右肩痛からの1軍復帰を目指す中日の松坂大輔投手(38)が21日、ウエスタン・リーグ広島戦(ナゴヤ)に先発し、今季最長の6イニングを7安打2失点。最速は139キロで、球数も108球と順調に伸ばし、昇格に向けて前進した。試合は0―3と完封負けを喫し、引き分けを挟んで4連敗となった。
5回を終えて、首脳陣に体の状態を問われた松坂はこう即答した。「いけます。いかせてもらえるならいきたいです」。この時点で98球。6回を10球で三者凡退に仕留めると、直後の打席で代打を送られ、余裕を持ってマウンドを降りた。
「100球を超えたい考えがあったので、いかせてもらいました。7回もいかせてくれそうな感じだったけど、3人で終わったのでいいかなと」
試合直前の通り雨で蒸し暑さは増した。変化球が操れないほどの強風にも苦しんだ。軸になる球種は見つからない。それでも「若いころから、状態が悪いときにどう抑えるかを考えながらやってきた」と自負するベテランはタフだった。
1回2死一、二塁は坂倉を遊ゴロ。2回2死満塁では庄司を外角から入るスライダーで見逃し三振に仕留めた。3回は死球と3連打で1点を失ったが、なおも1死満塁で後続を断つ。5回の追加点も1点でとどめた。結果は二ゴロも、今季初めて打席に立つなど、1軍昇格に向けて、確実に準備を整えてきた。
門倉2軍投手コーチは「直球は強くなっているし、変化球でもうまく打ち気をそらせていた。高い評価をしています」と強調。「準備はできているので、あとは監督の判断になる」と1軍首脳陣に昇格の判断を委ねる姿勢を示した。
「投げていて体に問題はなかった。1軍に向けてやりたいことはやれたのかな。あとは明日以降の反動がどう出るか」と松坂。1軍は週明けは2試合しか組まれていないが、7月2日からは9連戦を迎える。反動が出なければ、「平成の怪物」の令和初登板が現実味を帯びてくる。(高橋雅人)