作崩壊アニメ」として
アニメの歴史に名を刻むことになってしまった問題作なんです。


なにがそんなに酷いのか?
お答えしましょう


作画、演出、脚本シナリオ、ほぼ全てです。


当時の2ちゃんねるは連日大荒れでした。
まず放送前のアニメージュ等のピンナップやキービジュアルの時点で既に絵が酷く
ファンの嘆きで掲示板のカウンターを回し
ファン自らフォトショで修正しだす咎狗修正大会が開かれました


さらに
第1話からOPが未完成で放送され
作画崩壊のオンパレード
もちろん大炎上です。


2話目から新OPに差し替えられましたが
作画崩壊は最終回まで治ることはなく
メインキャラのケイスケは死ぬは
源泉の乳首に毛が描き足されるわ
もう散々な有様となりました。


結果、DVDは発売中止
ボックスのみとなり
さらには制作会社のピクチャーマジックはこれを受け倒産しました。


上記の内容から、もう「どんだけヤバイか」がご理解いただけるかと思います。


もともとアニメ咎狗は「A-1 Pictures」という、アニオタならわかるであろう
有名アニメ会社が手がけるものとして打ち出していたので
発表された当時、それはそれは期待の高い作品だったのです。


ですが、実際には下請け会社のピクチャーマジックに丸投げといういい加減な方法が仇となりこの結果に。。。


この様なことから、腐女子の間では
「咎狗の血はアニメ化しなかった」という事にされています。。。


きっとどこにも、アニメ咎狗の味方をする腐女子はいないでしょう。




でもね、ここにいるよ
アニメ咎狗の血のファンが


はい、私です。


私は言いたい
あんな結果になったけど
私はアニメ咎狗が好きだよと


散々アニメ咎狗をdisるような事を書いておいてですが
それは事実として仕方のないこと


アニメ咎狗、本当は良いところだっていっぱいあるんです。


ということでアニメ咎狗のいいところ、上げれる限り書かせていただきます


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その1
「数少ないBLのアニメ化作品である」


そもそもボーイズラブが原作でアニメ化まで持ち運べた作品は本当に貴重
まず実現した事自体が凄いんですわ。

それは咎狗がただのBLじゃなくて
ドラマとしての完成度がめちゃくちゃ高いシナリオだからこそだと思うし
世界観がBLを抜きにしても唯一無二な異色を放っていたからでしょう。


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その2
「主題歌がどれも名曲すぎる」

咎狗のオープニングはGRANRODEOの「ROSE HIP-BULLET」
ハードロック調で咎狗の世界観を存分に歌い上げた名曲です
「バラ色に染まれ」というフレーズがもうボーイズラブの主題歌としても咎狗のOPとしても100点満点です。

さらに賛否両論ありますが
私はオープニングの演出も大好きです
(絵コンテ集を買ったほど)


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さらにはこのアニメ咎狗、全12話全てエンディングテーマが異なるのです。

そしてそのエンディングテーマの中でも神曲と謳われるのが
「no moral(1話)」
「once more again(5話)」
「優しさに守られて(9話)」


歌っている人は全て違いますが
作詞が全て「こだまさおり」さんです。
こだまさんが咎狗をめっちゃ理解して下さってるんでしょうか
もう作詞家のこだまさんが脚本を書けば良かったのに…


「no moral(1話)」は第1話のエンディングで
タイトルの「ノーモラル」の通り

不条理でモラルもクソもないトシマで
信じられるものは痛みだけだ、ただひたすらに前を向いて走り続けるしかない…!!
というメッセージの歌です。


「once more again(5話)」はケイスケ視点のセツナソング

「縺れていく感情、掛け違えた取り戻せない距離、傷つけることでしか繋がれなかったね
後悔も懺悔も、もう届かない」

劇中でアキラと感情の縺れから、ラインに手を出してしまったケイスケ。
そして後悔した時にはもう出遅れに…

そんな切ないストーリーがこの歌にしっかり刻み込まれています。
ファン的には号泣してしまう歌です


「優しさに守られて(9話)」は主人公、アキラがケイスケに向けた歌

不器用で、感謝の言葉なんて口にできないけど
アキラがケイスケに対して、精一杯「ありがとう」を表現してる歌だと思います。

「暗い世界で君の孤独をおざなりにしてた、浮かぶ表情は手放しの愛、僕の為だけに向けてくれてたね…本当は深く繋がってたなんて、今更わかってもらえるだろうか」

ケイスケはアキラを心配していつも側についてました
「アキラの為に何かしたい、でもアキラは強いから、むしろ俺なんて足手まといかな…笑」
そんな"手放すような愛"で見守っていました

アキラは冷めた態度でそれをあしらっていたけど
本当はその優しさに守られていた、支えられていたんだよってメッセージだと思います。



やばい、つい長くなってしまった…
 


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その3
「ケイスケの死、BADENDだからこそ心に残る」


もしアニメ咎狗を腐女子のみにターゲットをしぼって作っていたら
アキラとケイスケはトシマを脱出し、結ばれてハッピーエンドだったと思いますが

ファンブックやアニメ咎狗に関する書物を読む限り、どうやら監督は視聴者の幅を広げようとして
純粋にカッコイイ漢のアツイ話に仕上げたらしいです。

で、私も当時は「何でケイスケ殺したんだよ!?」と嘆きましたが

数年たった今、たまに見返す度に思うのは
ケイスケの死があったからこそ「モヤァ」とした感情が残り
その「モヤァ」が晴れないので何度も見返してしまう。
そしてその度に切なさと悲しさとやりきれなさに駆られる

それがもう、自分の中でクセになってしまっているんだろうと。


咎狗のガチ後番組枠でもある魔法少女まどかマギカ等もそうですが
やっぱり主要キャラが死ぬアニメって見返したくなるんだと思います
そしてその救われなさが記憶に残る。


しかも、ケイスケが死んだことで
今まで感情を表に出さなかったアキラが
絶叫して泣き崩れるんです。
やっぱりこのシーンのおかげで「あ、アキラはちゃんとケイスケのこと大切に思ってたんだ、ケイスケが死ぬのはやっぱり悲しいんだ」と確証が持てる。


今になって考えれば大切なシーンだったのかもしれません


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その4
「良くも悪くもアニメ史上に名を残した」

最大の良かった点はこれです
これだけ年間に何百と大量に制作されるアニメ界の中で、埋もれない、忘れさられない

何年たってもアニメ咎狗の血の衝撃はツイッターや2ちゃんねる等で話題に上がるし
今後も永遠に語り継がれるんだと思います。

私は咎狗ファンなので、もちろん綺麗な作品として残ってほしかった気持ちはありますが
これはこれでアニメ史において重要な役割をもった作品になったし、良かったと思います。



ということで、語って参りましたが
ぜひ咎狗を知ってる人は、このブログの記事を読んだ上で
アニメ咎狗を改めて観ていただき
何か一つでも良さに気づいてもらえたら嬉しいですし


もし咎狗の血をご存知ない方は、是非アニメをご覧になってみて下さい。


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※作業机のすぐ近くにアキラフィギュア2体置いてます


ps.
なんでこのタイミングで咎狗の記事書いたかというと、ここ2日3日ほどTwitterで
咎狗の脚本を担当された高橋ナツコさんが話題になってまして
どうやら今度ジャンプ原作のアニメを彼女が担当するらしく
その事への心配や絶望の声がTLで響き渡ってました
その話題に咎狗ももちろん上ってて
私もいつか咎狗については語っておきたかったので、このタイミングで深夜のテンションに任せて書きなぐりました。


お粗末な記事を最後まで読んで下さりありがとうございます。


江崎びす子