【暗黒の千年紀】#4 アイアンウォリアー兵団

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Warhammer 40,000世界の背景設定をLexicanumより翻訳します。

今回はアイアンウォリアー兵団について。


Iron Warriors – Lexicanum

アイアンウォリアーはかつて20個存在した原初のスペースマリーン兵団における4番目の兵団であった。総主長はパーチュラーボ。ホルスの大逆において皇帝から離反した9つの兵団のうちの一つであり、のちにケイオススペースマリーンと化した。彼らの専門分野は包囲戦および要塞陣地の破壊であり、それゆえにインペリアルフィスト兵団とは大逆以前から互いに対抗意識を抱いていた。アイアンウォリアーたちはまた激しい接近戦の闘士であり、その獰猛さは大逆兵団ワールドイーターや忠誠派兵団ブラッドエンジェルの狂戦士たちにも匹敵するとされる。彼らはしばしば奴隷化した捕虜を弾除けとして使うことで守備側の弾薬備蓄を消耗させるとともに要塞砲の配置地点を割り出そうとする。

基本情報 現在の紋章
IronWarriorsMarine
アイアンウォリアー
兵団番号: IV
総主長: パーチュラーボ
拠点惑星
(大逆以前):
オリンピア
拠点惑星
(現在):
<恐怖の眼>内のメドレンガルド
信仰: 純粋なる渾沌
装甲色: 銀(装甲)、金(装飾)、黒(ショルダーガード)
専門分野: 包囲戦
鬨の声: 我が魂は鋼鉄、我が肉体は鋼鉄!
Ironwarlogo
大逆以前の紋章
IW

歴史

創設

この兵団が第四兵団として創設された場所は、地球にあるセク・アムラクのアウロ高原に建てられた常習者(recidivist)の要塞の残骸の頂上である。その周辺地域を住処としていた戦闘的な銃砲部族が最初の兵団マリーンとなった。初期の第四兵団は<地球統一戦争>において自らの価値を証明し続け、皇帝の領地の中でも最も堅固な領地を築いた。第四兵団の遺伝種子はバイオニック技術に対して適応性の高さと拒絶反応の少なさを示した。これにより第四兵団を、第一兵団や第五兵団に並ぶ最大の兵団となり、また戦場への配備が最初期から可能となった。

第四兵団は大征戦初期の太陽系征服においても数々の戦いで名声を勝ち取り、自ら頭角を現した。特筆すべきものとしては金星におけるメヘル・ヤシュト戦役が挙げられる。ここで第四兵団は皇帝自らの指揮のもと、戦魔女によって創りだされた危険極まりない石のゴーレムの軍勢を退けた。初期のこうした活躍を踏まえ、第四兵団は火星から送られてきた最新装備を最初に手にすることが出来るようになった。第四兵団は数々の戦役で功績を立てた第8遠征艦隊を率いた。しかし第四兵団は自らの戦術を、拡大し続ける征戦の現実に適応させることが出来ず、他のスペースマリーン兵団やホルス自身にも「凡庸である」と言われるようになった。しかしホルスは彼らが持つ鋼鉄の意志には感心し、不名誉ではあるが必要不可欠な消耗戦へと彼らを送り込んだ。決して退くことなく命令を文字通りに遂行し続ける第四兵団はやがて馬車馬の如き働きを見せる兵団として知られるようになる。この時期に第四兵団は銀河中へと散らばり始め、多くの惑星を要塞化し、広がり続ける<帝国>の各所で多くの小さな戦役を戦った。

第四兵団における最も悲劇的な出来事は842.M30の工業惑星インカラディオン解放の最中に発生した。頑固なる第四兵団は重砲と装甲車両を組み合わせた彼らの典型的戦術を用いたが、長引く包囲戦によって驚異的なまでの損害を被ったのだ。一年以上に渡って続いた戦役で29000人近いマリーン軍団兵が戦死し、第8遠征艦隊は事実上壊滅した。

その頃、アイアンウォリアー兵団総主長パーチュラーボは惑星オリンピアにて成長していた。オリンピアは山がちな惑星であり互いに敵対する都市国家群によって分割されていた。起伏の多い地形ゆえに、軍事的優勢は主に石造りの要塞建造や戦略上重要な山道の管理といった要素によって決定した。パーチュラーボは冷徹な論理やテクノロジーの使用について親和性を持っており、特に後者は彼を優れた工兵へと押し上げた。皇帝の大征戦がオリンピアに到達する頃までに、パーチュラーボは<ロコスの暴君>の戦将となっていた。他の失われし息子を見つけ出したときと同様、皇帝はパーチュラーボに拠点惑星を統治させ、彼の兵団の司令部もオリンピアに移された。第四兵団の指揮を執るにあたり、パーチュラーボは彼の新しい軍勢が歩んできた戦歴を精査した。彼らの記録、効率性、戦闘教条、そして実際の姿を丹念に分析した後、パーチュラーボは兵団に不足しているものを発見した。彼が執行した刑罰は十分の一刑であった。籤により、10人の軍団兵ごとに1人が選ばれ、同胞の手で撲殺されたのだ。残忍にして過酷、これこそがパーチュラーボの統治であった。

総主長と再会する以前から、すでに第四兵団のスペースマリーンたちはパーチュラーボの軍事的能力を受け継いでいた。総主長はオリンピアより新兵を徴募すると、<黒き審判者>によって統治されていた近隣の月面基地<裁きの岩>への戦役に乗り出す。これは素晴らしき成功を収めたが、大逆の余波により今日まで伝わっているのは断片的記録のみである。

大征戦

IronWarriorPH

大逆以前のアイアンウォリアー兵団スペースマリーン

すぐさま包囲戦の名手として認知されるようになったアイアンウォリアー兵団は、しばしば敵の防衛線を穿つために招集された。このことは兵団の性質に不運なる効果をもたらした。包囲戦はその性質上、敵を消耗させ士気を挫くことで勝利を収める類の戦場であり、長々と続く退屈で見栄えのしない単純労働の積み重ねであるが、無慈悲なる近接戦闘の残忍さがそれを解消させたのだ。彼らは突破強襲を退屈からの逃避として見なしており、激烈な近接戦闘の闘士となっていった。アイアンウォリアーはもはや敵要塞の降伏を望まなくなっていった。そうすれば要塞を陥落させた際に敵の守備兵を全て殺戮したとしても正当化できたからである。

自らの専門知識を要塞の建設及び人員配置に割いた結果、アイアンウォリアーは征戦を続けるための兵員が減り続けていることに気づいた。しばしば兵団から一部の兵が分割され、臣従の過程にある惑星を監視する駐屯兵として使われたのである。この中でも最も有名な例といえばデルガスⅡに築かれた<鉄の天守>であり、ここでは10人からなる一個分隊が不満を抱えし1億3000万人の人口を見張っていた。なぜこの種の任務に対してこうも頻繁にアイアンウォリアー兵団が選ばれたのか、そしてなぜパーチュラーボがこうした命令を抗議もなく常に受け入れたのかはいずれも謎である。しかしこうした状況が第四兵団の士気に深刻な影響を与えたことは確かだ。スペースマリーンといえども休息は必要であり、大征戦においてアイアンウォリアーは一刻の休息すら許されなかった。

なお悪いことに、攻城工兵あるいは駐屯兵としての適性ゆえにアイアンウォリアーたちは同胞たる諸兵団とも引き離されており、次第に彼らは自らが冷遇されていると感じるようになっていった。特に彼らが憤懣をつのらせたのはインペリアルフィスト兵団とその総主長ローガル・ドルンに対してであった。地球の<帝殿>周辺の防衛設備群を自ら設計したドルンはその難攻不落さをよく鼻にかけていたのだ。ドルンの自惚れや虚栄心に気づいていたのはパーチュラーボだけではなかったが、パーチュラーボは彼自身や彼の兵団に対するドルンの侮辱を看過することが出来ず、怒りが彼の心のなかで渦巻き続けた。同様にレイヴンガード兵団総主長コラックスもパーチュラーボとアイアンウォリアー兵団に対して半ば公然と軽蔑を示し、無神経な壊滅戦論者たちとして切り捨てた。これはアイアンウォリアーの戦法が、コラックス自身の流動的かつ一撃離脱を旨とする戦争概念からすれば受け入れがたかったからであろう。

アイアンウォリアーは<帝国>の諸軍との良好な関係をほとんど取り結ばなかった。彼らは同輩のスペースマリーン諸兵団に対しても冷淡かつ無礼な態度で臨んだ。アイアンウォリアー兵団指揮下の帝国軍は非常に高い損耗率を被ったため、第四兵団は「死体製造機」として知られるようになった。この悪評はアイアンウォリアーの指揮下に移されたりあるいは彼らの指揮下で血塗れの攻撃を続けていた帝国軍諸連隊が叛乱を始めるほどであった。ホルスは事態を収束させるため、今後パーチュラーボの指揮下に置かれるのは犯罪者や奴隷のみであることを保証した。

転換点

拠点惑星オリンピアが帝国法に対する叛乱を起こしたことで、自らの境遇に対するアイアンウォリアーたちの幻滅は最終的に絶望と憤怒の悲劇的爆発へと変わった。大元帥ホルス自身から状況の説明を受け、パーチュラーボはフラドに対する究極浄化戦役を中断し、兵団を率いて帰路を急ぐと、一切の慈悲なく惑星オリンピアへと降下した。オリンピアは屈服するまで叩きのめされ、500万人を超える住人が殺害された。この戦いの後、兵団全体が自らの行いに愕然とし、許されざる残虐行為を犯したことに気づいた。

しかし彼らの行いについての報告が<帝国>の諸軍へと届くより先に、アイアンウォリアーは再び戦場への移動を命じられた。今度の移動先はイシュトヴァーン星系であった。アイアンウォリアーたちがオリンピアでの叛乱を鎮圧していた頃、この銀河では天地がひっくり返るような騒乱が起きていた。ホルスが皇帝に対して反旗を翻し、フルグリム、アングロン、そしてモータリオンが彼に加わり、そして惑星プロスペロではスペースウルフ兵団がサウザンド・サン兵団を殺戮していた。確かにアイアンウォリアーはオリンピアにて非道を働いたが、兄弟たる他の兵団は彼ら以上のことをしようとしているかに見えた。ホルスの大逆の始まりである。ホルスはパーチュラーボにオリンピアでの虐殺に対する赦しを約束するのみならず、このことで彼を賞賛しさえした。パーチュラーボはまもなく大元帥に対して秘密の忠誠を誓った。

ホルスの大逆

アイアンウォリアー兵団はイシュトヴァーンⅤにて大逆者の陣地に対する第二波攻撃に参加するよう命じられたが、しかし彼らはこの戦いにホルスの側で加わることを選んだ。<降下地点での虐殺>の最中、彼らはかつての同胞であったレイヴンガードやアイアンハンドに一片の慈悲なく襲いかかった。かつてアイアンウォリアーが征服地に建設してきた要塞は今や大逆者が地球へと進軍するための補給路として働いていた。パーチュラーボやアイアンウォリアーの大規模分遣隊は帝殿の防衛網を破壊することに邪悪な悦びを見出していた。帝殿での戦いの後もアイアンウォリアーの惑星駐屯兵は<帝国>にとって悩みの種であり続けた。

大逆の時期、兵団はパーチュラーボの個人的な指揮のもと、<天使の究極浄化>として知られる古代兵器を求めてフルグリムとともにイドリスの<老婆の惑星>へ旅をした。しかしこの旅そのものがフルグリムによる策略であり、これによってフルグリムは悪魔の眷属となった。この事件の後、パーチュラーボとアイアンウォリアーたちは自らが<悪魔の眼>の特異点にとらわれてしまっていることに気づく。パーチュラーボは脱出の望みを賭け、中心部のブラックホールへとまっすぐに飛び込んだ。おそらくは全くの幸運により、彼らは<歪み>を抜けタラーン星系へと運ばれた。ひとたびタラーンへと到着すると、パーチュラーボは惑星の地下深くに隠された<黒き眼>の存在に気づき、直ちに侵略計画を練った。

かの大逆においてアイアンウォリアーの次なる標的とされたのはタラーンであった。侵略の準備としてアイアンウォリアーは惑星全土へと生体反応爆弾による爆撃を行い、緑豊かな惑星を不毛なる砂漠へと変え、人口の大部分を死滅させた。しかしアイアンウォリアーたちが攻撃を開始した時、彼らを待ち受けた抵抗は激しくまた断固としたものであった。地下のバンカー群にて破滅を生き延びた数少ない生存者達が再び現れ、逆襲してきたのだ。地表を覆う致命的な放射線により両軍ともに歩兵戦闘は不可能であり、タラーンにおける戦争は主として装甲車両同士での衝突となった。戦いが長期化するにつれ、大逆側と<帝国>側は戦略資源をタラーンにいるそれぞれの同盟軍へと注ぎこみ、どちらの側も決して敗北を認めようとはしなかった。百万を超える装甲車両がタラーンの砂漠で戦い、これは<帝国>の歴史上最大の戦車戦とされている。最終的にアイアンウォリアーたちは敗走し、以降タラーンの人々は帝国防衛軍において最も巧みなる砂漠戦の名手にして機甲戦闘の恐るべき専門家を輩出するようになった。

ホルスが皇帝によって討たれたことで大逆は終わりを告げた。大逆諸兵団の大部分は<恐怖の眼>へと退却したが、その一方で退却しなかった者達はオリンピアにおける自らの駐屯地を守備しようとした。インペリアルフィスト兵団とウルトラマリーン兵団による連合軍が強襲を仕掛けるなか、オリンピアは二年間に渡って持ちこたえた。敗北を悟ったアイアンウォリアーたちは最終的に自らのミサイル備蓄を発射し、惑星オリンピアを不毛の荒野へと変えた。

大逆以後

IronWarrior

大逆以後のアイアンウォリアー

ホルスによる大逆の直後、パーチュラーボはアイアンウォリアーのためにひとつの真なる勝利を考案し、そして実現させた。パーチュラーボと彼の戦士たちにとって苦々しい好敵手であったローガル・ドルンとインペリアルフィストをおびき出すための罠を惑星サバスタスⅣに創り出したのだ。この罠は<永遠なる要塞>として知られ、バンカー、塔、地雷原、塹壕、タンクトラップ、そして砦が20マイル四方に渡って配置され、その中央に天守が存在していた。これを聞きつけたローガル・ドルンは公に「パーチュラーボを巣穴から引きずり出し、鉄の檻に入れて地球まで持ち帰る」と宣言した。この声明により、次なる戦いは<鉄の檻>として知られるようになった。

ローガル・ドルンは名誉ある戦いを予想していたが、実際はそうならなかった。開戦劈頭、衛星軌道からの支援を受けながら降下したインペリアルフィストの4個中隊が孤立させられたのを皮切りに、パーチュラーボは注意深く敵戦力を分断したうえでひとつずつ殲滅していった。幾つかの部隊は防衛網を突破し<永遠なる要塞>の中央へと到達したが、そこに天守は見当たらず、より厳重な防衛網に監視された単なる空き地があるのみだった。インペリアルフィストのスペースマリーンたちは個別に、支援も得られぬまま、同胞の死体すら遮蔽物に使って戦いを続けた。

<永遠なる要塞>包囲戦(後に<鉄の檻事変>と称される)はさらに三週間にも渡って続けられた。ロブート・グィリマンとウルトラマリーンの軍勢が救援に駆け付けたものの、400を超える皇帝忠誠派スペースマリーンの遺伝種子を生け贄に捧げることでパーチュラーボは悪魔の皇子としての転生を果たした。

駐屯任務に残されたアイアンウォリアーたちは、<帝国>諸軍にたいする十年にも及ぶ戦役の中で自らの前哨基地を守り続けた。オリンピアの守備隊は2年にわたって持ちこたえ、敗北を悟るとミサイル備蓄を全弾発射した。彼らが残したものは焼け付いた荒野のみであり、その他の大逆諸兵団の拠点惑星と同様に<喪失>を宣告された。

600.M34に深刻な危機がアイアンウォリアーを襲い、内戦が兵団を無数の戦闘集団へと分断した。

大逆以後における特筆すべき交戦

???.M31 – <鉄の檻>
544.M32 – <獣>戦争
???.M32 – 太陽叛乱
600-730.M34 – <鉄の紛争>
001.M39 – 第十次<黒き征戦>
???.M41 – マッケンナⅦ探索
???.M41 – オブサス・プリマ叛逆
755-778.M41 – <夜宴惑星の征戦>
813-830.M41 – ヴラーク包囲戦
865.M41 – スプラ・ムンディの戦い
905.M41 – キャステラックス包囲戦
969.M41 – タラドルン侵略
971.M41 – マロドラックス陥落
~990’s.M41 – ヒドラ・コーダトゥス包囲戦
998.M41 – <意志の努力>防衛戦
999.M41 – ウルトラマール侵略
999.M41 – 第十三次<黒き征戦>

組織編成

アイアンウォリアーはその効率性によって自らの堕落をますます暗きものとしている。かの者らの堕落は奥深くに位置し、表面上は平静を装っている。まるで規律が存在するかのようにも見えるが、彼奴らの精神内部における逸脱については想像することすら出来ぬことを嬉しく思うほどだ。

インペリアルフィスト戦団至高教戒官リカオン

大逆以前

IronWarriorPreHeresy

大逆以前のアイアンウォリアー兵団スペースマリーン

総主長パーチュラーボと再会する以前より、アイアンウォリアー兵団はテクノロジーに対する親和性と軍事的問題に対する論理の臨床適用で知られていた。熟練の包囲戦技師であったパーチュラーボによってテクノロジーに対する彼らの親和性は包囲戦術の熟達へと向けられることとなる。こうした能力は帝国技術局との合同訓練によってより強化された。アイアンウォリアーの戦鍛冶(ウォースミス)たちの技術は技術賢人に匹敵し、パーチュラーボの機械工学に関する技術はあらゆる技術賢人をも凌いだと言われる。アイアンウォリアーの整然たる姿勢は包囲戦において無慈悲に発揮された。攻城兵器の数々が設置されると、守備側には選択肢が与えられた。直ちに自らの武器と要塞を明け渡せばよいが、さもなくばアイアンウォリアーたちは一片の慈悲も見せることはなかった。その他の多くの兵団と同様に彼らもまた包囲戦を通じて残忍さについての名声を勝ち取ったが、それは言うまでもなく包囲戦が始まった後の残酷な行いについてであっった。兵団の中には多くの戦士共同体が存在し、有名なものとしてはドデカテオン、アポラクロン、ケレダコス、そしてリサトラがある。兵団はストル・ベザーシクのような特殊部隊も保有しており、彼らは帝国技術局のオルド・リダクター以外では見ることのない強大なる攻城兵器を操った。

大征戦の時期、アイアンウォリアー兵団はかなりの規模で戦力の分散を被った。多くの部隊が別々の包囲戦や駐屯任務へと割り当てられたからである。

兵団の戦略的指揮は至大隊(グランド・バタリオン)ごとに行われた。この組織は戦団と似ているが、他兵団の同様な組織より多くの装甲車両、火砲、そして兵站手段を有していた。アイアンウォリアーは極めて高い損耗率で戦っていたため、至大隊の戦力は大きく変動した。幾つかの至大隊はわずか500人ほどの兵士しか持たなかったが、4000人を超える規模の至大隊も存在した。兵員が深刻な規模で枯渇した至大隊は活動的な他の至大隊へと編入された。至大隊はふつう歩兵隊や至中隊といった規模に分割され、その下には戦列中隊や装甲百人隊があった。戦列中隊は100人の軍団兵からなり、百人隊は20から50の装甲部隊でできていた。それぞれの至大隊にはティランティコス(正式にはドミナートゥスとして知られるが)の部隊があった。彼らは兵団のターミネイター古参兵である。

戦術的には、アイアンウォリアーは戦鍛冶によってそれぞれ指揮される至中隊の集合体として組織された。元来それぞれの至中隊は似通った組織を持っており、計1000人のスペースマリーンより成っていた。ホルスの大逆の時期、アイアンウォリアー兵団には少なくとも12の中隊が存在したが、他にも多くの小さな分遣隊が散らばった状態で配備されていたためこの12000人という数がアイアンウォリアーの全戦力であったかどうかを確かめることは不可能である。兵団全体としては15万人から18万人のスペースマリーンを擁していた。

現在

IronWarriorsCombat

戦闘中のアイアンウォリアー

大逆の後、アイアンウォリアーは最終的に銀河銃へと散っていった。彼らは見せかけの慈悲すらも捨て去り、<帝国>の恐るべき敵となっていった。あらゆる惑星がアイアンウォリアーへと屈し、なかには抵抗しようとすらしなかった惑星もあった。この一万年というもの、アイアンウォリアーはあらゆる戦域から戦闘兵器を調達しており、これには幅広い種類の車両、火器、そして大砲が含まれる。

現在の組織構成には規格が全く存在せず、とくに内戦によって兵団が断片化した後ではその傾向が顕著である。至中隊はしばしば下位の代理戦士が率いる支隊に分断されている。三の倍数の人数で行動する傾向があることが記録されている。彼らの総主長はいまだメドレンガルドの要塞に残っているが、アイアンウォリアーは現在のところ至中隊を指揮する戦鍛冶によってほとんど独占的に率いられている。ウォースミスはアイアンウォリアー兵団における高位の指揮官であり、至中隊を支配している。例えるならば幾つかの中隊を指揮下に置いた戦団長のようなものだが、それらの中隊は未だ中隊長と呼ばれている渾沌の代理戦士によって率いられているのだ。アイアンウォリアーは新兵帳簿を積極的に行うことで知られており、ヒドラ・コーダトゥスの遺伝種子貯蔵施設より奪取した相当規模の遺伝種子を、渾沌的な生体機械化技術をもちいつつ新しいアイアンウォリアーの育成のために利用しているのである。こうして生まれたあらたなるアイアンウォリアーたちは戦鍛冶によって定期的に至中隊へと選抜され、自らの価値を証明できるようになるまで数々の厳しい試練を課せられるのである。、

大逆の巨兵はしばしばアイアンウォリアーと共同して戦っていることで知られており、それゆえ彼らは実質アイアンウォリアー兵団の一部なのだと信じるものもいる。

渾沌の軍勢の中で最初にオブリタレイターが目撃されるようになったのはアイアンウォリアーである。そしてこれは珍しいケースだが、そしてオブリタレイターほど幅広くではないが、アイアンウォリアーにも自らの武器を変形させる能力があることが記録されている。

知られている分派

スティール・ブレザレン
ブラッドボーン
サン・オブ・フォージ
アブリアルズ・クロウ

戦術

アイアンウォリアーは包囲戦と要塞建築、陣地構築の並ぶものなき名手である。彼らの攻撃はふつう鈍重であるが、しかし執拗かつ科学的である。アイアンウォリアーは殆どの場合、強襲に先んじて激しい衛星軌道爆撃を仕掛け、続いて迅速なる空挺降下を行った。橋頭堡を確保するため、アイアンウォリアーは着陸地点の周辺に防御陣地を建築し、包囲戦の作戦基地とするとともに敵による反撃を防いだ。その際建造物を用いて要塞を建設する代わりに、アイアンウォリアーは多数のライノを連結して輪状のトーチカとする。この陣地が設立されると、アイアンウォリアーは続いて強大なる攻城兵器軍を配備し、最終突撃に先んじて敵陣地を消耗させた。

防御陣地を設立した直後、最初の砲撃を行う前にアイアンウォリアーはしばしば主軍の前方へと浸透部隊を送り込み、敵の防衛施設を無力化するとともに主軍が敵陣へ突撃する時に備えて待ち伏せや迂回攻撃の準備をする。

不壊なる連祷

ホルスの大逆以前より<不壊なる連祷>はアイアンウォリアーにとって瞑想的な詠唱にして鬨の声であり、パーチュラーボ自身によって用いられた。

鋼鉄より力に至る。力より意志に至る。意志より信念に至る。信念より名誉に至る。名誉より鋼鉄に至る。これこそが不壊なる連祷にして、願わくば永遠にかくあらんことを。


コメント

  1. tanu より:

    英語の訳が難しい私にとって非常にうれしいブログです
    リクエストが可能なら「ブラックテンペラー」が読んでみたいです

    • KomabaTengu より:

      お読みいただきありがとうございます!
      まずは兵団を番号順にと思っておりましたが、3つ先にちょうど親兵団のインペリアルフィストが出てくるので、その次に訳してみます。
      あまりスピードが早い方ではないので少々時間がかかりますが、気長にお待ちいただければと思います。