賃貸住宅の着工数が伸び続け、賃貸市場は活性化しています。アパート経営を後押ししているのが「一括借上げ」です。賃貸市場での競争が激化する中でも長期安定経営を見込めると人気ですが、最近ではこの一括借上げを問題視する報道もあります。今回は、改めて一括借上げのしくみと、メリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
通常の賃貸借契約の場合、オーナーは入居者一人一人と個別に賃貸借契約を結びます。一方、一括借上げの場合は、オーナーは借上げ会社と一棟全室を一括して賃貸借契約を結び、借上げ会社は入居者と賃貸借契約を結びます。このことから一括借上げは転貸を意味する「サブリース」とも呼ばれています。
一括借上げの大きな特徴は、空室があっても借上げ会社と取り決めた賃料がオーナーに支払われるということです。ここで、よく勘違いされるのが、「家賃保証」との違いです。家賃保証とは家賃保証専門の会社やクレジットカード会社が行うサービスで、正確には「家賃滞納保証」です。文字通り、入居者が家賃を滞納した場合に保証されるサービスですが、入金の確認はオーナーがしなくてはなりません。入居者が家賃の滞納したところから始まるサービスで一括借上げとは全く違うシステムです。
一括借上げでは、入居者の家賃滞納に関わらず毎月決められた賃料がオーナーに支払われます。ただし、借上げ会社からオーナーに支払われる賃料に関しては一定期間で更新があり、賃料の見直しがあります。必ずしも最初に決めた賃料が借上げの全期間について保証されるわけではありません。最近、このことをしっかりと説明されずに後々トラブルになるケースがあり、話題に上がっています。オーナーにとっては注意が必要です。
一括借上げは、オーナーと借上げ会社が、全室一括して賃貸借契約を結ぶしくみ。空室があっても毎月決められた賃料が支払われる。しかし、賃料そのものは一定期間の更新時に見直しがあり変更になる場合もある。
賃貸経営において、最も大きなリスクが空室です。空室が2カ月、3カ月と長引けば長引くほど、経営に大きく影響してしまいます。築年数が新しいうちは、さほどの心配はないにしても、時間の経過とともに近隣の新築物件との競争が激しくなり、空室の心配が出てきます。
そんな空室リスクを回避できるのが、一括借上げなのです。仮に何部屋か空室があっても賃料は全室分が毎月支払われます。また、家賃滞納の場合も同様です。しかも、30年一括借上げの場合は、30年もの間、空室の心配はなく、安定した収入が得られます。
さらに、旭化成ホームズでは当初10年間の賃料固定型 の30年一括借上げシステムも用意しています。この場合は、当初10年間賃料の見直しはありませんので、より安定的な収支計画が望めるでしょう。
また、賃貸経営の収支計画で大切なのは、メンテナンス費用をどう計画に織り込むかです。入居者の入れ替え時のリフォーム費や入居中の突発的な補修・修繕などは予測しにくいため、収支も安定しない場合があります。
旭化成ホームズの30年一括借上げシステムでは、「メンテナンスサポートプラン」を用意しています。これは、毎月一定額をメンテナンス費として支払うことで、思いがけず多額のメンテナンス費用が発生した場合でも、管理会社の方で負担するというものです。これで、さらに安定的な収支計画が可能となるのです。
一括借上げは、賃貸経営の最大のリスク「空室」を回避でき、安定した収入が得られる。
空室リスクを回避した安定収入のメリットはもちろん大きいのですが、それよりもオーナーが口をそろえて言うメリットが、管理・運営を全て任せられるということです。これまで賃貸経営を長く経験してきたベテランオーナーほど、このメリットの優位性を強調します。管理・運営を切り離すことができる一括借上げだから、賃貸住宅による土地活用に踏み切れたというオーナーがほとんどなのです。
賃貸経営には管理・運営の煩雑さがつきものです。賃貸管理業務は年々専門性が高まっていて、業界では賃貸管理の専門資格「賃貸不動産経営管理士」に期待が寄せられています。逆に、オーナーが賃貸経営の経験者でなくても、管理・運営は一括借上げで専門家に任せれば安心して始められます。
賃貸管理業務にどんなものがあるのか表にしてみました。
また、一括借上げでなく、管理を委託する"一般管理"を選択するケースもあると思いますが、どこからどこまで管理するかは、管理契約によって内容も管理費も違ってきます。一般管理の場合、何かトラブルが発生すると、オーナーのところに必ず連絡がくるようになっています。設備の故障だったり、家賃の滞納だったり、退室時の敷金精算でもめたりとトラブルが発生すれば、夜中であろうが、早朝であろうが連絡がきます。いわば、賃貸管理は24時間365日と言っても過言ではありません。
ベテランオーナーは、この負担の大きさを身にしみて知っているので、管理・運営を借上げ会社に一切お任せできる一括借上げのメリットを高く評価するのです。
管理業務は煩雑化し、年々専門性が高まっている。一括借上げは、管理・運営は借上げ会社に一任するので負担は一切ない。
一括借上げには、デメリットもあることをしっかりと認識する必要があります。
まず、管理料が一般の管理委託より高いということです。先の表にも記しましたが、一般の管理委託の場合は、家賃の3〜5%が相場です。一括借上げの場合は、家賃の10〜15%です。
書店にはたくさんのアパート経営に関する本がありますが、読者を投資目的の、いわゆるサラリーマン大家さんに絞った書籍では、このデメリットを指摘しているケースが少なくありません。つまり、管理料が高い分、採算性が低く、利回りが悪くなるというものです。
それから繰り返しになりますが、賃料は一定期間ごとに更新があり、近隣の賃料相場の状況によっては値下げもあり得るということです。賃料改定協議で合意に至らない場合は、契約解除になる可能性もあります。
旭化成ホームズでは「30年一括借上げシステム」の対象エリアを将来の需要を見越して賃料が値崩れしにくいエリアに限定しています。結果、「30年一括借上げシステム」を採用いただいた建物の空室率は低く、この10年間に締結した一括借上げの継続率も高い水準を維持し、好評をいただいています。
デメリットは、管理料が高く、一定期間ごとに賃料の見直しがあること。賃料改定協議で合意に至らない場合は、契約解除になる可能性もある。
さて、今一度メリット、デメリットを比べてみましょう。
一括借上げは賃貸経営の最大のリスクである「空室」を回避できます。一方で、管理料は確かに高いですが、その分管理・運営の負担が一切なくなるのですから、24時間対応の煩わしさを考えれば、その労力の費用としては必ずしも高いとは言えないでしょう。経験が十分にあり、管理業務に専念できれば別ですが、不動産業専門でなければ難しいでしょう。
一定期間ごとの賃料の見直しに関しては、一括借上げであろうが、一般管理委託であろうが同じリスクを抱えることになります。どちらにしても、優位性はありません。
これらを勘案しても、やはり最大のリスクである空室リスクを回避できること、管理・運営の負担が一切なく、賃貸経営未経験者でも参入しやすいことを考えれば、一括借上げのメリットは大きいと言えるでしょう。
最後に一括借上げを選択する際には、借上げ会社の見極めが最も重要なポイントとなります。
市場の分析から長期間競争力のあるプランづくりができるか、入居者募集、管理・運営はしっかりしているかです。
難しいかもしれませんが、管理物件の空室率の状況や一括借上げの継続率の高さなどの実績を元に見極めるのがよいでしょう。
メリットからデメリットを差し引いても、一括借上げのメリットの方が大きい。長期安定経営に大きな期待ができる。
旭化成の30年一括借上げシステムは、コチラから。
アパート経営・土地活用サイト。旭化成ホームズのヘーベルメゾン
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